NTRた! 作:NTRより解釈違いペアの方が脳破壊だよね
NTRものの竿役がNTRられたら面白いんじゃねって?
みなさんNTRは好きだろうか?
自分はまぁ、流行ってるよね、くらいの感想しか出ないが、これほど好き嫌いがはっきり分かれるジャンルもそうないだろう。
一度NTRものスキーに人妻や不倫、浮気と何が違うの?と聞いたところクッソ長い怪文が送られてきたのだが、反射的にメッセージを削除した。
そしたらまた送られてきた。同時に通話もかかってきて音声解説も追加された。拒否しなかったのは後悔してる。
大学の教授ということもあって無駄に分かりやすい解説をする友人にドン引きしつつ、NTRについてとオススメ作品をいくつか見繕ってもらったので触れてみた。感想としては、
いやおかしくね???
なんでそこで屈しちゃうんだよ、なんでそこで警察行かないんだよ、なんでそんな簡単に堕ちちゃうんだよ。
いや、エロ作品なんてファンタジーありきなのは分かってる。分かってはいる。自分だって時間停止ものとか催眠とか好きだが、それはそれ。
まずツッコミが出てしまった。絵は良かったので満足したが。
そんなわけでNTRに対して好きでも嫌いでもない立ち位置になってしまった。一応友人に報告したところ性癖はあればあるだけいいのに、お前は世界を広げるチャンスを逃した、と余計なお世話な格言をいただいた。
そんなくだらない人生を送っていたのだがある日ポックリ死んでしまった。部屋に出しっぱなしにしていたゲームソフトを踏んでしまい、足を滑らせタンスの角とゴッツンこ。
おー自分よ、死んでしまうとは情けない。
……いやほんと情けなさすぎる。死ぬ直前に見えたのは死因となったゲームソフト、それもエロゲ。
だからなのか、気がついたらエロゲの世界へ転生してしまった。
目を覚ませばオギャーオギャーしか叫べない赤ん坊。お、これがいわゆる転生かと喜んだのも束の間、生まれた場所は現代日本。
どうせならファンタジー世界で魔法とか使ってみたかったなーと思いながらいつの間にか小学生。懐かしいなー恥ずかしいなーとなんだかんだ楽しんでいたところ、
「おい、お前俺の子分になれよ」
放課後の教室に、かの国民的アニメのいじめっ子のごとく現れたいかにも、ないじめっ子。誰だっけ?と思いながら名札を見ると、根取大吾というちょっと待てと突っ込みたくなる名前。
友人から布教されついでに自分の死因となったNTR系エロゲのNTR役の名前だった。そのまま紐づかれるように思い出す自分の名前は貴塚凪。絶対制作者適当に考えたろ、と言わんばかりに名は体を表す名前。
主人公である貴塚がこの先仲良くなる女性を目の前の根取が寝とっていくのだ。名前の通り。
時には学校、時には家で、ある時はデート中、さらには目の前でやられまくる貴塚だが最後のネタバラシまで気づくことはなかった。名前の通り。
マジかーエロゲかーラブコメだと良かったなーでもパニックものよりマシかーと放心していたら、イライラしたのか根取は自分の胸ぐらを掴んできた。
「おい! さっさと手下になるって言えよ!」
子分と手下ってどっちが下なんだろ? アホな疑問が浮かぶがそういえば主人公と根取は小学校が同じでいじめられたが中学は別、高校が一緒なんだっけか。そんなことあるのか?と思ってたけどエロゲにツッコミを入れてはいけない。学生ものに明らかに無理あるだろって出演者が出てもツッコミは入れないだろ? 自分は突っ込んだが。
「ビビってんのか? 何もいわねぇなら俺の奴隷にしてやるよ!」
明らかにグレードダウンした。いやグレードアップか? どっちでもいいがどっちでも良くない。
無言なのを怖がってると勘違いしている根取。いやこれはしょうがない。こっちは同年代でも平均を少し下回ってるいかにも大人しい見た目なのに、根取は背も高く金髪に日焼けといかにも運動とかしたことないけどできます系チャラ男だ。
実際、腕相撲でも球技でも自分では勝てないだろう。やぶれかぶれの特攻を仕掛けてもあっけなくコテンパンにされるだろう。ケンカというのそれほどまでに体格がものを言うのだ。
「あ、先生」
「へ」
だがこちとら転生者。歳をとっている分、知識だけならそこいらの子どもに負けることなどないのだ。……歴史の偉人はちょっと怪しかったが。だって日常生活で使うことないし。
それはさておき、子ども時代の必殺技、先生を呼ぶ! いや呼んでないけど、やっぱ先生って意識するよね子どもだし。
根取の意識を逸らすとすぐさまズボンへ手を伸ばす。子どものズボンなんてベルトをつけるなんて高尚なことはしない。どれもゴムでずり落ちないよう留めてある。だが、人の手にかかればあっという間にずり落ちる。
「おわぁあ!?」
情けない声と同時に慌ててズボンをあげようと手を伸ばすが、それも隙だ。後ろに周り、膝カックンでバランスを崩して、そのまま転がす。
仕上げとばかりに誰かの忘れ物だろうか縄跳びでぐるぐる巻きにする。
「な、何しやがんだ! さっさとほどけよ!」
時間をかければ普通に解けるし、これ以上何かをするつもりもないのでスタコラサッサと教室を出る。覚えてろよ!なんてテンプレな台詞を背中で聞けたことに少し感動したが、すぐに忘れて今日の晩ご飯はなんだろと別のことを考え始めた。
それからというものの、根取は事あるごとに突っかかってくるようになった。子どもじみた、というか実際に子どもだが、勝負事を挑んでくるのでその都度返り討ちにしてやった。
いま思えば単純な体力や腕力は勝てないので、かけっことか腕相撲なら負けたのだが何故か変な勝負事が多かった。ゲームだとかおにごっことか虫取りだとか、この辺はやはり子どもでしかない。
そうして過ごすうちに自分も根取も高校生になり、
「なぁ、凪。入学祝いに飯でも食って帰ろうぜ、奢ってやるよ」
どうしてこうなった???
NTR最大の弱点は、二次創作だと原作を知らないと魅力が半減すること
NTR最大の魅力は、るとられる両方の性質を併せ持つこと!