真子達は人間軍を相手に優勢に立ち回り、次々と殲滅していった。そんな中でソーダリアを相手に翻弄する真子。だが、ソーダリアの口にした罵声は、真子がソーダリアに殺意を抱かせる明確なトリガーとなったのであった………
ソーダリアの心臓を貫いた氷塊。ソーダリア本人がこの事態を自覚したのは少し時間が経った後だった。だがそんなソーダリアが自覚した時にはもう遅かった。氷塊は心臓を貫いており、ソーダリアは吐血しながら倒れた。
「がはっ………! 何故だ………何故こんな事が………!?」
ソーダリアは自身に死が近付いているこの現状に動揺していた。
「………さてね。でも貴方は死んだ方がいいよ」
真子は普段の様子からは想像も出来ない残酷さを見せつけていた。その直後、ソーダリアの背後から馬のものと思わしき歩行の音が聞こえた。
「………ソーダリア殿、苦戦していると思って見に来たけれど………まさか死にかけとは………」
そして馬が止まった直後、女性の声が真子達の耳に聞こえた。そこには大きなローブを身に纏った女性………
「バーニン………!? 貴様………」
バーニン魔法長が立っていた。バーニンはソーダリアの胸に刺さった氷塊に触れると………
「{メガヒール}」
回復魔法を使う事で、ソーダリアの胸に刺さった氷塊を取り除きつつ、傷を治す事に成功する………だがこの治療は無茶なものである事に変わりはなく、ソーダリアは突如走った激痛に苦しんでいた。
「ぐあああっ!! バーニン! 何だこの治し方は………!?」
ソーダリアはバーニンに対して文句を言い放つが………
「仕方ないでしょう。無理矢理回復魔法で身体を治すのはそれだけ激痛が伴う行為。文句があるなら最初から死にかけなければいい」
バーニンはその激痛についてどうしようも無い事を語る。2人がそんな会話をする中、真子はバーニンへ視線を向けると………
「………貴方が前にお父さんと対面した………バーニンって人なんだね………なら言っておくよ………」
バーニンに向けて何か言いたげな様子でそう呟くと………
「………私の事をなんと言おうが勝手だよ。でもお父さんを侮辱したり………愚弄したりするなら………私が貴方達を倒す事も厭わない………その覚悟で言う事だね………!!」
そう言って、自身の身体から膨大な氷の魔力を放出する。
「(………とてつもない魔力。他に手数があるかは分からないものの………氷の魔力に関しては私を凌駕している………)」
それを見たバーニンは真子の氷の魔力の膨大さを素直に認めていた。そしてそれと同時に………真子が本気で自身に刃を向けようとしている事も………
ソーダリアの死の危機はバーニンによって間一髪助かったものの、バーニンとの邂逅は真子にとって人間軍に対する宣戦布告へと繋がった。果たして、この宣戦布告を受けた人間側はどう動き出すのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
宣戦布告を受け、更に感情的となるソーダリアは真子へ刃を向ける。だがその直後、この場に介入する男の姿が現れる。その人物はU達の旅の中で度々現れていたあの男であった………
次回「宣戦布告への刃、人間を見捨てた男」