町を探索する過程で、人間軍をたった1人で圧倒するユウの姿を目撃したU達。再び一触即発の空気となる中、真子は生命を賭けてでもそれを防ごうとしていたのだった………
真子が本気で自身の妨害をしようとする姿勢にはユウも動揺していた。他人とはいえ、目の前にいるのは自身の最愛の妻の生き写しとも言える存在。それに加え、ユウはUを恨みこそしつつも真子を恨んだりはしておらず、寧ろ傷つける事を躊躇っていた。事実ユウであれば真子に傷を負わせるのは容易のはずだった。なんなら真子もそれは分かっていた。だが、ユウが剣を持った手や足を動かせていない事は、それを裏付ける決定的な根拠となっていた。
「(ユウの動きが明らかに止まっている………やっぱり真子さんに対して思う所があるんだ………)」
真子の様子に思わずUの内心を察するミディア。これにより一触即発の空気が硬直状態となるが、その際に近くから足音が聞こえると、2人のユウの名を持つ男達は身構えた。直後、U達の周囲を鎧を身に纏った兵士達が抑え、場の空気は更に緊張を強めた。
「………どうやら思わぬ獲物が釣れたみたいですね………これは想定外」
そんな中、U達に向けてそう呟く女性の声が聞こえた。
「バーニン………」
Uは強い警戒心と共に身構える様子を見せる。それに対しユウはバーニンの顔を目にすると………
「バーニンか。相変わらず小賢しい真似を好むものだな」
そう言って、冷たい言葉をかけた。
「ユウ………貴方はあの時から今に至るまでずっと過去を追い求めているのですね………しかし、私は貴方のように過去にこだわる生き方は出来ない………」
バーニンは冷静な様子でそう返すが、その際、どこか悲しげな様子も見せていた。
「俺の事を知った気になるな」
ユウはバーニンの言葉を一蹴すると、ゆっくりとその場から歩き始め………
「俺はお前達人間に何もかも奪われた。それどころか魔族の戦争の口実にすらしてきた。お前達の愚かな行為が俺を壊したんだ………都合が悪いかの如く邪魔者を排除するその姿勢がな………!!」
自身の不幸を嘆くように、その場にいる人間に向かって悲痛の叫びを漏らす。そしてユウは自身の身体からドス黒いエネルギーを漏らすと………
「人間なんて滅びればいい………俺を不幸たらしめる存在は全て消えればいい!!」
そう言って、闇のエネルギーを周囲に漏らした。
「真子っ………!!」
Uは咄嗟に自身の身体に光のエネルギーを纏わせると、真子の前に立ち、彼女を闇のエネルギーから守った。ミディアとライガも咄嗟に離れた事と、エネルギーの有効範囲がそこまで広くない為にU達の被害はほぼ無かったが、近くにいた兵士数十人はあっという間に吹き飛ばされ、中には死人もいた。そして、闇が晴れたタイミングでUは自身の力を解除するが、その際に膝を着き………
「な、なんてパワーだ………!」
ユウの放ったパワーに驚きの声を漏らしたのだった………
一触即発の空気の中介入してきた人間軍だったが、ユウの力によって犠牲を生む形となっていた。果たして、底知れぬ闇を持つユウは次にどのような行動へ動いてしまうのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
ユウの闇の力は恐ろしく、まともに戦えば犠牲者が出る事を予感するU。だが、闇のエネルギーの防御時に幾らかダメージを負っていた上、易々と逃げられない危機的状況となってしまっていたのだった………
次回「膨大な闇、極限の怒り」