バスの囚人に転生したぞー! 作:カンジャリ
一応都市にもそういう物はあるらしい、初めて知って驚いたが工場などの比較的安全な場所での肉体労働なら身体を解すという意味合いでも広まっておかしくはないだろう
寝起きで、この都市でのラジオ体操ぽい音楽を流してからまだ意識が優れない頭で流れている歌詞通りに身体を動かす
何となく起きてすぐ二度寝したら終わるという気分で、日々を過ごしている気がする
武器と言い張っている暗闇の中で一点煌々と青白く光る照明器具を、ある程度慣らした身体で巻きつけるように身につけて廊下へと出た
「誰がこの時間まで夜更かしか頑張って徹夜してなきゃ、寝ずの番除いて一番乗りか………」
誰も居ない、話し声もしない廊下は心地良く吹き飛んで枯れるような優越感がちょっとだけある
こういう少しの楽しみを、増やした方がくだらない事でも案外幸せで満たされたりすると俺は思う
自身の足音だけ響いていた廊下から、イサンの足音が混じるそれに反応して後ろを振り向いた
「おはようイサン、互いに目覚めがいいな良い夜は過ごせたか?」
「………いや、とみに目のおどろきにけるばかり」
軽く手を振りながら声を掛ける
大学では、言語学とか民族学専攻してたけど何言ってるのかイマイチ掴めねぇなけどしっかり目が覚めて元気って訳でも無さそうか
精神状態も、終わってるしな現状のイサンだとやはり四章待ちにはなる
「メフィストフェレスの中とはいえ、朝はまだ冷えるからなもう一度部屋に戻って目を閉じないなら
白湯と緑茶と紅茶と烏龍茶と麦茶何がいい」
「珈琲」
即座に珈琲という希望が出てきたが、要らないと言うか………提示した選択肢から選べイサンそれ以外はねぇんだよ手持ちが
麦茶煮詰めて誤魔化すか
あいにくタンポポ引っこ抜こうとも見当たらない物で
「珈琲は無いから、麦茶濃く煮出した奴代わりな香ばしさやらと苦味があれば似たようなもんだろ」
「あなや………」
「無いものは無いぞ」
イサンにもその事を伝えれば、拒否も否定もしないが悲しそうな小動物が喉から鳴らす音のように声を出す
その声を無理なものは無理と、バッサリ切りつつ座席の付近で一旦別れ、イサンのマグカップと俺のマグカップを取り出して湯を沸かす
何でも希望を叶えてくれる魔法の箱でもあるまいに、俺に出来ることは何でもではない俺の範疇に収まる事だけだ
俺含めた馬鹿どもの宴と化した大学のサークルのノリに乗せられて、一度やって二度とやるかってなった事は何回もあるし記憶に深く刻まれている
なんかいつか下手なユーチューバーより、体張ってるなと言う話題になってそいつらの一人が諸々やった事流す為のチャンネル立てたんだけど暫く後に即垢バンされたと聞いて
何やったんだやべぇなってより
うんあぁやっぱそうなったか………と思ったし
その間は、俺は動画に載らないように必死に回避してた矢鱈とトイレに行く回数(嘘)が増えた気がする
俺が通っていた大学の特色としてありとあらゆる様々な国から留学生を活発に受け入れていた事もあり、最初の始まりは相互で大学で学ぶ履修言語をそれぞれの現地の言葉で教え合おう!みたいな感じだったはずなんだが
入ってはその瞬間にヤベェと離れる奴と、離れない奴でなんかの成分の濃縮がサークル内で起きてたんだと思う最初の囚人達の雰囲気よりはマシだ
ひたすらに、先入観なんて無くて、好き勝手して、自由で、全ての行為に、意味も利益も求めず、欲望の赴くままに、何もかも混沌として
それを個人の拒否感とかそういうの以外で止める奴が、俺含めて残った奴らは殆ど居なかっただけで
………流石に、武装警察に喧嘩は売ったりはして無いよ京大じゃあるまいし
ゴポゴポと沸騰してきたお湯を、俺の分だけ一旦別に注ぎ残った熱湯に麦茶のパックを放り込んだ
茶色が広がり、だんだんと時間をかけるにつれ濃くなっていき黒に近くなっていく
もう色も変わらないような黒へと変わった時に、イサンのマグカップへとこれ以上濃くするのは難しいだろう麦茶を注いだ
だらんと席から運転手であるカロンが起きていない為景色が変わるはずも無いのに窓の外をずっと見ている
寝ずの番の奴は、俺みたいにどっか行ってるのだろう
俺とイサンしかいない
「冷ましてはない飲む時に火傷には、気をつけろ」
湯気が立ち上るマグカップの取っ手にハンカチを被せて声をかけて差し出した
イサンは、静かに受け取り窓の外を見るのをやめてぼーっとマグカップの中身を暫く眺めてから湯気を切るよう吹き冷し口をつけた
「こは珈琲ならぬ苦きばかりなり」
この後ジャガイモの芽を愛でるくせに一丁前にだけは言うなと思いつつ、俺には珈琲の香りと言う概念がイマイチ理解は出来なかったなと思う
「気に入った豆でもあったのか?」
身体を温めるための白湯を此方も飲みながら、イサンに冗談めかすように言えば昔の九人会でも思い出しているのかまたそんな事思ってもいないのか静かに黙る
沈黙に気まずい等は今は思わない、今のイサンに話しても無駄だろうと分かっている、跳ね返らない壁にボールを当てても球技の練習にすらならない
俺が持っていたマグカップが、半分程に減った頃だろうか………
「………汝に朋は居し」
「ゲホッ気管に気管にぁ"………」
暫く静かにただ二人だけいた空間に文字通りゴフッと効果音がつきそうな様子で、俺は思わず吹きこぼす………いや色が濃い飲み物入れなくて良かったなと地面に溢れる小さな跡を見つつ服の袖で拭った
まさかイサンの方から話しかけてくるとはな、何思ってるんだアレは
「ちょっと待て………ふぅいやまさか、お前の方から話してくるなんてな少しびっくりしただけだ
ファウストから、昔はお喋りさんとかなんか話してたのは記憶してるが」
「………」
息を整えて、突然どうしたと言うがそれに対する返答は無かった
イサン自身の事を語ることは無いということなのか、それとも純粋に話しにくいからなのかどちらにしても、俺にはどうしようもないし、下手にやっても悪化するだけでロクなことにならないだろう
現時点で改善して欲しいとも、思うことはないし
「うーんそうだな、丁度友達か?あいつらまぁ友達ってことにしておこう
俺が居た場所の奴らはどいつもこいつも、ろくでなしのイカレた人しか居なかったな………」
サークルで会った様々な奴の顔が次々と懐かしく浮かんでくる………
ここの都市なら一般人として処理されるかも知れないが
爬虫類をペットで飼ってて一緒の食事として昆虫食にハマったアマゾン行きを決定させた決め手の奴とかシュールストレミングをせっかくなら料理しようと俺の家に集まった時に盛大にこぼした奴とか酒に酔って脱ぐ癖………上ならまだいいが下だしそもそも女性だしで止めるのが大変な奴とか、こんな奴等を見て精神系の行動資料に使って論文なるわぁって言ってる腹黒とか、男女問わず食っちまうぜな色狂いやら、サイマーパチンカスとか、こいつらのまとめ役になろうと買って出たが無事に生贄に投下される奴とか、愛読書が月刊ムーなオカルト好きのレンタル倉庫を呪物コレにしてる奴とか、カップ麺とかレトルトすら食ったことが無いガチの金持ちとか、ゲームのし過ぎで手を文字通りぶっ壊してペン暫く握れないドクターストップ食らった奴とか肉は生で食うのが一番うまいとか言って最終的に病院にドナドナされたやつとかマイナーなウィキペディアのコラムを選んで書き込んで出鱈目な内容のソレが学生とかの論文引用されたのを見るのが趣味な奴とか女装趣味なのに特に服装も変えず男子更衣室とかに入って迷惑かける奴とか、後はまだえーとうん………
………あれ常識的な奴いたか?
居ないよな???俺が言ってる事間違ってないよな、俺が居た場所他の所じゃあぶれるような奴の吹き溜まりだよな?
俺は除いて
「うん、まぁ俺が考えないような事をして巻き込まれて逆に俺も巻き込んだりしてずっとそこにいれば休まる暇が無かったよ
ソレが心地良かった………?そうだったか、いや心地良くはないか
まぁでもなんにも考えずにいられはしたんだ、余暇でも仕事だ課題だ何だかんだ何で囚われたくないだろ」
詳しい内容は、言っても何いってんだお前にしかならないだろうから
軽くそのいつでも離れられる場所に何故居たのか俺は考えた、純粋に俺が考えない事をする事が出来たのも一つであるが………
評判やらなんにも関係なく、好き勝手しているそれそのものこそが空間として居心地が良かったのかもしれないと思った、心地良くない部分は多かったけど
「その中にもひたすらに道草を食うのが、好きな奴が居てなタンポポで珈琲ぽいものができるらしい
花や茎じゃなくて、根っこを使うんだとよ 全部使えるって熱弁してた」
内容に合わせて思い出した中で、話に合うような奴の話題を捻り出す
カナダの奴で、道草の中にうん日本じゃ違法な大麻が平然と含まれてて合法国に俺が行こうとする度にオススメとしてココはいい大麻買えるよーとか言ってくる以外はまともな奴に数えていい
ちゃんとカナダとかに戻った時にしか、キメてない弁えはあるし、もう少しだけ発言がな………
「何処にでも咲いていると、思ってたが………結構色々見ても探そうとしたら見つからないもんだ」
一応タンポポで作られた代用珈琲も市販もされていた事は知っていたが、あいつが持ってきたのは自分で引っこ抜いて処理まで全部やった物らしい
俺はその時飲んだ代用品と珈琲豆の違いが理解できなかった、ただ両方とも苦かっただけ
もし都市で見つけたとしても、それなりの量を集めなければ根っこを使う事もあり代用珈琲としての材料には足らないが自生する植物が何となく少ない気がする
それか裏路地とかだとそういう食料にできるものは、ある程度育った瞬間から取られてるか
「イサンもそういう事知っ………流石に他人の話だけつらつら聞いてたら眠くなるか、子守唄代わりで何より」
一人で滾々と話すことも出来たが、話題の方向性を求めてイサンに聞けば静かで近づけば静かに目を閉じて呼吸をしていた
俺はまだ冷える朝にそのままは後ろにその後人が来る事もありバスの座席が倒れるわけでもなく、凝り固まるだろうと深夜急行バスを何度か時の使った事が頭に浮かび
今は使う予定も無いため、タオルケット一枚をイサンの身体に被せた
「悪い夢でも見ていたんだろうな、今度は目覚めが良いことを願うよ」
再度自席に戻り、イサンとの会話?もあり血も巡ってきて眠気が完全に覚めた頭で今日の事を考えた
残りからも後出来て今日から数え3日〜4日だろうし、夜食やらも見つかってどんどん減るし突然切ってもいいが予め分かってた方がその後が楽だろう
その後寝ずの番だった奴がこちらに戻ってきた後も囚人が来る度に、軽い挨拶を交わし業務指示を出す管理人を待った
エンケファリンはバスを狙った暴漢等からも取れるが無限ではない、特に今は巣の中に居るしそういう乱暴な徴収の仕方はファウストが言ってたように取れないだろう
その限られた資源を、カロンの運転による消費以外でどのような行動に分けて使うかは管理人の手に委ねられている
つまり囚人達は、管理人の指示が戦闘系の業務もどうこうもバス内では何もないわけで
「掃除も、洗濯も粗方終わってるな………後やる事あったか?」
今現在、また管理人はエンケファリンモジュールを貯める段階に入ったのか戦闘回数は極めて少ないものになり暇を持て余した
囚人達に話して、とかも思ったが
話しても、得るものがないしある程度流れに沿っているとするなら友好を口先の話だけで保とうとしても無駄ってわけで
「何やることねぇしあぁ外出てぇ………」
何をするわけでも何が出来るわけでもない為誰も居ないずっと居るには不快になる与えられた自室に、入ってから自然と出た言葉に驚きもしなかった
何もなくなると、本心というものが漏れるらしい
これは自覚している俺の悪癖だ
一箇所に居る事が、純粋に好きではない
「………寝とくか」
カチッとタイマーを付ける、管理人から呼び出された5名以外今日は無いとはっきり明示もされていたし
明日か明後日は、ローテーションという意味でも人数が13人名でもあり名は上がるだろうと思いつつ寝袋に身体を潜らせた
ピピピという音と共に、起きて座席の方面へと戻る
夕食の配食の時間と共に作る奴だが、今日は殆ど寝て過ごしたから腹は減っていなかった
まぁ全員分であれば3日分しか無いし、俺の分は後で消費しようと思いつつ………何事も成長と呼ぶものは早いもので芽が出つつあったポテトの皮を毒が怖いため厚めに剥いてから千切りにする
フライパンの下に油の代わりに、溶けるタイプのチーズを全面に散らしてから切ったじゃがいもを敷き詰めて焦げないように気をつけながら焼いていく
そう言えば、こんな事を初めたのはいつ頃だろうかお金を稼ぐための飲食店のアルバイト(飲食店以外もアルバイトはしたことある)やらでは厨房に毎回入っていたが大体は揚げたり焼いたりするだけの最終仕上げのものが殆どだったし
違かったのは、高校生での初めてのアルバイトで店長の年齢で店が閉まった近所の中華屋ぐらいか
生活の為の調理としては、やっぱり将来が見えてくる大学3年生辺りでやりたい仕事絡みで家を出る事=一人暮らしを始めることになるから
積極的にお母さんとかに、家事やらを教えてもらって覚え始めたと思う
完全に黄色から茶色にチーズが焼けて、じゃがいもの表面もチーズの油で揚がったようにカリカリに仕上がった
それをまな板に移して、等分に切ってから爪楊枝を添えて持って行く
会社支給の配食と一緒のタイミングで置いた後に
「少し言っておきたいことがあるんだが、これ今日含めて3日で終わりにするそのつもりで」
俺はそう言った、思ったより騒ぎになった
………何度も俺が買ってきた物と言ってはいたはずなのだが、まぁ止めることだしどうでも良かった
今日は動いてないから、そこまで腹も減ってないし足りるけど次からは補食の為の金もないしどうしようという考えだけが頭の中に残る
第三期ガリバーの人格抽出(投票が多いほど優先度↑)
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鉄工会
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ぽんぽん
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南部セブン協会
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マリアッチ
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剣契
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LCCB
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黒雲会
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G社
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南部ツヴァイ協会
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南部センク協会
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南部ディエーチ協会
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薬指点描派スチューデント
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T社徴収職職員
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中指
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西部ツヴァイ協会
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東部センク協会
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北部ヂェーヴィチ協会