静寂の遺志を持つ白兎 作:うま
僕が七歳の頃、お義母さんと叔父さんが黒い神様に連れられてどこかに行ってしまった。
お義母さんは家を出るときに僕にこう言った。
「“英雄”になれ」とそう言い残してどこかへと行ってしまった。
行かないで欲しかった、身体が弱いのにどうしてと一人問答を繰り返していた。
しかし、答えは見つからなかった。
悔しかった、答えが出ることがあったなら諦めもついたのかもしれないのに…。
そんな時だ、僕とおじいちゃんの所に弓矢を背負った蒼い神様はやってきた。
蒼い神様の名前はアルテミス様、【アルテミス・ファミリア】の主神らしい。
なんでその神様がやってきたのかはすぐに分かった。
それはおじいちゃんがアルテミス様を呼んだからだった。
理由は行くところが出来たと言っていた、僕も一緒に行くといったが断固として連れては行ってくれなかった。
一人となった僕は悲しみに暮れ、アルテミス様に抱きしめられながら泣いた。
そうして、一通り泣いた後僕はアルテミス様から
そこからは鍛錬の日々だった、森での狩りやモンスターの討伐をして過ごし二度の偉業を達成してLv.4となった。
しかし、僕の心はあの日から止まったままだ。
「ベル、オラリオに行ってみないか?」
「はい?」
それはある日の夕食を食べ終わったときにアルテミス様からの口から告げられた。
「いきなりどうしたんですか、アルテミス様。迷宮都市に行くなんて言い出すなんて」
「実は最初のベルの
「えぇ、レトゥーサ団長達がいまだLv.4になってないですからね」
「まぁ、そうなんだが…お前の成長速度からさらに上を目指せるがここでは時間がかかるだろう」
「それには上位の
「そうだ」
僕の言葉にアルテミス様がそうはっきりと言ってくる。
「でも、Lv.4の僕が抜けてもいいですか?」
「あぁ、レトゥーサ達だってお前に甘えるわけにはいかないと奮闘しているしな。それに、古代のモンスターである
「まぁ、あの蠍を倒してLv.4になりましたからね」
「全く、たった二年で第二級冒険者の上澄みに辿り着いているのだから末恐ろしいが私はお前を誇りに思うよ」
「恐悦至極にございます」
アルテミス様の言葉に僕は頭を下げる。
「それでオラリオに…」
「明日立とうと思います」
「そうか、レトゥーサ達に伝えておこう。ベルは旅の用意をするといい」
「はい、感謝します」
そう言って僕は自分の部屋にへと戻るのだった。