「週休4日、正社員雇用」なんて美味い話、ある訳ない!   作:ダブル亮禅

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1話 俺、再就職します

 

「うちの会社、何すればいいと思う?」

 

週休4日で正社員雇用という文言に釣られて受けた採用面接で、その会社の社長を名乗る男は開口一番、俺にそう聞いてきた。

 

一階に小さな食堂のある自宅兼店舗な家で生まれ育った僕にとって店の手伝いは日常だった。

父母が営むその店に来るのは基本常連客ばかりであった事もあり、

「優太、店手伝ってんのか毎日偉いな!」

「頑張る優ちゃん見てたら、私も元気出たわ」

口々に店のお客さんが褒めてくれるのが嬉しかった。

昼や夕方前後の忙しい時間帯になると十数席の小さな店はいっぱいになる。

「あんた山田さんのカツ丼まだ?」

「今やってるよ」

と忙しさでイライラする両親を見るのもいやだった。

だから物心つく前から自然とお店の手伝いをしていた。

 

学校に通うようになってからは学校が休みの土日だけの手伝いとなったが、就職して社会人となった後もそれは続いた。

平日は会社で働いて土日は店の手伝い。

全く休日が無い。

そんな生活を3年も続けた。

慢性的な疲労に、会社では小さなミスが続いた。

段々とミスの頻度が上がり、はじめは

「大丈夫!誰だってミスくらいあるよ」

と言ってくれていた同僚達も、徐々に

「またかよ」

とウンザリした目をこちらに向ける様になっていた。

そんな居心地の悪い雰囲気の中、大きなミスをしてしまう。

限界を感じていた事もあり、居た堪れなさから辞表を出した。

一応、送別会をするよとは言ってくれたが、空気を読んで辞退した。

すぐに新しい仕事を探すつもりだった。

会社を辞めても店の手伝いは続いた。

むしろ毎日店で働いた。

歳をとった両親のフォローをしなきゃと

朝から晩まで店の仕事は何かとあった。

そうこうしているうちに、いつの間にか3年の月日が過ぎていた。

流石に仕事探さなきゃなあと思っていた、そんな頃、新聞の折込みチラシの中にその求人を見つけた。

 

正社員募集!週休4日。

 

その破格の条件に目が釘付けになった。

週休4日なら店と両立できるかも。しかも正社員!

勤務日について書かれた記述を探す。

あった!

勤務、火、木、金の3日間!

やった店の定休日は水曜日だから、

完全にオフの日が作れる!

募集してた企画という仕事について、全く未知だったが、

完全オフの日

という頭の中に浮かんだ魅力的なワードに

よくも考えないで飛びついた。

 

で、現在この採用面接にいるわけなんだけど、

面接官の第一声がこれである。

 

俺は引き攣る口元から

「ハハ…」

となんとか愛想笑いを捻り出しながら、

もう帰りたいと天井を見上げた。

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