集落の長と対面したUは、彼から謝罪を受けると共に集落にて休息を取る事となった。しかし、その中でUにとある人物の面影を重ねる集落の長、そしてUの中でも集落の長に対する疑問が浮かんでいたのだった………
集落の長の勧めで滞在する事が決まって数時間、U達は久方ぶりの屋根の下での休息を取っていた。ミディアとライガは疲れから眠っていたが、Uは外で座り込んでおり、休息をしているようにはとても見えなかった。そしてUの様子を見ていた魔族達は噂話をしながらU達の様子を見ており、Uもそんな彼等の様子を見ているようだった。
「(流石に種族が違うもんな………嫌悪感を抱かれてもおかしくは無い………か)」
Uはこの事を仕方無いと感じていた。そんな中、魔族の子供達数人がU達の前へ現れると………
「ねぇ、人間のお兄さん。人間のお兄さんはどうして人間なのに俺達の集落にいるの?」
そう言って、U達が滞在する理由を純粋に問いかけてきた。近くの大人達は子供達がUへ接触した事にかなり狼狽えていたが………
「さあな。でも1つ僕から言える事はある」
Uは淡々とした様子で子供達の会話に加わる。
「言える事………?」
そして子供達はUの意味深な言葉に首を傾げる。
「………ここの人達は人間が嫌いらしい」
Uはそう言って、この集落の魔族達は人間が嫌いであるという事実を語った。それを聞いた周囲の魔族達は動揺しており、慌てて子供達の元へ駆けつけると………
「こら! そんな事聞いちゃ行けません!!」
そう言って、子供達を引き連れてその場を離れると共に、Uへ警戒心を抱いていた。それを見たUは少しして溜息を漏らすと………
「………嫌いなら嫌いって言えばいいのに」
魔族達の本音を隠しつつも表面上は平静を装う姿に苦言を呈した。そんな中、大人の魔族の1人がUの元へやってくると………
「………あの子達はまだ子供だ。変な事吹き込まないでくれ」
そう言って、Uの先程語った言葉を遠回しに批判する様子を見せた。
「変な事も何も………僕は嘘を言ってない。それに今の世の中じゃあの子達もアンタ達と同じ道を辿る事になる」
Uは呆れた様子で言葉を返す。それを聞いた魔族は思わず声を漏らすも………
「………別に僕の事をどう言おうが構わんよ………僕の仲間達に危害を加えない限りは」
Uは仲間達へ危害を加えない限りは特に自身への批判は気にしない事を語った。
「………もし加えたらどうする」
その魔族は恐る恐るそう問いかける。
「さあな。少なくとも加えた奴は殺すかもな」
Uは憶測混じりにそう呟く。それを聞いた魔族は動揺の声と共に苛立ちの声を漏らすが、その直後、Uは右拳で軽くジャブのようなパンチを真横へ振るう。するとそれによって発生した風圧が近くの木へ激突。木は音を立ててへし折れ、そのまま倒壊した。
「………おっと、軽くパンチの練習をしたと同時にへし折れるなんて………」
Uは偶然を装うようにそうボヤいた。だがUと対話をしていた魔族は本能的に震える様子を見せながらその場を去るのだった………
休息を取るU達の元へかけられる子供達からの純粋な疑問。その回答はUにとって心理ともとれるものであった。U本人はあくまで戦争の人間とは違う立ち位置を取っていたが、自分達へ嫌悪感を見せる魔族達に向けて一定の線引きは構築していたのだった………
To Be Continued………
次回予告
U達が休息を取る中、集落へユウが訪れる事態に発展する。ユウの登場に思わず臨戦態勢を取るU達だったが、集落の長はユウを見るなり彼の事を知っている素振りを見せたのだった………
次回「ユウの訪問、集落の長との関係」