ポケットもんすたぁアカデミアSPECIAL   作:ネオニューンゴ

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 読んで頂いてありがとうございます、拙い文章力でありますが楽しんで頂けると幸いです。


第5話 ミミの決意

 ミミは傷ついた自分の主人の姿を見て体の内から何かが沸き上がってくるのを感じていた。いつもの自分ならばこの状況に怯え、足がすくんでしまっていてもおかしくはない。この感情が怒りなのかそれとも別の何かなのか……今のミミにとってはどうでもいいことだった。

 

「私のマスターから離れて……!離れて下さい!」

 

 言い知れぬ高揚感と昂る感情に身を任せてミミは一歩前へと踏み出す。ミミの異変に最初に気付いたのはクリム達を襲おうとしていたニドリーノだった。後ろから発せられるプレッシャーに嫌が応でも意識がミミへと向けられる。そこでようやくクリム、アダマスもいつもと違う様子のミミに気付く。

 

「ミミ⋯⋯!?」

 

 クリムの声に呼応するかのようにミミの身体がまばゆい光に包まれる、あまりの眩しさにクリム達は顔を背けるが自信の相棒の変化にいても立ってもいられずクリムは反射的に目を少し開く。そこに居たのは全身水色に近い色に変化してはいるがトレードマークの頭のヒレとマフラーを身に纏うミミの姿があった。相棒の進化した姿に喜びを噛み締めたいのは山々ではあるが今はこの窮地を脱しなければいけない。即座に図鑑アプリを開きわざの確認をしたクリムはミミに指示を出す。

 

「ミミ!新しい力をみせてやれ、マッドショット!」

 

「はい!」

 

 ミミはミズゴロウからヌマクローに進化した事によりじめんタイプを新たに得ておりそれにより新しいわざを習得している。相対するニドリーノのタイプはどくタイプ、相性的には有利……なのだがこれでクリム達が優勢になる……という事はなかった。ニドリーノは俊敏な動きでミミの繰り出すマッドショットを避けカウンター気味に蹴りを放ちミミにダメージを与える。やせいポケモンとして生きてきたニドリーノの方がこちらよりワンテンポ早く動いておりクリムの指示はそのニドリーノの動きに対応しきれていなかった。またミミも自身も進化により能力が急激に上がった事で自分の力を把握しきれておらず力の使い方に戸惑っているように見えた。

 

「俺も援護に回りたいが……」

 

 そう悔しそうに言葉を漏らすアダマス、彼の手持ちの2体は先程熾烈な戦闘を繰り広げておりどちらも体力的にはレッドゾーンに近いイエローゾーンといった感じで援護に加わるのも難しい。

 ミミが戦闘で時間を稼いでいる間にクリムは持ってきていたハンカチで傷口を縛りとりあえずの応急処置を終わらせると注意深く二匹の戦闘の様子を観察する。ミミとニドリーノの戦いは一方的なものでニドリーノの素早い攻撃にミミは頭のヒレをレーダーとして活用し何とか攻撃を避け続けているが反撃が出来ずにいる。マッドショットの効果でニドリーノのすばやさを下げてもこれなのだ、せめて何かワンアクション起こさなければジリ貧となってしまう。

 

(考えろ……考えろクリム、自分の相棒の窮地なんだ……あの人なら……あの人ならこんな時どうする?)

 

 思考の海に潜りながら必死に周りの環境やニドリーノの動き等観察し状況を打開しようとする……が現実は無情な物で名案は浮かばない、そうなると残された手は一つしかない。チラリとデルビルを横目で見ると視線が合う。しかし彼女は自分の意思を持った……もっというならばトレーナーという存在をあまり好ましく思わない萌えもんだ。自分のエゴのため、彼女を利用しようとするのはいかがなものか?としかしミミを助けなければ……と焦る気持ちが募るがクリムの内心を察したようにデルビルが口を開く。

 

「何迷ってるの!私を使いなさい!」

 

 デルビルの言葉を聞きクリムはもう一度デルビルを見ると彼女の瞳には強い意志が感じてとれた。ならば遠慮する必要はもうない。これで勝算が出来た。

 

「すまないがそれしかないようだ、まずはとおぼえでニドリーノの気を引いてくれ」

 

 クリムの指示通りデルビルがとおぼえをするとミミと相対していたニドリーノはくるりと体を翻しこちらに体を向け突っ込んでくる。デルビルは打たれ強い種族ではないのでニドリーノの攻撃を一度でも貰えば命取りになるだろう、それを直感的に肌で感じたクリムはデルビルにひのこの指示を出しつつさらに距離を保つよう指示を出す。とはいえここは湿地であり足場が悪く馬力でいえばデルビルより元々力を持っている相手のニドリーノの方が数段上だ、ミミのようなセンサーでもない限りは簡単に鋭利な角の餌食となるだろう、しかし時間さえ稼げればいいのだ、そうクリムの視線の先には態勢を建て直し自分の指示を待っている相棒の姿が目に写っているのだから。

 

「ちょっ!このままじゃやられちゃうわよ!」

 

「いや、十分だデルビル、頼むぞミミ、マッドショットだ」

 

「ハイ!」

 

 泥の弾丸がニドリーノに迫っていく。ニドリーノは何とか避けようとするがデルビルがそれをさせないよう懸命に攻撃を放ちニドリーノの退路を潰していく。このまま決着……とまでは流石にいかないようだ。進化したミミの、それもこうかばつぐんの筈の攻撃を2度受けても立ち上がるニドリーノに畏怖すら覚えるクリム。しかし思考は絶やさず頭はクリアに、今の戦況を冷静に、客観的に考察する。

 

(だけど……ニドリーノの足が小刻みに震えているのが分かる……もう少しだ)

 

「ミミ、ダメ押しのマッドショット、デルビルはひのこで焼き尽くせ」

 

「はい!」

 

「ええ!」

 

 ミミ達もなんとなく感じてはいたのだろう、クリムの指示に強く応えわざを放つ、それがとどめだったからか、きゅうしょに当たったからかは分からないがニドリーノは力ないなきごえを上げて体をゆっくりとぬかるんだ泥へと沈ませる。クリムは勝利の余韻に浸る間も無く片膝を湿地に着け荒い呼吸を繰り返す。玉の汗が全身から吹き出しアドレナリンが引いていく感覚と共にやってくるのは腕の激しい痛み、そのまま地面に倒れそうになる所寸前でアダマスが駆け寄り支えるとペットボトルに入った水をクリムの口元へと宛がう。

 

「ま、ますたぁ!」

 

「ちょっ!?アンタ!」

 

「落ち着け、クリム、意識はあるな?少しずつ口に含ませてから飲むんだ」

 

 口の端から水を溢しながらも水分を体内に入れると体から熱が逃げていき朦朧とし始めていた思考も幾分かマシになってくる。

瞳に光が戻ったクリムはまだ痛む腕を抑えながらも何とか自力で立ち上がり姿を変えた相棒を落ち着かせるべく声を掛ける。

 

「ミミ、落ち着いて、大丈夫……とは言い難いがとりあえずピンチは切り抜けたんだ、よくやってくれたぞ」

 

「ますたぁ!よがっだでずぅ~!」

 

「アダマスもありがとう、一人だったら正直危なかったよ」

 

「肝心の所で役に立たなかったんだ、これくらいはさせてくれ」

 

 クリムの様子を見てミミもアダマスも表情から緊張が消えていく、クリムはもう一人の立役者にお礼を言わなければと思い視線を彷徨わせると少し離れた所でこちらの様子をチラチラと伺うデルビルと目が合う。

 

「デルビルもありがとう、キミが居なかったら危なかった」

 

 クリムの感謝の言葉に満更そうでもない表情をしながらウンウンと頷いたデルビルだがハッとするとすぐにプイと顔を背ける。

 

「フン!まぁその通りよね!アンタの感謝も受け取ってあげない事もないわ!」

 

 

「そうか、それじゃあ元気でな、なるべくトレーナーに見つからないよう頑張れよ」

 

 そう言い残しこの場を去ろうとするクリムにアダマスは良いのか?と疑問をぶつけるがクリムとしてはトレーナーの元で暮らす事を望まない彼女を手持ちに加える気は更々ない。無理矢理に手持ちに加えたとしても両者に明るい未来は待っていないだろう、と結論づけた。

 

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!」 

 

 そんなクリムを呼び止めたのは他でもないデルビル自身だった。まだなにかあるのだろうかとクリムは不思議そうな顔をして足を止める。デルビルとしてはクリムの方から言わせたいがクリムの方には更々そんな気はない。お互い無言の時間が続き何か言いたそうなデルビルと不思議そうに首を傾げるクリム、先に痺れを切らしたのはデルビルの方だった。

 

「アンタ!手持ちを探しに来たんでしょ?ならアタシを連れていけばいいじゃない!」

 

「いや、でも君は」

 

「でもも何もないでしょ!アンタが危なっかしいから優しいアタシが特別に手持ちに加わるって言ってあげてるのよ!」

 

「いや、だから」

 

「もう!ここまで言わせてるんだから覚悟決めなさいよ!しょうがないわね!」

 

 デルビルが荒い足取りでクリムの前までやってくると腰のベルトに装着したモンスターボールを強引に奪いそのままボールへと吸い込まれていく。呆気に取られたクリムを余所にボールは数回揺れるとカチッと音がする。クリムはモンスターボールを拾い上げデルビルをボールの外に出してもう一度彼女の意思を確認する。

 

「ええっといいのか?」

 

「何度も言わせないの!これからはアタシがアンタを一人前のトレーナーにしてあげるわ!覚悟してよね!やるからには一番を目指すわよ!」

 

 腰に手を当て不敵に笑う彼女に釣られクリムも思わず笑みをこぼす。想定外の展開だったがこういうのも悪くないとクリムは思いながらも自分の新たな手持ちに心を踊らせたのだった。

 

 その後もう一度簡単に腕の処置を終えたクリムとアダマスはポケフォンで時間を確認するとそろそろ戻らなければ集合時間に遅れると足取りを早める、その甲斐あってか二人は集合時間ギリギリに港の入り口へと到着する。ツバサとトパーズが二人を出迎えるがクリムの腕を見てギョッとするがクリムは見た目程大事じゃないと苦笑しながら説明をする。アダマスが意識を失いかけていたじゃないかとポツリと漏らすと同行しなかった事に二人は申し訳なさそうに謝るがクリムとしては自分で招いた事だからと二人を宥める。そうこうしているうちに生徒が全員戻ったようでジンダイから集合の声がかかったため四人はジンダイの元へと足を運ぶ。

 

「ハイ、皆さん無事……とは言い難いですが新しい仲間を得られたようですね、大変喜ばしい事です、手持ちが増えるという事はバトルにしてもコンテストにしても、ブリーディングにしてもそれだけ皆さんの選択肢が増えるという事です、耳が痛いかもいれませんがそれに伴い責任も増えます……が今は自分の仲間が増えた事を素直に喜んでいいでしょう、それでは皆さんイーストアイランドに戻るとしましょうか」

 

 ジンダイに促され生徒達は船へと乗り込み思い思いの時間を過ごす。クリム達はというと甲板デッキへと集まりツバサとトパーズに二人の新たな仲間を見せるよう催促していた。

 

「俺が捕まえたのはカラナクシだ、ガッツのあるやつだな」

 

「俺はデルビルだよ、まぁ本当に色々あって仲間になってくれたんだ、ほら出ておいで」

 

 モンスターボールから姿を現したデルビルに感嘆の声を真っ先に上げたのはトパーズだった。

 

「きゃ、きゃわい~!顔立ちキレイ!ツンとした目がキュート!それでいてどこか気品を感じさせるぅ~!」

 

「ちょっ!?何よアンタいきなり!と、トレーナー!?」

 

 いきなりトパーズに詰め寄られたデルビルは事態が呑み込めずしどろもどろになりながらクリムへと助けを求めるがクリムも暴走気味のトパーズを目の前にたじたじになってしまう。幼なじみのアダマスなら何とかしてくれると思い視線をアダマスの方へ向けると……

 

「くっ……うっぷ」

 

 船の手すりにつかまりながらうずくまり手で口を押さえている。そんなアダマスの側にはカラナクシが情けないと言わんばかりにアダマスの靴をつついていた。

 

(あぁ……これはどうしようもないな)

 

 なるようにしかならない、そう悟ったクリムは心の中でデルビルに合掌しながらどこか遠い目でデルビルを見つめる。

 

「こんの、裏切り者ぉ~!」

 

 デルビルの悲痛な叫びはキャモメの喧騒の中にかき消え、トパーズは思う存分デルビルをを愛でるのだった。

 

 

ーーーーーー

 

 その後船は無事イーストアイランドに到着し、生徒達は現地解散となりそれぞれ帰路へつく。船から見えた夕日は沈みかけており空には宙を舞うひこうポケモンの変わりにちらほらと星が輝きだす。ミミはニドリーノとの戦闘で疲れたのかボールの中ですやすやと寝息をたてており、そしてトパーズから解放されたデルビルがげっそりとした表情でクリムの元へとやってくる。

 

「はぁーやっぱ人間って怖いわ、というかトレーナー!よくもアタシの事を見捨てたわね!」

 

「いや、そう言われると返す言葉もないんだが、あれどうにか出来たか?」

 

「いや、まぁそれはそうかもしれないけど……気持ちの問題よ!」

 

 トパーズの可愛がり(物理)を思い出したのか顔を青くして自分の肩を抱いて震えている。そんなデルビルを見てクリムがクスリと笑うとデルビルはむがーっと抗議の声を上げるのだが、そこでふと思い出したかのようにミミの所在をクリムに訪ねる。クリムは苦笑しながらモンスターボールを指差すとデルビルも納得したようだ。

 

「まぁミミは本当に今日頑張ってくれたからな、休ませてあげよう」

 

「!!それよ!」

 

「それ?」

 

「アタシもアンタの手持ちになったのよ!相応しいニックネームを考えてるんでしょうね!?」

 

 言われてみてそういえば、とクリムは頭を捻る。確かにミミだけにニックネームをつけデルビルにつけないのはおかしな話だ。

クリムは数分考え込み一つの結論に達する。

 

「黒いからブラック?」

 

「全然可愛くないじゃない!」

 

「デルビル……デビりんとか?」

 

「子供じゃないのよ!子どもじゃ!ていうかアンタデビりんって……恥ずかしくないの!?」

 

「駄目かぁ……」

 

「アハハ、相変わらず賑やかだねクリム」

 

 クリム達の様子をみかねたのかツバサがこちらへやってくる、事の経緯をツバサに説明するとクリムの考えたニックネームを聞いてそのセンスの無さに頬をひきつらせていた。

 

「クリム……ニックネームをつけない僕が言うのも変だけどそれはないよ……」

 

「そうか……駄目か」

 

「駄目に決まってるでしょ!てか真顔でデビりんとか!?アンタ正気を疑うわよ!」

 

「まぁまぁニックネームはおいおいって事で……それでトパーズもアダマスも帰っちゃったけど僕らも帰る?」

 

 ツバサに言われてクリムは辺りを見回すがアダマスやトパーズはおろか他の生徒の姿も消えている。自分も寮へ帰ろうと思ったがふとショルダーバックが軽くなっている事に気づく。スカンプー達との戦いに加えニドリーノとの激しい戦闘を行いきずぐすりを使いきっていた事を思い出す。

 

「ツバサ、待ってくれてたのにすまない、今日できずぐすりを全部使ってしまったからショッピングエリアで買い足してから帰る

よ」

 

「そっか、僕は疲れちゃったからこのまま帰らせて貰うよ、またねクリム」

 

 そう言い残し手をひらひらさせながら寮へ帰っていくツバサの背中を見てクリムは少し悪いことをしたかな……と頭をかきながら考える。さて、自分も目的を達成するためにショッピングエリアに向かうべく、デルビルをボールに戻そうとモンスターボールに手をかけるとそこには瞳をキラキラとさせたデルビルがこちらを見ていた。

 

「ショッピングエリア……なんて甘美な響きなの……人間はあんまり好きじゃないけど……人間の暮らしには興味あるわ、行くわよトレーナー!」

 

「待て待て……って早いな、おーいショッピングエリアの場所分からないだろうに」

 

 先程までの疲れた様子はどこへやら軽い足取りで港の出口へ向かうデルビルを慌ててクリムは追いかける。舗装された道を歩きく二人?を街道が照らす。その間もデルビルは興奮しており耳をピコピコと忙しなく動かしておりショッピングエリアへ着くのを今か今かと待ち望む様子が容易に見てとれる。ポケフォンのマップアプリが示す道的にはそろそろ着いてもおかしくない頃合いだが……と思っていると街道とは別の明かりが見えてくる。

 

「!!見えたわ、駆け足よトレーナー!」

 

「わかった、わかったから……まったく、元気というかなんというか」

 

 ショッピングエリアに足を踏み入れるとチラホラとクリムと同じ学生の姿が散見する。パッと見渡した感じだとトレーナーにとって必須なきずぐすりやモンスターボール、その他状態異常を回復させる薬を扱うフレンドリィショップは勿論食品やきのみを取り扱う八百屋や生活必需品を揃えたショップ、本屋に食べ物店と多くの種類の店舗が存在する事が見てとれる。その中でデルビルは目敏くポケモン及び萌えもん用のアクセサリーショップを見つけそこへクリムを促す。

 

「時間は掛からないから当初の目的だけ果たさせてくれ、その後ならいいから」

 

「しょうがないわね、嘘ついたらわかってるんでしょうね!」

 

 

 急かすデルビルを尻目に足早にフレンドリィショップへと入っていき、きずぐすりとモンスターボールを購入するクリム。目的を果たしたクリムは急かされながらもアクセサリーショップへと入っていく。クリムの目に飛び込んでくるのは様々なアクセサリーの数々、リボンやメガネ、スカーフやネックレスにブレスレット等等商品棚では多種多様のアクセサリーが並べられている。トレーナー志望の自分にはこいうった物に縁がないと思っていたが成る程、コンテストの道を志す者にとってはとても大切な場所なのだろう。トパーズ等は跳びはねながら店内を見回りそうだなと若干失礼な事を考えながらクリムが店内を見回っていると隣にいたデルビルがピタリと止まりある一点を見つめている。視線を追うと2対の真紅のリボンに心を奪われているようで口から「わぁ、素敵……」と言葉が漏れている。値札に書いてある価格を見ると1000ppと書かれていた。

 

(決して安くはないけど別に買えなくはない……まぁいいか)

 

「それ、欲しいのか?」

 

「えっ!?あっいやっ!別に……」

 

 口では否定しながらも目線はリボンから離れない……という時点で決まったようなものだろう。クリムはリボンを手に取りレジへと持っていく。

 

「ご購入ありがとうございます、見たところトレーナー志望の学生さんですか?それならバトルに耐えられるよう加工しましょうか?追加で800pp頂く事になってしまいますが」

 

「あぁ……確かに、それじゃあお願いします」

 

「かしこまりました、それでは少々お時間を頂きますね」

 

 そう言って店員はバックヤードへと消えていく。折角購入したアクセスが切れたり燃やされたら確かに悲しい、こういった加工をしてくれる事も含めて専用のアクセサリー店なんだなと感心する。備え付けのベンチに座って待つこと十分程経っただろうか?店員がバックヤードから出て来てクリムは商品を受けとるとデルビルの元へと向かいリボンを手渡す。

 

「ほら、これ」

 

「あ、ありがとう、早速着けてみるわね」 

 

 デルビルはいそいそと自分の髪に2つのリボンを用いて髪を結び終えるとはにかみながらクリムに感想を尋ねる。

 

「ど、どうかしら……変……じゃないわよね?」  

 

「……あ、ああ……似合ってるよ……とても」

 

 

 似合ってる……というより似合い過ぎている、思わず言葉を失い、即座に褒める言葉が見つからない程だった。そしてデルビルのリボンを着けた姿を見て頭の中にある事が浮かび上がる。

 

「……スカーレット」

 

「え?」

 

「ニックネームさ、スカーレットならどうだ?ぴったりだと思うんだけど……」

 

「スカーレット……うん、うん!いいじゃない!」

 

「そうか……良かった……」

 

 クリムの中で彼女を現すにこれ以上ないと思った。実際彼女もお気に召してくれたようでリボンを撫でながら若干頬を赤らめうんうんと頷いてくれている。それから名残惜しくはあるがショッピングエリアを後にし今度こそ寮への帰路へとつく二人。空はすっかり黒く染まり月が見守るように顔を出している。二人は気恥ずかしさからか何となくお互い無言で、しかし並びながらゆっくりとした歩幅で歩みを進める。二人の間に言葉はないがクリムはこの時間を何となく心地よく感じていた。ふと寮に差し替かった所でスカーレットが前へ小走りで進みだしたかと思うとクルリとクリムの方へ向き、腰に手を当て宣言する。

 

「アタシが手持ちになったからには目指すはこの島最強のトレーナーよ!アタシがアンタを頂きまで連れて言って上げるから、アンタはアタシを一番輝かせなさい!」

 

「あぁ……勿論だ、一緒に頑張ろう」

 

「まさかアタシがこのセリフを言うなんて思いもしなかったけど……よろしくね!トレーナー!」

 

 こうしてクリムのパーティーに新たな仲間を加え、この1日を締めくくった。スカーレットの言葉を胸に仕舞い、クリムはこれからの学園生活により一層想いを馳せながら床へとつくのだった。

 

 パーティー情報

 

ミミ(ヌマクロー)LV18♀

 

 

 

こうげき C+

 

ぼうぎょ C

 

とくこう C-

 

とくぼう C+

 

すばやさ D

 

せいかく しんちょう

 

とくせい げきりゅう

 

わざ

 

みずでっぽう

 

まもる

 

マッドショット

 

アイスボール

 

 

 

 

 

 

 

NEW スカーレット(デルビル)LV15 ♀

 

タイプ あく ほのお 

 

たいりょくE+

 

こうげき D+

 

ぼうぎょ E

 

とくこう C+

 

とくぼう D

 

すばやさ C

 

せいかく まじめ

 

とくせい もらいび

 

わざ

 

ひのこ

 

カウンター

 

かみなりのキバ

 

ほのおのうず

 

フェイント

 

とおぼえ

 

 

 

 

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