フィーリはU程の実力者を敵に回す事を快く思っておらず、先のグバイドの件も彼の自業自得としてUを許した。それと同時に、フィーリはUと真子の2人にある人物の面影を感じていたのだった………
フィーリの言葉を聞いたUは何かを察する様子を見せた。
「………まさか、その姫様………ハルカとか言わないよな?」
Uはフィーリに対して、その人物の名を察してしまったかのようにそう問いかける。それを聞いたフィーリは驚いた表情を浮かべると………
「何故分かった………!? 姫様の名は今の幹部クラスですら私しか知られていない………何処でその名を?」
そう言って、Uの予想が当たりである事を示すと共に、動揺の声を漏らした。
「………いや。アンタの知るユウと………僕の名の呼び方が同じなんだよ………僕はU。そして僕には奥さんがいてその奥さんの名前が春香………そもそも僕とユウが余りにも似すぎているからもしかして………と思ってな」
Uは自身の名がUである事を明かし、ユウという男の存在とあまりに共通点が多い点から、亡くなった魔族の姫がハルカという名ではないかという点まで連想出来た様子だった。
「………そうだったのか。雰囲気は似ていると思っていたが、まさかそなたもユウの名を持つ男だったとは………」
フィーリはUとユウの雰囲気が似ている事を察知しつつも、まさか名まで同じだとは考えていなかった様子だった。その直後、フィーリはハッとする様子を見せると………
「という事は………そこの娘は………マコ………という訳か?」
フィーリは真子の呼び名に辿り着いた。それを聞いた真子は………
「………そうです。髪を解いた方が分かりやすいですか?」
真子はそう言うと、束ねていた髪の毛を解いた。
「っ………!! 本当に姫様そっくりだ………!!」
その姿を見たフィーリは自身の知る姫との面影を重ねていた。Uはフィーリの驚く顔を少し目の当たりにした後………
「………ところで。何故その姫様とユウの話が今出てくる? 話の意図が読めないんだが?」
Uはフィーリに対して、何故この場面でユウと魔族の姫、ハルカの名前が出てきたのかを問いかける。
「………実は。姫様はユウと懇意な関係だった………共に居たのは2年程度だったが………その間に娘も産まれた………当時の私は姫様のお守役だった故、ユウともよく顔を合わせていた。奴は姫様や私が魔族であっても嫌悪せず、姫様もまたわざわざ人間に化けるくらいにはユウへ好意を向けておられた………しかし、人間共は姫様とユウの婚姻関係を認めなかった………そればかりか、ユウを人間の裏切り者とした戦争の口実に使ってきた………その騒動で姫様とご子息は殺害され………ユウは壊れた」
フィーリは悲しげな表情と共に、戦争の引き金ともなったユウとハルカの悲劇を語る。それを聞いたUは………
「………そうか。結局そういう事かよ………」
フィーリから視線を逸らしながらそう呟いた。真子達はUの様子を見ていたが、彼がまるで自分事のように目に涙を浮かべているのを目撃していた。
「U………」
ミディアはUを心配するように声を漏らした。そしてフィーリもUの様子に気付くと………
「………何故泣く? 貴様には関係の無いはずだぞ………?」
そう言って、別人であるはずのUが泣く光景に首を傾げていた。
「いや………他人事に思えなくてな………どうしても………」
Uはフィーリに対し、戦争が起きた悲劇の話を他人事のように思えない本音を語ったのであった………
フィーリがU達から感じたユウとハルカの面影と、戦争が起きたきっかけにまつわる新たな情報。その情報は普段冷静なUすらも同情してしまう程に、悲しくて人間側の愚かさが露呈する話であった………
To Be Continued………
次回予告
ユウとハルカの悲劇話に涙するUを見たフィーリは、彼を信用し始めていた。そんな中、インポートベースに人間軍が攻め込んで来たのであった………
次回「剣士への信用、人間軍の襲来」