ポケットもんすたぁアカデミアSPECIAL   作:ネオニューンゴ

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第2話 学生寮

 クリムとツバサはイースト自然公園の入り口に戻りジンダイにそれぞれパートナーを捕獲し終えた事を伝え、確認をしてもらう。

 

「ハイ確認しました、クリム君はミズゴロウ、ツバサ君はヤヤコマですか⋯⋯良いですね、それでは今日の授業は以上となりますのでそのまま下校して頂いてかまいません、明日からまたお願いしますね、ポケフォンにインストールされているタウンマップで学生寮の位置を確認しておいて下さい、あと寄り道するなとは言いませんし門限は決まっていませんが学生の範疇でお願いしますよ」

 

「「ありがとうございました!」」

 

 二人は頭を下げその場を後にする。時間は丁度夕方に差し掛かるくらいだろうか、確かに寄り道が出来そうな時間ではあるが流石に初日なので疲れている感じがする。

 

「俺はこのまま寮に行こうとおもっているがツバサはどうする?」

 

「うーん僕は日用品を買い足したいからショッピングエリアにいこうかな、一旦お別れだね、また寮で会おう」

 

 ショッピングエリアは学生寮と反対の方向なのでツバサはそのまま去っていく。日用品を買うという事はPPは支給されているという事だろうか、クリムはポケフォンを開きパーソナルデータのを開くと1万PPが支給されている事が確認出来る、どうやらツバサは目敏くこの事に気づいていたようだ。とはえい今の段階でクリムに買いたい物は存在しないので一直線に学生寮を目指す。学生寮はスクールの敷地内に存在するため特に迷う事なく到着し学生寮の扉を開く、すると何人かの……恐らく先輩だろう、玄関先で待ち構えておりクリムは思わず身構えてしまう。そのうち明るい茶髪の女子生徒がクリムの前にやってくる。

 

「アハハ、そんなに警戒しなくて大丈夫だよっ新入生の子だよね、部屋に案内するから名前を教えてくれるかな?」

 

「クリムです」

 

「クリム君ねー、えーと215号室だから担当はアカバネだね」

 

「俺か……案内しながら簡単に寮の説明をする、着いてこい」

 

「よろしくお願いします」

 

 クリムの案内は静かな雰囲気ながらも威圧感のあるの男子生徒がしてくれるようだ。特徴的なのは巻かれた赤いマフラーで口元を隠している事だろうか、クリムはアカバネの説明を受ける事にする。

 

「この寮は全5階立て、一階は共有設備等があり二階~三階までは男子が住んでいる、四階~五階は女子だな、そのうち二階のまとめ役をしているのが俺だ、まずは一階から案内しよう」

 

 一階にあるのは食堂、談話室、調理室、浴場、洗濯室、そしてバトルフィールドだった。特にバトルフィールドは3つあり驚いた。注意事項としては夜の8時以降は使用禁止といったぐらいだろうか。そのまま上に上がり二階へと行きクリムの部屋である215号室までやってくる。

 

「ここがお前の部屋だ、部屋の使い方はポケフォンのルールこ項目に記されているから目を通しておけ、何か困った事があったら俺の所に来い、俺は220号室にいる……何か質問はあるか」

 

「とりあえず大丈夫かと」

 

「そうか、一応8時からエリス……最初に寮でお前に声を掛けた奴が主催で談話室で新入生歓迎会をするそうだ、興味があるなら顔を出すといい、それじゃあな」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 去っていくアカバネに頭を下げながら見送りアカバネが階段を下るのを確認し頭を上げる。そこでふとした疑問が頭に浮かぶ。

 

「鍵とかないのか?いやポケフォンが鍵の役目も果たすのか?」

 

 試しにポケフォンをかざしてみるとガチャンとロックが外れる音がしドアノブに手を掛けると扉が開く。科学の力って凄いと目を丸くしながら扉を開ける。部屋の中央には予め送っておいた荷物の入った段ボールが鎮座しており、部屋の内装はベッド、デスク、冷蔵庫、クローゼットとかなりシンプルな物となっていた。

 

「とりあえずミミ出ておいで、ここが今日から俺達の暮らす場所だ」

 

「わっわわ!」

 

 

とりあえずこれから長い付き合いになるミミに自分達の住みかを紹介する。ミミは物珍しそうに部屋の中を見ている、きっと初めて見る物ばかりで感情の処理が追い付かないのだろう。クリムはミミに好きに過ごしていいぞと言い自分は荷物の整理を始める……といってもクリムが自宅から持ってきた物は最低限の物なので1時間半程で粗方の荷物を整理し終えるのだが……。

 時計を見ると6時半頃、お腹も空いたが先に風呂を済ませてしまおうと思い立ち上がる。

 

「とりあえず風呂に行くか……ミミはどうする?ボールに戻るか?それとも部屋にいるか?」

 

「あっええっとお部屋にいます!」

 

「じゃ留守番頼む」

 

 入浴セットを片手に浴場へと向かうクリム。どうやら多くの生徒がこの時間帯に食堂へ向かうようで脱衣場に人の姿はなかった。手早く服を脱ぎ浴室へと足を踏み入れる。パッと見は大型の銭湯のような感じだった。クリムは手早く頭と体を洗い浴槽に入ると思わぬ先客に声を掛けられる。

 

「……クリムといったか、早いな」

 

「アカバネ先輩、いらっしゃったんですか」

 

 湯気でよく見えなかったがどうやらアカバネの方が先に浴室に入っていたようだ。

 

「フッ驚かせたか?って訳でも無さそうだな、無愛想なやつだ」

 

 アカバネ先輩も負けず劣らずだと思うんだが……まぁ口には出さないでおこう。

 

「よく言われます」

 

「まぁこれも何かの縁だ、少し話すか」

 

 唐突に話そう……と言われても中々話題を切り出せないクリム、そんな様子をアカバネは察したのか話題を投げ掛けてくる。

 

「……最初の相棒は何にしたんだ、ポケモンか?萌えもんか?」

 

「ミズゴロウです、萌えもんですね」

 

「ほぅ……ホウエンの御三家、しかも萌えもんと来たか、かなりの運の持ち主だな……この四つの島で御三家の萌えもんを持っているトレーナーは限られてくる……大切にしてやれよ」

 

 御三家、だれがそう呼び始めたのか、歴代図鑑所有者のトレーナー達のPTの中核であるくさ、ほのお、みずタイプの3匹のポケモン、生息数はあまり多くなく、その萌えもん種となれば希少といっても過言ではない。

 

「はい、それで……差し支えなければなんですけどアカバネ先輩の最初のパートナーって」

 

 そこまで言ってクリムは見てしまうアカバネの口角が僅かではあるが吊り上げっているのを……

 

「アチャモさ……萌えもんのな、お前とは何か奇妙な縁がありそうだな、先程も言ったが何かあったら頼るといい力になろう、さて俺はそろそろおいとまさせてもらう、じきに混んでくるからな」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 アカバネの背中を見送り多きなため息を吐く、自分が一番かと思っていたがまさか先客……それもアカバネがいるとは思わなかったため思わず体に緊張が走ったがそれを脱力させ湯船に肩まで浸かる。今日一日の疲れと体が温まり眠気が襲ってくる、しかし新入生歓迎会に出たいという思いが睡魔を振り切り風呂から上がり部屋へと帰る。ミミは壁にもたれかかって眠っていた。クリムは起こすのも悪いも思いながらも起きたときに自分がいなければミミも心配してしまうだろうと思い声を掛ける。

 

「ミミ、ミミ」

 

「ふわっ!?はい!お帰りなさい」

 

 声を掛けるとミミはビクっと体を震わせ眼を擦りながら返事をする。そんな相棒の様子に小さく笑いながらクリムは続ける。

 

「8時から歓迎会があるらしいから夕食を食べてからそのまま俺は出ようとおもうんだけどミミはどうする?眠いなら無理しないでいいぞ」

 

「あわっ!お供させていいただきます!私も興味があるので!」

 

「そうか、なら行くか」

 

 食堂に着くと多くの生徒の喧騒で賑わっておりちらほらと見た事がある顔も混ざっている。既にグループを作り楽しそうに談笑しているもの、先輩とおぼしき人物に話を聞き熱心にその事をメモにとっている者、黙々と夕飯を食べる者と思い思いの過ごし方をしている。ミミは大勢の人にびっくりしているのか怯えているのかは分からないがぴったりとクリムに張り付いて体を震わせている。

 

「誰もミミの事をとって食べやしないから大丈夫だよ」

 

「あわ、あわわ……」

 

「とりあえずボールに入ってるか?」

 

「はぃぃぃ、歓迎会が始まったらお呼び下さい」

 

 クリムの提案はまさに鶴の一声だったのだろう、ミミは即座にボールへと戻っていく。ミミをボールに戻し終えたクリムは券売機で夕食の焼き魚定食を頼み食堂のおばちゃんにそれを渡すと間もなくして食事の乗ったトレーが渡される。そのご辺りを見渡すが食堂の席は殆ど埋まっており空いている席を探すのは一苦労しそうだ。折角の夕食なので出来れば冷める前にありつきたい、そんな事を考えていると……

 

「クリム!良かったら一緒にどう?空いてるよ!」

 

 ツバサに声を掛けられクリムはツバサの前の席が空いているのを確認してそこへと座る。

 

「いや助かったよ、ありがとうツバサ」

 

「どういたしまして、ミミちゃんは?ボールの中かい?」

 

「あぁ、うん、どうもこの人混みで萎縮しちゃったみたいで」

 

「ミミちゃんらしいね、ボクのヤヤコマはあんまり気にしないみたいだ」

 

 そう言ってツバサは視線を落とすとツバサの膝の上でヤヤコマは気持ち良さそうに毛繕いをしている。二人は談笑しつつ夕食を食べ進める。

 

「そう言えばツバサは何号室になったんだ?」

 

「214号室だね」

 

「てことは隣か、縁があるな」

 

「全くだね、これからも良き隣人、そしてクラスメイトとしてよろしく!ところで話は変わるけどクリムはこの後にある歓迎会はでるつもり?」

 

「ん、一応出るつもりだが、聞いてくるってことはツバサも出るのか?」

 

 焼き魚の骨を箸で取り除きながらクリムは視線だけツバサに投げ掛けると肯定するようにニッコリと頷く。

 

「というか折角先輩が出迎えまでして教えてくれたんだもの、出ない人の方が少ないと思うよ」

 

「そりゃそうだ、っとあんまりゆっくり食べてると歓迎会に間に合わないな……ちょっとペースアップするか」

 

「だね」

 

 そう言って二人は夕食を早々と平らげ歓迎会の行われる談話室へと向かうとパイプ椅子が並べられそこに20名程の生徒が既に着席している。それらの生徒が新入生なのか、それとも上級生か判断がつかずどうすればいいか二人が迷っていると入口付近にいた上級生と思われる生徒が声を掛けてくる。

 

「新入生の子かな?空いてる席へどうぞ」

 

「「ありがとうございます」」

 

 上級生に促され適当に空いている席へと二人は座る。クリムはモンスターボールを取り出しミミを呼ぶ。

 

「あわっ……あっその方は……」

 

「やぁお昼ぶりだね、ボクはツバサ、クリムの友達だよ、よろしくねミミちゃん」

 

「は、はいよろしくお願いしましゅ……あぅ」

 

「相変わらずだなミミは……それよりそろっと歓迎会がはじまるみたいだぞ」

 

「は、ハイ!」

 

 手作りで作られたであろう雛壇の上に見知った顔、アカバネとエリスが現れる。

 

「お待たせ皆改めてイーストスクールへようこそ知っている人もいるかも知れないけど改めて自己紹介をさせて貰うね、私はエリス、カロスのミアレシティ出身で三年生よ、ここイースト寮の寮長も務めさせてもらってるわ!それで隣のおっかなそうなのが」

 

「一言余計だエリス……俺はアカバネ、ジョウトのタンバシティ出身だ、副寮長をしている」

 

「今日は歓迎会に参加してくれてありがとう!私達イーストスクールは四つの学校の中でも特に生徒の自主性に特化しているわ、良く言えば自由、悪く言えば投げやりとも言えるわね」

 

 エリスの言葉に多少なりと周囲はざわつき始める。つまりこの学校ではポケモンに対する姿勢がそのまま自分達の実力に反映されるという事だろう。自分が思っていたよりも厳しい環境のようだ……とクリムはこの学校に対する考え方を改める。隣のミミをチラリと見ると「あわわわ」と小さく震えている。そんなミミの頭にポンと手を置くとミミは最初こそ驚いていたが次第に落ち着いたようで体の震えも収まっていた。

 

「だがそんな君達のために先生方となにより我々先輩がいる、きっと君達がこれから通る困難な道は我々も通ってきた道だ、困った時は遠慮なく先輩を頼って欲しい」

 

「と、言うわけで堅苦しいお話はここまで!何か質問のある子はいるかな?答えられる事なら答えちゃうよ!といっても大体の事は明日ジンダイ先生が教えてくれるとおもうけど」

 

 誰もが手を上げるのを躊躇するなか、ツバサの隣に座る一人の男子生徒が手を上げる。

 

「おっ!じゃあそこの銀髪のキミ、お名前と質問をどうぞ!」

 

「ありがとうございます、アダマスといいます、質問はこのエデンで一番強いトレーナーは誰ですか?」

 

 アダマスという少年が質問をした途端会場の雰囲気が変わる。

ある者はい抜くような視線を彼に投げ掛け、ある者は礼儀知らずと嘲笑を漏らし、ある者はコイツマジか……と尊敬の視線を彼に向けている。ちなみに彼の隣に座る女子は「バカ!やめなさいよ!」と彼に言うがアダマスは全く意を介さない。

 

「んっん~難しい質問だね、候補が何人かいるからね~、まぁ敢えてその候補を上げるとするならノース三年のテンザン、ミナカミ、サウス二年のルイス、そしてイースト三年のアカバネかな」

 

 アカバネの名前が上がり周りの生徒が彼に羨望の眼差しを向ける中クリムはアダマスが挑戦的な視線をアカバネに向けているのを見逃さなかった。アカバネもそれに気づいているようでマフラーから口角がつり上がっているのが確認出来る。

 

「質問に答えて頂きありがとうございます」

 

 そう締めてアダマスは着席する。良くも悪くもアダマスは場の雰囲気を変えてしまったようで周りはざわついている。エリスが他に質問のある生徒はいないか聞くも手を上げる者はいない。彼の後に質問をするのは確かに気が引けるのだろう、かくいうクリムもその一人だ。

 

「それじゃあ最後に歓迎会の目玉として私とアカバネのバトルを見てもらおうかな!あっ本来なら夜の8時以降朝の7時まではバトルフィールドは使えないんだけど今日は特別ね」

 

「場所を移すぞ」

 

 先輩二人に促されバトルフィールドへと新入生は移動を始める。しかし、ようやくポケモンバトルが見られる、そう考えると自然と頬が緩む⋯⋯最もクリムがそう思っているだけで実際には緩んでいないのだが。クリムとツバサも例に漏れず移動を開始しようとすると例のアダマスと彼の隣に座っていたオレンジ色の髪をした少女が言い合い……と言うよりは少女が一方的にアダマスに対し文句を言っていた。

 

「ちょっとアダマス!アンタねぇ!初日からあれはないでしょ!」

 

「……別に、トパーズには関係ないだろ」

 

「関係ないってなによ!腐れ縁で幼なじみやってる私の気持ちにもなってよ!」

 

 性格的にツバサは彼等を放っておけなかったのだろう、クリムもアダマスの事が気になっていた事もあり二人は仲裁に入る。

 

「ほら、二人とも喧嘩はそこまでにしよう?」

 

「先輩達のバトルが始まる、こんな事で見れなかったら二人とも後悔すると思うぞ」

 

 トパーズと呼ばれた少女はまさか自分達以外に生徒が残っているとは思わなかったのだろう。トパーズは顔を赤くしアダマスは変わらぬ様子で欠伸をしている。

 

「あ、あはは!ごめんなさいねお見苦しいところを!」

 

「いや、僕達は全然気にしてないよ、ごめんね急にボクはツバサこっちはクリムだ、よろしくね二人とも」

 

「私はトパーズ、こっちのはまぁ紹介は必要ないかもだけどアダマスよ、私達二人ともシンオウ地方のコトブキシティの出身なの」

 

「オイ、呑気に自己紹介しあってる場合か、本気で遅れるぞ」

 

「誰のせいよ誰の!」

 

「まぁとりあえず急ごう」

 

 そんなやりとりを終えて四人は急いでバトルフィールドへと足を運ぶ。どうやらまだバトルは始まっていないようで四人は胸を撫で下ろす。しかしエリスとアカバネの二人は既にフィールド上で睨みあっておりフィールドは緊張感に包まれている。

 

「皆さん揃ったようですね、このバトルのジャッジは不肖この私二年のアンザイが務めさせて頂きます、ルールは1vs1の持ち物はなしです、それではバトル……はじめ!」

 

「頼んだぞ相棒!」

 

「上げていくよメリー!」

 

 アカバネはバシャーモをエリスはデンリュウをそれぞれ繰り出す。始まったバトルに新入生は釘付けだ。

 

「先手は貰うぞ、ブレイズキック!」

 

 宣言通り先手をとったのはアカバネのバシャーモだった。炎を戻ったら蹴りがデンリュウに直撃する、負けじとほうでんを繰り出しバシャーモにダメージを与える。

 

「ちぇっマヒを引かないか」

 

「そんなやわな鍛え方はしていないのでな」

 

「なら正攻法よデンリュウ、パワージェム!」

 

「かわせバシャーモ!」

 

 岩のつぶてがバシャーモを襲うがバシャーモは俊敏な動きでデンリュウの攻撃を回避する。エリスは続けてパワージェムを指示するがバシャーモの動きはドンドンと俊敏になっていく。

 

「あれは……とくせいがかそくなのか」

 

「みたいだね、だんだんとデンリュウが的を絞れなくなってきている」

 

「凄いわね」

 

「こんなお遊びルールじゃ二人の本当の実力は全く分からないがな」

 

 四人が口々に感想を述べていると遂に試合が動く。エリスは技をパワージェムからでんげきはへと切り替え確実にバシャーモの体力を削る戦法に出る。中々デンリュウに近づけないバシャーモだがデンリュウも絶えずでんげきはを放てる訳ではない。でんげきはの威力が弱まった頃を見計らいアカバネはバシャーモにギガインパクトを指示する。通常であればギガインパクトはかなり隙を晒してしまう技であるがかそくで極限まですばやさの上がったバシャーモのギガインパクトは素早く、そして正確にデンリュウへと向かっていく。苦し紛れにエリスは回避の指示をするがデンリュウにギガインパクトが直撃しデンリュウは戦闘不能となる。

 

「そこまで!デンリュウ戦闘不能!勝者、アカバネ先輩!」

 

「あちゃー負けちゃったかぁ……後輩にいいとこ魅せたかったんだけどさすがだねぇアカバネ」

 

「ルールがルールだからな、だが良い試合だった、腕をまた上げたなエリス」

 

 二人が仕合を終え握手をするとバトルフィールドは歓声と拍手に包まれる。いつか自分もあんな風に戦いたい、そんな気持ちがクリムの胸の内から溢れてくる。クリムが武者震いをしていると違う意味で震えている相棒がクリムの服の袖を引っ張ってくる。

 

「い、いつか私もあんな風に……なれるでしょうか?」

 

 不安そうにしているミミだがその瞳からは強い意志が感じられる。おくびょうながらも頼もしい相棒のその問いにクリムは笑って返す。

 

「あぁ絶対にあんなバトルを出来るようになろう俺とミミで一緒にだ」

 

 そんなクリムの問いにミミは恥ずかしそうに顔を伏せるがクリムはミミの口元が笑っているのを見逃さなかった。こうしてイースト寮の新入生歓迎会はお開きとなり、クリム達は明日から始まる学園生活に胸を踊らせながら部屋へと戻り床につくのだった。

 

 

 

 

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