IS《無力な僕は空を逝く》   作:砂肝串

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他の作品でお会いしている方はこんにちわ。
初めての方は初めまして。
鶏肉ギジーです。
三作執筆途中で、まだ一つも完結させていないのにまた新作をだしました。

この作品は完全に作者の気まぐれで更新して行く予定です。
他の作品を書いてる時の、休憩用?に書き始めたものです。
文章も短く、稚拙なものとなっているのでご了承下さい。

それでは、スタートです。




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 僕には才能がない。能力がない。実力がない。

 何をやるにも要領が悪く、一つのことを成すのに他の人たちよりも何倍もの時間がかかる。

 僕は一を見て十を知るのではなく、十を見て一を知る人間だ。

 家柄も極普通の一般家庭で、本当に何の取り柄もない、自分でも救いようがないと思えるほどの人間だった。

 

 でも、僕は諦めようとはしなかった。

 惨めな思いはしたくないから。周りに迷惑をかけたくないから。

 だから、必死こいて努力した。他の皆が楽しそうに笑っている時も頑張った。人よりもダメなら二倍、三倍、四倍、それでもダメなら五倍と、必死に、必死に努力し続けた。

 

 それでも、結果は努力に比例してはくれなかった。

 

 努力が決して結果に繋がるわけじゃない。

 それは分かっていた。分かっていたけれども……努力が報われないというのは僕にとって何よりも辛いことだった。

 

 辛い。

 凄く、辛い。

 だからといって諦めたくはない。

 

 いや、諦められない。

 

 

 ────僕にはもう、諦めずに努力し続けることしか残っていないのだから。

 

 

     Φ

 

 

「次、藤井廉太郎」

「…………はい」

 

 休日だというのに、僕は学校に来ていた。

 僕の他にも全学年の男子生徒も登校している。

 これにはちゃんとした理由がある。

 それは、先日起きた一つの"事件"のせいだ。

 

 それは、ISと呼ばれるパワードスーツを織斑一夏という少年が動かしてしまったことだ。

 

 ISはとある日本の科学者によって開発された多目的マルチフォームスーツで、主に宇宙開発を目的に造られた。

 しかし、そのスペックがかつての兵器のそれを全て上回っていたことから、本来の用途である宇宙開発としては扱われず、兵器として扱われることで落ち着いた。

 そんなISだが、一つだけ欠点がある。

 それは、"女にしか扱えない"こと。

 つまり男である僕やこの場にいる男子生徒全員が扱うことができない。

 

 "普通は"。

 

 そう、普通じゃない人間が現れたのだ。

 それが織斑一夏。

 男にして初めてISを動かした人間だ。

 

 当然、世界は混乱した。

 これまでの常識が覆されたのだから。

 そして、世界は考えた。

 

 ────他にも扱える男がいるのではないか……?

 

 こうして世界規模で行われることになった男性のIS適性検査。

 話は振り出しに戻り、僕らは今、その適性検査を受けに学校に登校していた。

 

「それでは、触れてみてください」

「はい」

 

 僕はさっさと済ませて帰ろうと思っていた。

 だって、そんなイレギュラーが他にいるとは思えないし、ましてや何もない僕が適性者なわけがないと決めつかていたからだ。

 

「…………」

 

 目の前に鎮座する鉄の塊。

 ISだ。

 実物をこうも間近で見るのは初めてだ。

 早く済ませよう。何だか、嫌な予感がする。だから、早くこの場から逃げよう。

 そう思って、僕が手を出すと────

 

「あっ」

 

 

 触れた瞬間、眩い閃光が辺りを包み込んだ。

 

 

 





プロローグ終了です。
ここから廉太郎くんの苦行が始まります。
報われることが少ない、ビターな話(にしたつもり)なので、こういう話が苦手な人はごめんなさいです。

今まで俺TUEEEE系な作品しか書いてなかったので、こういう主人公を書くのは難しいです。


それにしても、激甘な作品しか書いてないから書くのが難しいなぁ…………!!



いつか転生主人公モノにも手をつけたいです。
一応、原案はあるので。

ではまた次話で!






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