自身の力で人を傷付ける方法が分からないミディアだったが、ならず者達に子供が襲われそうになったタイミングにおいて、無意識かつ初めて人の生命を奪った。これがミディアの精神に深いダメージを与える事となったのだった………
U達が村人達を救って数日。村人達は好意でU達を泊めてくれる事となった。しかし、ミディアが精神的に疲弊したままである事から小屋の中でUと真子はそんな彼女の様子を見ているばかりだった。
「今日も引き摺ってるって事は………今回の事はかなり応えたらしい。まあ当然の反応だがな」
Uは冷静ながらもミディアの動揺を理解していた。
「………今のお父さんにミディアちゃんの気持ち、分かるの?」
真子は冷たい様子でUへそう問いかける。
「初めて人を殺した時の記憶はもう無いな………でも、人を殺す事は取り返しのつかない行為だ………このまま失意で潰れるか、それを抱えて生きていくか………僕みたいに何の感情も無くなってしまうか」
Uはどこか突き放すようにそう言うと、席を外すように小屋を出た。真子はUの様子に疑問を抱きつつも、ミディアの方へ駆け寄る。ミディアの目は光を失っており、大きな絶望が感じ取れた。
「ミディアちゃん………まだあの時の事が忘れられない………?」
見かねた真子はミディアへ声をかける。
「忘れられないわよ………私はUや貴女みたいに何も考えずに人を殺す真似なんて一生出来そうにないわ………」
ミディアは自身が初めて生命を奪った事が忘れられず、Uや真子のようにはなれないと語った。それを聞いた真子はどこか悲しげな表情を見せると………
「………お父さんは知らないけど、私は平気じゃないよ………それに、私も初めて生命を奪った時は相当傷付いたよ………相手がお父さんだったのもあったけど………ショックなんて言葉じゃ片付かない………お父さんが復活するまでは相当疲弊したかな………それに、私の初めての殺人は人を守る為じゃなかった。操られていたとは言え………悲しみしか生まない殺人だった………今でもたまに夢に出るんだ………」
そう言って自身が初めて人を殺した時の事を思い返していた。その内容はミディア以上に悲劇的なものであり、それを聞いたミディアは自身以上の経験に動揺の声を漏らした。
「………自分が人を殺した時の感覚は多分一生消えない。その感触とどう戦うか………よく考えてみるんだね」
真子はミディアが一生抱える事となる人を殺した感触とどう向き合うかを考えるよう助言するのだった………
ミディアは人の生命を奪った事に苦しみ続けていたが、真子がミディアを上回る悲惨な過去を語った事で彼女の中で小さな心情の変化が起きていた。果たして、真子の過去を聞いたミディアは自身の人を殺した感触をどのように受け止めるのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
真子の過去を聞いたミディアは、真子が過去を引き摺りつつも自身の信念の元動いている事を理解する。そんな彼女に倣う形で、ミディアは生涯殺人による心の傷を背負っていく覚悟を決めたのだった………
次回「過去を背負う未来、ミディアの決断」