ノリで秘密結社立ち上げたら入ってくるやつ全員秘密しかなかった   作:恋狸

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次回は主人公視点? シャルミナ視点?
残念、それは嘘だ!!
読みづらいのは日記だから敢えてです。


とある骨董屋の日記帳

4月21日

 

道楽でやっている骨董屋に変な客が来た。

どうにも良い感じにカッコいい武器っぽい骨董品が欲しいらしい。

そんなもんあるわけなかろうと突き返そうとしたが、先日妻にそろそろ倉庫の中身を片付けろと言われたばかりなのを思い出した。 

だから適当に見繕った錆だらけの骨董品を二束三文で売っぱらってやった。なんの価値もないと知り合いの鑑定屋から太鼓判を押されたゴミたちだ。

やけに喜んでたけどそれでいいんか。

まあ、若そうな青年だったしそういう古いものに憧れる時期なんだろうな。知らんけど。

 

4月22日

 

またあの客が来た。

いつも目をキラキラにして骨董品を見やがる。

俺だって適当にそこら辺から集めてきたものばっかりだし、価値なんて分からない。

だが、自分の店の商品を楽しげに見つめられるというのは……まあ、うん、悪くなかった。

だから気を良くして少し価値がある茶器を勧めたのだが「いや、なんかかっこよくないので良いっす」って言われた。

 

ぶちころすぞ。

 

4月23日

 

三日連続だ!!

コイツどんだけ骨董品好きなんだよ!!

三日連続で午後1時くらいに来店してくる。

もう流石に顔を覚えちまったよ。

昨日の件もあるからぶち殺そうかと思ったが、まったく売れないガラクタをお金に変えてくれる良客だ。

妻にも「貯金はあるけど新たに稼いでくれないとなんか不安」と言われたから、できる限り愛想よく接してやるつもりだ。

 

今日は伝統芸品みたいな古いカツラを勧めたら

「いやぁ、うちにハゲキャラは早いかなぁって」

 

とよく分からんことを言われた。

俺の生え際が後退してきているのを揶揄してるのか。

ぶち殺すぞ。

 

4月24日

 

流石にもう驚かなくなった。

三日連続で来たんだ。四日連続で来ても不思議ではない。

そんな高頻度で来たところでラインナップは別に変わらんぞ。

いつも通り、適当にネットとか知り合いから貰った骨董品を並べているだけだ。

 

だから青年。俺にこれはなんですか? って聞くな。

俺にも分からねぇんだから。

 

由緒正しいどこかの武家の家宝です、ってセリフ何度目だ?

なんで毎回その言葉を信じたように頷くんだよ。

 

俺はお前が怖いよ。

 

4月25日

 

1日を振り返るために始めた日記だが、もはやあの青年の観察日記みたいになってる。

 

なんか今日は仮面付けて来た。お前は何を目指してるんだ。

よくよく見たら俺が勧めた仮面だった。

気に入ったのか知らんけど外にまで付けるなよ怖いな。

 

「俺のことがわかるんですか?」とか言われたけど声で分かるに決まってるだろバカだな。

……いやでもよくよく見たら青年がボヤケてるように見えたのは気の所為か? まあ、最近目も悪くなってるしそのせいか。

 

ちなみに青年にあげた仮面はエジプトに旅行に行ってきた親友が「これとか商品に良いんじゃない? げっはっは!!」とか言ってたから売り物にした。

どこで見つけたのか、と聞いたら「ピラミッドの中!!!」とかふざけたことを抜かしていたが、中学時代からアイツは適当な法螺を吹くくせがあるので今更気にしないことにした。

どうせ露店に売られてた怪しそうなやつから買ったんだろ。

 

なんかやってること転売みたいで気が引ける。

 

4月27日

 

昨日青年が来なかったせいで日記を書きそびれた。

あいつのせいだ。

 

今日はこの仮面に似たものはあるか、と言われた。

そういえば倉庫に「バミューダトライアングルで拾った!!」とか親友が言ってた仮面が6セットほどあったっけか……、と青年にちょっと高値で売っぱらってやった。

 

色々な骨董品を含めたら100万以上使ってる気がするけど、あんな若そうな青年なのに成功してんのか。

 

変な青年の生態に興味がないかと言われれば少し気になるが、正直言うと変すぎてあんまり関わりたくないかもしれない。

 

4月28日

 

なんか嬉しそうな顔で従業員ができたんです、と俺に報告しに来た。

従業員? なんかの店でも経営してんのか?

それなら確かに金を持っていたって不思議じゃない。

 

どれ、俺も行ってやるかって感じで住所を貰ったのだが、営業後に行ってみると青年の言うビルなんてものはどこにも無かった。

アイツめ嘘をつきやがったな。

 

 

4月29日

 

そんなビルどこにもねぇじゃねぇかと青年を問い詰めると、めちゃくちゃ不思議そうな顔をしていた。

俺が間違っていた可能性もあるけど、少なくともお前からもらった住所に行ったが無かったぞ、と伝えると来週あたりに一緒に行きませんかと言われたからOKと伝えておいた。

 

……なんで俺は客の経営してる喫茶店に行かなきゃいけねぇんだよ。

 

……どうにもあの青年に絆されてる自分がいる、気がする。

なんかあの屈託のない笑みを見たら大抵笑って許せてしまうんだよな。

アイツは恐らく人誑しだ。俺は屈しないからな。

 

 

4月30日

 

なんか今日は視察? とかに行くらしい。

よく分からんけど頑張れよ、と俺はサービスで青年に黒い手袋をあげた。

 

あぁ、ただの絶縁体の手袋だ。

なんで絶縁体なのかは知らねーけど親友が「絶縁体って言葉よくない? ってわけで地中海の奥深くに落ちてた絶縁体の手袋あげる!!」って言ってた。

 

そこら中を飛び回ってることは知ってるけど本当に海外行きまくってたりしてな。

そんなわけないか。

 

 




日記にしては自我が出すぎだろこの店主。

今日はもう1話更新するかもしれないし、しないかもしれない。
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