旅に戻ったU達は魔族領へと入り、魔族の集落付近へとやってきていた。一時集落民と一触即発の空気となる中、Uの機転でこれを免れ、魔族達はその詫びとして自分達の集落へ招待の言葉をかけるのだった………
魔族達の案内で集落を訪れたU達は、少しして集落の長と対面する事となった。その人物は高齢の魔族であり、U達の様子を伺うように彼等へ視線を向けていた。
「………人間か。はて、ここへ軍と関係の無い人間が来たのは実に久しい事じゃて」
その人物はU達が人間軍の者では無いと知ると、それを久しぶりの事であると語った。
「すまなかったのう、そなた達へ早とちりで警戒心を与えてしまった………」
集落の長はそう言って、U達側から自分達へ警戒を与えてしまう事態を作った事を謝罪する。
「いや………こんな世の中だ、嫌でもそうなるだろう」
Uは特に気にしない素振りを見せる。
「………寛大な心、恐れ入る」
集落の長はUの寛大さに思わずそう呟いた。
「寛大じゃない。仕方が無いと思ってしまっただけさ」
しかしUは自身の寛大さから気にしていない訳では無い事を念押しする。
「………それでもいい。ワシらからのせめてもの詫びじゃ、この地で休息を取るといい」
集落の長はUの心の内を知ってもなお非があるのは自分達だと主張し、彼等の休息の機会を与える事を語った。
「ならお言葉に甘えさせてもらおう」
Uはそう言って集落の長の言葉に甘える事を語った。そして、U達が背を向けて立ち去ろうとする中、集落の長はUの姿から別の人物の面影を感じた。
「………ちょっと待ってくれ………そこの白髪の青年………!!」
彼は狼狽えるようにUを引き止める言葉をかけてきた。
「………どうした?」
Uは首を傾げながら集落の長に向けて振り返る。
「いや………実はある少年とそなたが似ている気がしてな………思わず引き止めてしまった………その、すまぬな………」
集落の長は直ぐにUを引き止めてしまった事を詫びた。だがUは………
「………いや、気にしてない」
特に気にしない素振りを見せると共に今度こそ集落の長の前から離れた。
「(しかし不思議だ。詫びとはいえあの爺さんは人間と魔族が共存する僕達一行がここで休息を取る事について何も嫌悪感を抱いていなかった。直接戦争に関与している訳じゃ無いとはいえ不思議な話だ………)」
それと同時にUは、人間と魔族の両種族がいるU達一行へ当たり前のように休息を与えてくれた集落の長に疑問を感じていた。そしてそれと同時に集落の長はUが立ち去ってもなお同じ方向へ視線を向け続けており………
「(………やはり似ている、彼に………)」
自身の知る人物とUが似ている事を感じていたのだった………
U達の前に現れた集落の長はUに休息の機会を与えたが、その行動にUは疑問を覚えていた。そしてその中、Uに対して別の人物の面影を重ねる集落の長。果たして彼はどの人物へ面影を重ねているのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
休息の機会を与えられたU達だったが、種族間の違いによってあまり良い雰囲気を構築出来ずにいた。そんな中、魔族の子供達がU達に対して、現在の戦争によって生み出されている種族間の嫌悪について問いかけてくるのだった………
次回「純粋の疑問、種族嫌悪の原因」