幻想異次元冒険記   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
崖下に落ちていたUは、怪我を負った末に気を失っていた。だが、何も出来ない自分を事を嫌がったミイルはUの為に懸命に回復魔法を使い、彼の手当に動いていたのであった………


第89話 寄り添いの姿勢、与えへの嫉妬

それから数分。Uはようやく落ち着きを取り戻し、瞼を開ける。

 

「ここは………」

 

Uが状況把握の為に周囲を見回す中、Uの真正面の視界にミイルの顔が入った。

 

「ん………? ………え?」

 

Uは困惑の声を漏らした。何故こんな目の前にミイルの顔があるのかと。そして彼の頭に感じる柔らかな感触。そこから今の自分がどうなっているのか全てを察したUは………

 

「な、何してるんだ君は………!?」

 

思わず動揺した様子で問いかけた。

 

「ひうっ!? ご、ごめんなさい! Uさんの頭から酷い出血があったので私の方で治療をと思い………ご、ごめんなさい………!!」

 

ミイルは怯えた様子で何度も謝る様子を見せた。だが、Uは直後に頭痛を感じ、それか落下時のものによる事を察知すると………

 

「………そうか。それはすまなかったな」

 

そう言ってミイルの事情を理解し、彼女へ謝罪の言葉をかける。

 

「いえ………私が勝手にやった事ですから」

 

ミイル本人はあくまでこれが独断行動によるものであると語る。Uは頭を押さえながら周囲を見回していたが、同時に1つ疑問を感じていた。

 

「(………しかし分からん。何故この子はずっと僕にこんな事をしてくれている………? 生命を助けたとはいえ………それ以上の大した事はやっていないはずだが………?)」

 

それは、ミイルが何故ここまで自分に献身的なのかという事だった。U本人が気付かないフリをしているのもいくらか要因ではあるが、彼にとってもミイルの様子は気がかりだった。そんな中、近くから足音が聞こえると………

 

「膝枕しながら会話とは………随分なご身分だな………」

 

Uに向けてそう言い放つ男の声が聞こえた。Uが身体を起こすと、そこには黒髪のUそっくりの男………ユウが立っていた。

 

「ユウ………アンタか。懲りないものだね」

 

Uは呆れ混じりにそうボヤいた。それを聞いたユウは苛立ちながら剣を腰の鞘から抜刀すると………

 

「黙れ………今度こそ貴様はここで殺す………!!」

 

そう言って、Uに対して刃を向ける。

 

「前回で力の差は歴然だとハッキリしたはずだ。アンタも懲りないな」

 

Uは呆れ混じりにそう呟く。

 

「ほざけ………! そう何度も俺は敗れん!!」

 

ユウはそういうと目にも止まらぬ速さで接近する。Uが面倒くさそうに反撃を狙おうとしたその時、突如としてミイルがU達の前に飛び出してきた。それにより、ユウは思わず剣の手を止めてしまった。

 

「で、殿下………!? な、何の真似ですか………!?」

 

ユウはミイルの行動に思わず動揺していた。

 

「ユウ様………! この御方は私の生命の恩人なんです………! 殺すなんて真似はやめてください………!!」

 

ミイルは恐怖に怯えながらユウへそう言い返す。それを聞いたユウは苛立つ様子を見せ………

 

「………どけ! そうしないと幾らアンタでも殺すぞ!!」

 

ミイルに対して脅しをかけてきた。

 

「嫌です!!」

 

だがミイルはこれを否定した。

 

「っ………!? ミイル様………何がアンタをそこまで突き動かしているんだ………!?」

 

それを聞いたユウは、引こうとしないミイルの姿勢に動揺を隠せなかったのだった………

 

 

 

ミイルの手当てで目を覚ましたU。だが直後に彼等の前にユウが現れ一触即発の危機に。そんな中で勝負に介入してくるミイル。自らの恐怖に怯えながらもUを庇う姿勢を見せた。果たして、何が彼女に勇気を与えているのか………?

To Be Continued………




次回予告
ミイルの勇気を前にしても彼女へ剣を振り下ろそうとするユウ。それに怒りを覚えたUは、ユウに対して慈悲を与えない様子を見せるのだった………
次回「姫の勇気、堕ちる剣士への無慈悲な剣」
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