バスの囚人に転生したぞー!   作:カンジャリ

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眩しすぎると見えない、暗くても同様

暗い中、ずっと雨が振り続ける様な水音が響くその水音は機械の液漏れの様な血液や壊れた部品が飛び散った様な臓物が踏まれる随分と血なまぐさいものでしか無いけれど

 

「………」

 

ドンベクは傘を、囮にして

己の身を固く押し込める

 

元となる幻想体の力の違いそして回数と執念の結果だろう技巧こそ、マリルとは比べ物にもならないが………その守りはあまりにも脆くそして同時に自らを蝕むものである

交戦こそはすれど、此方側は明確に手をかけることもなく

 

「ガハッ」

 

恐らく、ここに来た時点で隠れていたとはいえ限界が近かったのだろう俺達によって追い詰められたとは思えない吐血が床に垂れた

ドンベクは、床に膝をつくが直ぐによろけるように起き上がる膝をつき続ける訳にはいかないのだろう

ウーティスは勝機と見て声を張り、ファウストはegoを酷使し過ぎたと原因を告げる、ドンランもドンベクが追い詰められていると見るからに認識していた

 

ドンベクがどう返そうとも自分が作り上げたものをあの時のように見せたかったのだろうサムジョがアルフォンソが止めてても損失が勿体ないと言う言葉で誤魔化しつつ明かりをつけようとしていたから

 

「君の絶望は、どれだけ大きくなれるんだい」

 

ドンランのその声は、好奇が入ってた気がする

今機械の淡々とした、報告の後明かりが灯る

強い光で一瞬だけ目が眩み、その間に悲鳴が周囲に響いた聞いたことがある悲鳴

なんでわざわざ撮影なんてしてたのという答えが、ここで示される都市では残酷が風景自体に価値がつくものになるW社のワープ列車の光景もここで使われてたりしそうだ

 

アルフォンソが言うには、取引で足元見られてきているとかで取引量自体ドンランにより減ってはきているだろう

イシュメールは真っ先に音に反応して、グレゴールは画面を見る

 

「K社の原液の、作り方がコレか」

 

画像に映されるのは、幻想体が巣の真ん中で暴れ出す姿ドンランもドンベクも脅しを本当に行うとはなんでそのまま通したと互いに理由を押し付ける様相を見せていた

一応ドンランの方も、幻想体をどうするかは考えていたらしいウンボンチキン屋の件でのテストやN社の異端審問の件も踏まえた上でリンバスカンパニーのバス部門を使おうと

 

それを示すように、愉しげに画像を変えてK社の巣の一部で起きた異端審問の件の投影がされる

 

映されている映像はK社以外の物はなく、自身でつけた傷を涙としてタラタラと流している様に見えた

 

死んだクローマーの声と共にシンクレアが見たくないと酷く怯える、ロージャも残酷だと改めて伝えるそんな普通に心が動かなかった悲鳴もパチパチと燃える音もここでだと更にあくまで映像でしか無いからだろうか

映像の時点で、それが真実か分からなくなる

 

俺にとっては、目の前で起きてようと此処においてそれが全て嘘にも等しいのだが

 

ドンランは、話し続ける

 

ドンベクは、もう何処も見えてないのに

 

最も心を揺さぶる者は、自身だと勘違いして………まぁそんなもんだろう大概言った時点で真に的を得る事は無くなるのが対話だから

多分こんな時に、俺が言える言葉は

 

カンテラの中の火が、青く揺れる

 

「綺麗な花だね、他人事だけどそう思うよ」

「………そう、お前には私が見えるのか」

 

ドンベクは、まだ揺れ動いては言えど微かに見えた水面にも写らないような姿を文字通り花と評した俺にそう見えることだけ言って視界が変わり戦いへと移る

動くごとに彼女の後には、花弁が散っていく

 

"都市に限らずこの世界において"は、意志の力は強大だ先程まで死に体だったのにいや、死に体なのは変わらず人一人が目立った技術に頼らず出すとは思えない動作が行われていった

 

「花見する余裕もないな………、都市ではあぁいう綺麗な花も珍しいというのに」

 

筆を持ち、ドンベクが打ち出す線をなぞる様に打ち返していくその間にまだ空間は、世界は、変わらない彼女の心に塗りつぶされていない

そんな事を思っていれば、打ち返しはせど攻撃に入り込めない俺に対してイラつきを覚えたのかウーティスが飛び出し

 

「ガリバー!お前は毎回そういう事言っている場合ではないと言うのにっ」

 

そんな事とは言うが、そういう事を言っても言わずとも現状は何も変わりはない

そんな言い合いも、ドンベクには耳にも入らない人格によって同じ花を纏ったイサンの方に確かに目を向ける最早彼女には絶望も驚きの姿も見せなかった

 

黄金の枝の力かそれともドンベクのegoか、その両方か全ての苦痛すら飲み込むように、セピア色から黄金に花が舞って散り水は透き通り小鳥の声が響く

 

「うん、やっぱり綺麗な所だな」

「………そうですね、ガリバーさん」

 

シンクレアは、恐怖心こそあれ同じだったのか同意を呟く様にしてすぐに走っていく

俺は久しぶりに心地良い陽だまりを見つけた気分であったが、いるべき場所ではなく、ずっと居られるような所でもないそう見切りをつけて進む

 

ドンベクは、美しいままに干乾びさせ見た目だけを保ち続ける死骸としての乾いた花ではなく、いずれ枯れ実をつけ次の生への種を落とす生花に自らを重ねたのだろうから

 

弾丸も飛び交い、小鳥の囁きなど掻き消えた戦場透明を保ち続ける水辺でさえ自浄を失い赤黒く染まって

あぁ結局杞憂だ心配しなくても、心地の良いと思えた場所は消え去っていく

 

互いに確かな大小様々な傷を負っていくが、囚人達は一人また一人と、強い花の匂いに惹かれる様に花弁に足元から絡め取られて動けず、足元がおぼつかなくなる

 

「この戦闘には勝利するでしょう」

 

そんな囚人達を一喝するように、饒舌に話すことはないファウストが確かな言葉を口にする

 

黄色い花が咲き乱れる世界が一瞬だけ染まる、暗い深海のような世界

 

仮初の自我でも、ドンベクの為にある世界で蠢くように抗うこと自体は出来るのだ

 

確かに花をつけるだろう、幹達ごとドンベクを巻き込む………そんなことは分かっていると言うように殆どの傷を受けず、確かにこちらを見て次の手を思案するのが見て取れた

 

その時ドンベクの目が、イサンを確かに捉える

イサンは目を逸らすことはない

獲物同士の撃ち合いが始まるが、捉えたもの以外は仕掛ける前だろうと影響をわずかにも彼女に与えることは無い

散りゆく者を決める為決闘が始まり、目標と定めたイサン以外の部外者は全て観客として閉じ込められる

俺はここまで開花することも無く、初めて近くで花を見た

 

思考は異常なほどに鮮明さを保っている

今出来る事といえば、祈りただ待つだけなのだが………

 

負けたら私が出る必要あるからね、彼を此処から離すだけだけど

 

「おっと………!?」

 

あぁ無事、勝ったみたいだね私としても良かったよ

 

 

閉じ込められたのは、始めてなせいか花の香に俺もやられて意識が朦朧としていたらしい

決闘が終わり、傍観者達はやっと再度舞台に立つことが赦された

 

だが誰も、囚人は勝機とみず手を貸そうと動く者はない………決闘を挑まれ勝利したイサンが、止めていたのだろう自らの手で終わらせる為に

イサンとドンベクは、何かを誰にもドンランにも聞こえないだろう事を話した後イサンがドンベクに対して動いた後明確に彼女の為の世界は、枯れ落ち此処に散った

 

世界が戻る

 

「こう考えるのはどうかな?」

 

息だけをしている、ドンベクにドンランが近づき服を調べながらN社の最初の九人会と比べると名だけ借りた新しい九人会が発足された事やクボについて雑談を始める

その最中に彼女が持っていた黄金の枝を、見つけドンランは手に取り………

 

「さぁ咲き誇るのはやめだ、ドンベク」

 

そのまま突き刺した、イサンの時のように心臓まで深く深く達している事だろう

イサンは直ぐ様駆け寄り、ドンランに問いただすが碌な答えは返ってこないだが聞くほどに、彼女の死は重いものだったのだろうその理由の先は知っている

 

実を為す為に、枯れるんだ また芽吹くよ

 

呟いた言葉は、確かに俺の言葉だったが何かと混ざっている人格でそんな事を考えるような人格使っていたかな?と思いながら

新しく涙を流すように、枯れゆく花の様子が終わった悲劇として投影されるのを眺めていた

5期ガリバーの人格抽出(投票が多いほど優先度↑)

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