アジテイター   作:エドレア

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またも戻ってアジテイター……かと思いきや……?

なんかここ最近感想と評価が爆増してビビってます。みなさん感想と評価ありがとうございます。正直怖いです


アオハル編①

 

 

 

 

 

 

「全く、あのクソガキが……」

 

 最近の俺の周りはうるさい。

 

 原因はテイオーのせいなんだが、あいつが人前で俺のことを話しやがったせいで俺への注目が上がってしまった。

 

「こっちは呑気な引退生活を送りたかったのに……」

「まぁまぁ。だが、君も悪いんだぞ? あれだけの実力を隠しておくのはもったいない」

「てめぇも一枚噛んでるだろうがこんちくしょう! やっぱりおまえとは走らねぇ!」

「ははは、好きなだけそう吠えてくれ。準備が出来れば、否応なしに走るしかないからね」

 

 怖いこと言うなよ。どうせまた俺の両親と話してるんだろ。

 いざとなったら外国に高飛びするからいいや。流石のシンボリ家でも外国は追ってこれないだろ。

 

「好きなだけ逃げるといい。どこまでも行っても追いかけよう……」

「な、なんだよ。俺はまだ何も言っちゃいねぇよ……」

 

 なんか、最近のこいつがちょっと怖い。

 これが現役やってた時みたいに青臭さがあるんだったらまだ楽しめたんだが、そういう感じじゃない。本気の俺に勝ちたいとそればっかりだ。

 

「さて、それはともかくだ。秋川理事長に代わって代理の者がURAに来るらしい」

「ああ、あの子供理事長か。確か海外出張だろ。偉くなると忙しくなって嫌になるな」

 

 代理理事長の御披露目があるからってことで、俺達生徒は体育館に集められてる。司会のたづなさんが音頭を取ったところで────。

 

「皆さん初めまして。昨日より着任した樫本です」

 

(ほう……)

 

 出てきたのは如何にもシゴデキな黒髪美人だった。

 正直言うと、胸とケツが大きくないから俺の琴線には引っ掛からない。とはいえ、学園だとこういうタイプの美人はあんまりいないので鑑賞する分には良い。ちょっとくらいお近づきになっても────。

 

「ぃっっっつ!!!」

「どうした? まだ樫本代理が話しているが」

「てめっ……!」

 

 なんでか知らんがルドルフが尻尾を引っ張りやがった。

 覚悟しとけよ、後で風呂の時に同じいたずらをしてやるからな。

 

「────私はここに、徹底管理主義をベースとした育成方針『管理教育プログラム』を掲げます」

 

(あぁん? 徹底管理主義だぁ?)

 

 随分と厳格な女らしい。

 樫本代理が言うには今のトレセン学園は緩すぎるという評価だった。今のままじゃウマ娘の怪我とかが頻発するから良くないんだと。

 前にガキ共が話してたアオハル杯とやらも潰すらしい。なんというか、随分と()()()()()話し方をするなぁ。案の定ブーイングの嵐じゃねぇか。

 

 ここはちょいと、先輩が切り込んでやるかね。

 

「準備が整い次第、『管理教育プログラム』を施行します。各々、その心積もりで────」

「失礼、樫本代理。今質問よろしいか?」

「……貴方は。いえ、質問は別個に受け付けます。この後であれば時間を設けますので……」

「いえ、今質問させて下さい。トレセン学園、ひいてはレース全体における今後の動向について重要な質問です」

「……いえ、ですから────」

「徹底管理主義。それに伴う管理教育プログラムの施行。理念は概ね理解しますが、興行力についての言及がありません。レースが面白いかどうか────それは、管理教育プログラムによって担保されうるものですか?」

「……!?」

 

 ポーカーフェイスは下手か? 隠してるつもりだが動揺がバレてるぞ。

 自由な校風はごもっともだが、相手は立派な社会人だ。不満があるなら感情論じゃなく、理詰めと利益で問いかけるべきなんだよ。

 

「えっと、どういう話……?」

「アジテイター先輩は、樫本さんのやり方でレースが面白くなるかどうかを聞いてるみたいだよ?」

「面白い訳ないじゃん。私達は今までこれでやってきたんだから……」

 

 モブ共がうるせぇな。

 ま、学生じゃあ俺の言わんとしてるところは全て読み取れないか。だが、樫本代理なら分かるだろう。

 

「……徹底管理主義と興行力の間には相関がありません。問題は無いとの認識でいます」

「それはURA全体の総意と見てよろしいでしょうか? 私には相関が無いなどと到底思えませんが」

「それよりも、頻発する怪我や故障の方が大きな懸念です。仮に相関があったとして、優先順位は大きく下がります」

「質問に答えてもらいたいですね。URAの総意かどうか、これは重要ですよ。あえて露悪的に批判を申し上げるならば、()()()()()()()()()()()()U()R()A()()()()()()()()()()()()()のですよ、樫本代理」

「……」

 

 ざわめきが大きくなってきたな。

 確かにレースはウマ娘の夢だが、別に夢だけじゃねぇ。

 ウマ娘のレースは娯楽、興行だ。人気を金に代えて稼いでるんだ。管理主義ってのはその反対をいくんだよ。何故なら────。

 

「幾つか例を挙げましょう。トウカイテイオー、幾度の挫折を経て見事な復活劇を遂げました。樫本代理が提唱する管理主義であればあの故障はあり得たでしょうか」

「……完全とは言いませんが、極力無いように注力します。一年もの間、レースに出走させられないようなことはありません」

「サイレンススズカはどうでしょう。異次元の逃亡者、しかし秋の天皇賞でその実力が発揮されることはありませんでした。これについても?」

「あのような走り方はウマ娘の身体に大きな負担をもたらします。まずは一から、走り方について見直し事故が無いようにするのが管理主義です」

「では、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……」

 

 下手を打ったな、樫本さん。

 貴方が取るべき行動は最初の質問を無視して退場するべきだったんだ。無駄にウマ娘に対して誠実であろうとするから、こんな貧乏くじを引く羽目になるんだよ。

 

「人気と怪我では明らかに優先順位が違います。ウマ娘の安全を守ることこそが、レースの興行力に繋がるのです」

「それがURAが組織として打ち出した総意なのか、肝要なのはそこですよ樫本代理。確かにウマ娘の怪我や故障は避けるべき事象です。しかし、それで()()()()()レースを見せられる側が果たして金を落としてくれるでしょうか?」

「金、ですか」

 

 管理主義はな、逃げとか追い込みをやらせないんだよ。だってあれ、王道の走りができないやつ向けの苦肉の策みたいなもんだからな。ちなみに俺のはただの趣味。その気になれば全部走れる。

 でも管理主義はそれができないやつを()()()()()()矯正しちまうんだ。そうするとありふれた走りばっかりになる。

 

「……私の方針はURAの総意ではありません。しかし、そのような行き過ぎた興行こそが窘めるべきレースへの姿勢と私は考えます。世間の人気に押されて、しなくても良い怪我をするなど言語道断です」

「なるほど。では、管理主義は樫本代理の独断と」

「そのように考えて下さって結構です。ウマ娘の青春が、そうした考えによって浪費されることを防ぐ、これは倫理的にも適っているはずです」

「そこにウマ娘達の意思があるか、という注釈さえあれば確かにそうだと言えるでしょうね」

「……!」

 

 若いな。本音が表情に漏れてやがる。まぁ前世を足せばおっさんの俺と比べるのは可哀想か。年は知らんが三十路手前といったところか? 社会人やるなら心に他人を飼わないとな。

 なんとなーく、怪我させないことに偏ってる姿勢は理解できた。確かトレーナーもやれる人だったな。どこかにお涙頂戴と言わんばかりな話があるんだろ。悪いがそれは、テイオーのあれで懲り懲りなのさ。

 

「管理主義の元にウマ娘達の生活やトレーニングを矯正し、怪我なく過ごすことを目的とする。理念としては大いに進められるべき施策です。しかし、それらを理由に興行力を担保しないというのは筋が違いませんか?」

「……!?」

 

 URAの株主優待券をひらひら見せるのはやりすぎかな。でも分からせるにはこれ以上ないくらい手っ取り早いんだよなぁ。

 これ持ってるとレース場のVIP席とかに座れるんだけど俺はレース見に行かないからこういうことにしか使えないんだよ。財布に突っ込んで肥やしになってたけど、あるのを思い出して良かった。

 URAの株主である意味、樫本さんなら分からないはずないだろ? 

 

「怪我も減らす。興行力も保つ。どちらもやらなくちゃいけないところがURAのやるべきことですよね? 莫大な金がレースによって動くんです。それらを指して、優先順位が低いなどと断ずるのは些か急性的な判断だと私は考えます」

「……急性的であったことは認めます。しかし、怪我を前提とした興行力も、改善されるべき懸案です」

「急性的であるなら、なおさら生徒達に発布するべきではなかったでしょう。他に通すべき話があるはずでは? (おまえ、根回しやってねぇだろ)

「アジテイター、そこまでにしよう。君の独壇場と化している。続きはまた別の機会にするべきだ」

「おっとぉ……」

 

 あらら、俺のせいで大分おかしな雰囲気になっちまった。

 まぁ、これで樫本さんがいきなり敵対視されることも無くなったろ。就任直後に針の筵なんざ仕事し辛くて適わねぇ。

 そこも含めて狙いのつもりだったろうが、生憎ここには俺という天性の跳ねっ返りがいたときた。せいぜい己の運の悪さを呪うんだな。

 

 微妙な雰囲気の会場だが、ルドルフに言われた通り退き下がる。続きは二人でたっぷりお話しようぜ、樫本さん? 

 

「……君と樫本代理を二人きりにさせることはないから、そのつもりで」

「おまえ本当に怖くなったなぁ……」

 

 ハイライトの無いルドルフの視線さえ除けば、充実した議論だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アオハル杯、ねぇ……」

 

 御披露目の後。

 やはりだが樫本さんのところへ直談判しに行った生徒がいたようで、アオハル杯廃止の代わりに樫本代理のチームに勝てというお達しが来た。

 とはいえ、俺はとっくのとうに走らないと決めているから関係無い。もっと言うと、学園の校風に関しても俺は家に帰れば関係無いから、ぶっちゃけると樫本さんが勝とうが負けようが興味無かった。

 

「あのおたんこなすも融通利かせてくれりゃあいいのに……」

 

 あの後こっそり樫本さんのところへ行こうとしたんだが、無駄に気配に敏いルドルフに阻まれた。事実上の接近禁止令を出されて仕方なく俺は学園をブラつく。

 テイオーの時から顕著になったが、あいつ俺に独占欲があるっぽいんだよなぁ。勝手にメロついてるんじゃねぇっての。

 

 と、そこへ。

 

「ねぇ」

「ん……?」

「貴方、何様のつもり?」

 

 なんぞ知らんウマ娘が話しかけてきた。

 金髪に青のメッシュとこれまた随分なお洒落さんだ。きゃぴきゃぴしてれば男の一人や二人、余裕で捕まえられるだろうに、表情が堅すぎてせっかくのお洒落が台無しだ。

 

「何様ねぇ……人様に話聞きたいんなら、まずは態度改めたらどうだ? 知らん奴に開く口を、俺は持ち合わせてねぇよ」

「……私はリトルココン……トレーナーの……樫本代理のウマ娘。教えて、どうして貴方はあの場で樫本トレーナーにあんなことを言ったの?」

 

 なるほど、樫本さんが抱えてるチームの娘か。

 こいつも中々の気性難と見た。随分と冷たい視線を俺に向けてくるじゃないか。

 

「どうしてかって? そりゃ俺がURAの株主だからだよ」

「URAの株主なら偉いということ? 権力を笠に着てるつもりかしら」

「偉いさ。だって会社は、株主のものなんだからな」

「は……?」

 

 うん、子供が知らないのも無理は無い。

 会社は誰のもの? って聞いた時に、例えば社長や社員のものと想像するやつは多いだろう。だが実際には法律でしっかり規定されている。

 会社の所有者は株主だ。なんせ株主が会社の株を買って運営資金出してるんだ。出資元が偉いのは当然なんだよ。

 

「質問の仕方が悪い。確かに俺は褒められた発言はしてないが、株主として聞くこと聞いてるんだよ。俺を攻めたいんなら、どうしてあの質問をしたかではなく、なぜあの場で株主として発言したかを聞くべきだ。あの場は株主総会でもなんでもなかったからな。TPOをいたずらに乱す真似を俺はわざとやったんだよ」

「な、なんで……」

「なんでって、樫本代理がちょろいからじゃん」

「ちょ……!? 訂正して、トレーナーはそんな人じゃない!」

「ちょろいよ。だって律儀に俺と話そうとしてたじゃん。聞くべき機会は別に作るって言ってんのに、屁理屈で話し続けた俺の方が悪いのさ。樫本代理は俺を無視してさっさと退場すれば良かったんだ。テレビで良く見る記者の質問に答えない政治家のようにな」

「そんな真似……トレーナーがするはずが……」

 

 あれもなぁ。メディアっていうのはああいったヘイトコントロールで、国民の質問に答えない悪徳政治家なんてのを演出しようとする。実際には政治家のスケジュールに余裕が無かったり、記者の質問があまりにも的外れで対応するだけ時間の無駄だったりすることの方が多いんだが、あれのせいで偉い人は下の者の質問に対応するべき、なんて風潮が出来上がった。

 

「一応言っとくが、樫本代理は極めて優秀な方だと敬意はあるよ。じゃなきゃURAから理事長代理として選ばれるなんてことはないだろうから」

「さっきから支離滅裂じゃん。どうしてちょろさと敬意が両立するの? 言っている意味が分からない……!」

「誠実さは必ずしも美徳じゃねぇのよ。社会人やってるとそこらへんに気付くもんなんだが、ありゃ自分の思想信条が邪魔してるな。もうちょい割りきれりゃ、かなり辣腕を振るう類いだとは思うんだが……」

 

 秋川理事長が樫本さんを知らないとは思えないんだよな。むしろあの青臭さは理事長自ら推薦したように思える。見目は子供だがそこらへんの審美眼は侮れない。

 人気のマンモス校であるトレセン学園の理事長をやるってのは、それだけ人を見る目に優れていて当然だからだ。

 

「……ああ、理事長肝いりか。あの人も人が悪い。学び、成長する余地があるのなら、誰にでもその機会はあって然るべきだと考えている訳か」

「……? 理事長が……何か、関係あるの?」

「こっちの話。ま、俺もあんたも、学園のみんなや樫本さんも含めて理事長の掌の上ってだけさ。難しく考える必要はねぇよ」

「納得がいかない……」

 

 リトルココン、極端なだけでトレーナー思いの良い娘なんだろうなぁ。まぁ俺に会っちまったのは単なる不運、犬にでも噛まれたと思っておけ。

 

「……結局、貴方はアオハル杯には出ないの?」

「出ないよ。面倒くせぇもん。というか俺は引退してるから走らねぇの」

「前に生徒会長と併走してたって聞いたけど」

「あれ限りだよ。全くテイオーの奴を分からせるつもりがとんだ結果になっちまった」

「生徒会長と併走してたことは認めるんだ」

「別に隠してはねぇからな。……ああ、俺がアオハル杯出ると困るから出ないでほしいのか。心配しなくても後輩いじめなんかやんねぇよ」

「なっ!」

 

 いや、自明の理だろ。

 俺がこいつらと真面目にレースしたら間違いなく俺が勝つぞ。わざと負けてやる理由も無いし、年季が違い過ぎるからな。

 

「どうしても俺と走りたかったらアオハル杯を終わらせてからにしな。後腐れ無い方が言い訳せずに済むぞ」

「誰が言い訳なんて……!」

「おまえがおまえ自身にだよ。何となく薄々感じてたが、リトルココン、おまえ結構レースに対してストイックだろ。そして負けたら自分に何が足りなかったしっかり自省する方だ。違うか?」

「アスリートとして当然の意識でしょう。それの何がおかしいっていうの?」

「おまえからしたら認められない事実だろうが、世の中には絶対に埋められない差ってのがある。それこそ負けた原因に、どうしようもなく実力差があったからとしか言えないようなやつがね。脚質、出走メンバー、レース場、天気、馬場、体調、その他諸々、全てが自分に有利でも、負ける時は負けるんだよ」

「……!」

 

 天才はいる。悔しいが。

 

 テイオーのキャッチコピーがこれだが、あながち間違いでもないんだよなぁ。

 

「ストイックなのはいいが、マジで全て手を尽くして負ける時があんの。そんな時に自省したところで全く意味無いし、却って自分を傷付けるだけなのさ。大事なのはレースへの軽さだよ。負けても、はい次はい次ってやってればその内勝てる」

「……それで皇帝に勝った貴方からすれば、そうなんだろうね」

 

 その気は無かったんだが、またいじめちまったかもな。俺を糾弾するつもりで来たのに、すっかり気勢が削がれちまってる。

 

「ねぇ、アオハル杯に出てよ。貴方と走りたい」

「やなこった。俺が走ると面倒しか起きねぇの。そういうのは生徒会長殿とかにしておけ」

「……生徒会長は自分でチームを作るつもりらしいけど」

「へぇ、意外だな。あいつがアオハル杯に興味を持つとは思わなかった。あいつから見てもつまんねぇだろうによ」

「……貴方と走れる良い機会だからって言ってたらどうする?」

「は?」

 

 おい待て、またあいつなんか企んでやがるのか。

 どう考えても俺らの出番じゃないだろこれ。樫本さんのチームを倒すのはなんかこう、直に訴え出た主人公みたいな奴等で俺達みたいなロートルが幅利かせたらしらけるに決まってるじゃん。

 

「アオハル杯の件、よく考えておいて。貴方の参戦を望む人達は多いはずだよ」

「へいへい。話は終わりか? 俺は適当なところで見物させてもらうに留まるよ」

 

 絶対アオハル杯なんか参加しねぇ。

 俺はそう固く誓った────はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ、アジテイターちゃん! 私達の仲間になってくれるってほんと?」

「……」

「や、やっぱり怒ってる? ふぇぇ、そんなにライス達を睨まないで……」

「…………」

「いえ、これこそがシラオキ様のお導きなのです! アジテイター先輩がいるところに常勝あり、と!」

「………………」

「YES! 先輩、ワタシたちのために、力を貸して欲しいのデース!」

 

 どういう冗談だこれは。

 目の前には姦しく叫ぶガキ共と、その後ろでニヤニヤ笑う一人の男────俺の元トレーナー。

 

「なぁ……話があるって聞いたんだが……まさか、そのまさかだよな?」

「安心しろ。出走メンバーに加える訳じゃない。アジテイター、おまえには────」

 

 これ逃げられないやつじゃん。

 現役の時に好き勝手やらせてもらったもんだからトレーナーには頭が上がらねぇ。

 だとしてもこれは無いだろう。

 

「────チーム:にんじんプリンの監督役を務めてもらおうと思ってな?」

 

 おお神よ、俺が一体何をしたと言うんですか。

 

 

 

 

 

 アジテイターのヒミツ⑦

 実は、髪を洗う時はシャンプーだけで済ませている。

 

 

 

 

 





 キャラ紹介

 アジテイター
 お馴染みのクソボケ。普段社会人相手にビジネスな話をする機会が無いので調子に乗った。案の定アオハル杯に巻き込まれる羽目に。

 シンボリルドルフ
 アジテイターの不埒な視線は許さないライオン嫁。独占力は常に発動している。
 アジテイターの女の好みは把握しているので樫本代理が出てきた時点で警戒対象となった。アジテイターの元トレーナーを抱き込みアオハル杯に関わらせるよう画策している。

 樫本理子
 原作通りに着任したら変なのに絡まれた可哀想な人。シンボリルドルフからも勝手に警戒されているが本人に落ち度は全く無い。ただの完全な被害者である。

 リトルココン
 ご存知チーム:ファーストの双璧の片割れ。当て付けのように樫本トレーナーに偉そうな口聞いたアジテイターが許せなくて近付いたが返ってきたのは思いの外まともな(誤魔化されている)理論武装だった。
 レースへ臨むメンタルへのアドバイスに心の中で納得しておりその点にあってはアジテイターを尊敬している。克己心故にアジテイターに反発しがちな発言をしていたが、アジテイターと自分の間に実力差があるのは理解しているため、まずは地道なトレーニングを積むつもりでいるようだ。
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