静寂の遺志を持つ白兎 作:うま
【アルテミス・ファミリア】を離れて僕は世界で最も熱い都市・迷宮都市オラリオに到着した。
「ここがオラリオ…!!」
僕は検問を通過し、都市内に入るとまずはアルテミス様の同郷の神で鍛冶神であるヘファイストス様の元に向かう事にした。
【ヘファイストス・ファミリア】
その人は褐色肌に左目を眼帯で覆った豊満な女性だった。
「すみません、僕は【アルテミス・ファミリア】のベル・クラネルと申すのですが神ヘファイストスへの手紙を主神から預かっているのですが…」
「ほう、主神様にか。では、手前が案内しよう」
僕の言葉にその女性は神ヘファイストスの元まで案内してくれるという。
「よろしいのですか?」
「あぁ、主神様の客を手紙だけ受け取って返すのも悪い故な」
「感謝します」
「そう言えば手前はまだ名乗っていなかったな。一応団長を務めておる椿・コルブランドだ、よろしくなベル・クラネル」
「はいよろしくお願いします、椿さん」
そうして、僕は椿さんの案内で【ヘファイストス・ファミリア】の
「主神様よ、客だ」
「椿、ノックくらいしなさい」
椿さんが主神室を開けて入ると、それをとがめる声と共に
「すまんすまん、それよりも神アルテミスの眷族が主神様に手紙を持ってきたそうだ」
「アルテミスから?」
「初めまして、神ヘファイストス。僕は【アルテミス・ファミリア】のベル・クラネルと申します。今回こちらに来たのは主神・アルテミスより手紙を預かっていての事です」
そう言って僕が手紙を取り出すと、椿さんに預けて椿さんが神ヘファイストスに渡す。
神ヘファイストスが手紙を読み終えると、こう言ってくる。
「アルテミスの手紙にベル・クラネル、あなたの事が書いてあったわ」
「僕の事ですか、いったい何と?」
「信用の出来る神を紹介してやってほしいとそう書いてあったわ」
「そうでしたか」
手紙の内容に僕の事を案じてくれていることがよくわかる。
「それであなたに紹介する神についてなのだけど、少し問題があるの」
「問題ですか?」
「素行が問題でもないんだけど、
「まぁ、神々も僕達人間と同じで色んな方がいらっしゃいますからね」
「否定はしないわ、それで…」
ヘファイストス様が言葉を続けようとした時、扉が勢いよく開かれて一人の女神が飛び込んでくる。
「うわ~~~ん、ヘファイストス~~~っ!!」
「はぁ、呼ぶ手間が省けたからいいわ。紹介するわね、ベル・クラネル。この子が私の紹介するアルテミスと同じ処女神・ヘスティアよ」
「ふえっ⁉」
これが僕の二人目の主神・ヘスティア様との出会いだった。