バスの囚人に転生したぞー!   作:カンジャリ

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進まなければ

コツコツと幻想体が閉じ込められていただろう場所への階段を上がる、白く変色していない場所は目に当たる限りない

さっさとその光景が当たり前であるという事実を思って先に行くイシュメールとその後ろを異常と感じながらついて行く囚人達とダンテその間に居る俺と言う立ち位置だ

 

俺は滑り止めがついている手袋で、手摺りを掴みながら下に気をつけつつ踏み進める

 

「うーんなるべく手すり触りたくないなぁ………けど地面何か滑りやすくないか?」

「えぇ、少し歩きにくいような」

 

まぁ蒼白な鯨の影響だからなぁ………

潮風の影響に受けそうにない内でも乾いてなくて湿ってる所がある辺り、本当に最近来て襲われたばかりなのだろう

 

「うぅやっぱり気味が悪ぃ………」

 

足取りはとても軽いものではない

ロージャは、靴底にへばりついた白い何かを不快そうに一瞥してから黄金の枝の行方を感じる事が出来る管理人の方へ近づく

 

「どう?ダンテ、黄金の枝………感じる?」

〈まだかな………?〉

 

管理人が返した返答は、至極当然な事

合っても無くても、それが本当に無いのかはたまた遠くなのか分かるはずも無いのだから

 

それに、先を不安に思う者たちはロージャの内心の思いに同調しているのか複数のため息が重なったように聞こえる

 

「黄金の枝が無くても、LCCBの人達がどうなったかは知らなくちゃならないだろ」

 

俺は何となくパイロットとの件もある事を忘れるなと思ったのか、純粋に黄金の枝自体は確認されたのだから無くなったのならば何処へを調べなければならない事には変わりないと思ったのか自身でもよく分かってなかったが首を傾げるようにいつの間にか言葉にしていた

 

「管理人様も、あの者共を思慮なさっていたからな」

「………えーでもなぁ、なんか私こういう場所に行くたびに騒いでる気がするけど普段よりなんか嫌な予感ってのがする感じがない?」

 

それにウーティスも頷く、様子を見たロージャは一旦立ち止まり周囲を見渡して身を震わせていたそれを呆れて見て切り捨てるイシュメールに対してグレゴールは何を思ったのか海特有のなんやらかんやらで共感を求めるが

先に進むでいるイシュメールが真っ先に手につけられたドアノブをとって、中へと誘導するようなガチャリという音がたち静かな空間に響く

 

断固たる拒絶を意味していた

 

「取り敢えず武器の準備はしないとな、ここはロボトミー支部だ幻想体は居るだろ」

 

扉はずっと開きっぱなしだ

 

中を覗こうとしても、目に見える範囲では只広い空間が広がって更にイシュメールが足を止めずにどんどんと先に進み遠近法的に小さく見えていくだけ

カンテラの紐を緩める、それなりに間が空いたはずだが中に入る囚人は居ない………隠すようにため息を一つついてから俺はカナリア扱いかと思って渋々U社のL社支部へと2番手に入り込んだ

 

進んでも、白い付着物が蔓延っている

 

ゴリゴリと興味本位で少し削ってみたが、俺がやった所はちょっと白い粉が出るだけで血も何も無い文字通り白いだけの何かだ少し含んで見たが変な味はしなかった

一応すぐ吐き出した

 

「………なにやってんですか」

「イシュメール、わざわざ話しかけるなんて何というかうんちょっと気になっただけ」

 

その様子が目障りだったのか、イシュメールが片目だけ此方を見て呆れたように話す

俺は、なんとなくと話せば言いたかっただけなのだろうスタスタと先に行っていた………機嫌を損ねるようなことをしたことは確からしいまぁ今イシュメールは虫の居所が常時悪いから気をつけても仕方ないことだろうこれからもっと悪くなるし

 

「お前何したんだわざわざアイツが話すなんて」

「あー吐いたけど、味しなかったよイシュメール的に流石に口に含むのは珍しかったらしい」

「………⁇」

 

ヒースクリフが話しかけてくる、さっきの光景が目に入って気になったらしい少し考えてからイシュメールが気を損ねた原因だろうことを適当に話す

宇宙が浮かんでいる様な表情を浮かべていたが返答はイシュメールの様に俺は聞かなかった、先に進もう

 

先に進んでいけば、ドンキホーテが恐ろしいものを見たような声で立ち止まる

合わせるように複数人の足が止まり、皆一点を見てそれぞれ話しをしている様で今の立ち位置から少し戻り見られている壁を俺も見た

 

「うんどうしたんだロージャ、ドンキホーテ………みんなまでってうわぁ多分災害の影響だなコレ

 

そんな幻想体なんて、居ないだろ?」

 

知っていて見たままの光景が広がる、ドンキホーテが生きているとは言っているけどコレを生きているとはっきり言うのは難しそうだと思った

何処かの漫画の、石と混ぜ合わせられた男の1回目ではなく2回目に近いと思う

 

混ざってるあたり、一応消化はしてるんだな蒼白な鯨は………栄養取れるのか分からないけど

まぁ吐き出すと言ってもいらない物を出しているという意味では、嘔吐ではなく排泄かも知れない消化率とか吸収率が100%の生き物なら排泄の必要はないだろうけど今更だけどだいぶ汚いことを考えてるな

結局生き物の跡の話だしなぁ………

 

「そう言えばまだ幻想体に、遭遇してないですね」

 

何となく口にした事に、シンクレアは辺りを見渡しながら反応を示した

だいぶ奥まで進んだはずなのだが、俺達は此処まで幻想体には一切接触が無い事に改めて気が付いたらしい

 

「ロボトミー支部なんだろ?俺達がまだ会ってないだけの可能性が高いだろ」

 

そのシンクレアの言葉に、グレゴールは頭を掻きながら俺の方を見つつロボトミー支部だから幻想体がいない訳が無いだろと言うように嗜めている

俺はそれに、それはそうだなと目を逸らすような振りをしたらグレゴールは少し面白いと思ったららしい空気が抜けるような笑い声がした

 

黄金の枝から壁の話等々、脱線していく内にイシュメールはたむろってる俺達を呆れたような目で一瞥して管理人に向けて早く進む事を進言している

 

「ここなら湖の法則を気にしなくていいから、もう少しゆっくり行っても………」

「見回した所で誰も居ないでしょうから」

「まぁ波の影響を受けないと言ってもココは危険な場所には代わりはない、注意を前提として早く行く事自体はいいんじゃないか?」

 

イシュメールの言う通りでは無いが下手に長引くと、ロボトミー支部で話が終わる前に中指の末兄ヘアクーポンが来かねない事も事実だしなぁ

ここら辺やっぱりクジラの中に入ってからもタイムスケジュールが、かなりカツカツだし………

 

俺が知っている前提を除いても、危険な場所に興味だけで長居するのはいただけない所があると思う

 

〈ガリバーは、イシュメールと同意見なんだね?〉

「いや同意見と言うより、純粋に危ない所にずっと居たいか?

放棄されたロボトミー支部が危なくないと思っているなら前提が異なるが」

 

管理人は、俺がほかの囚人とは少し様子が違う事が気になったらしくイシュメールも交えた様な問いを投げかけてくる考えるふうに見せるまでもない

当然であり当たり障りもなく、本来であれば頂けないが問いを問いで返した俺にとっては何故か都市にいる時点でずっと危険な場所に放り込まれていることには代わりはないのだが

 

危険な場所にも、ある程度の差はある

 

それを分かりきらないほど鈍くはないし、バスの中で過ごしてから時間はそれなりに経った

 

〈必要なこととか色々あるから仕方なく入る事はあれど、私も居たくないかな〉

「それなら、同意見だな 三人とも」

 

少し考えるように間が空いた、管理人は俺と同じ様に思っているらしいと

なら管理人もなんとイシュメールと同意見らしいこれは珍しい事だ

 

そんなおちゃらけたような、内心が漏れたような返答だったらしく

 

〈ちょっと暴論じゃないかな?〉

「管理人が言ってる事はそういう事だぞ」

〈………〉

「アレと一緒にされたくはありませんね、管理人様」

 

直ぐ様暴論と返される、ならば管理人が言った俺がイシュメールと同意見だろうと返したのもまた暴論だろうと笑えば管理人は次の言葉がすぐに出なかったが

イシュメールが、俺と一緒にされたくはないとはっきり明言した………いや等々俺はガリバーですらなくイシュメールにとってアレになったらしい………

 

俺は"ガリバー"では無いが、アレ呼ばわりされるのは少し悲しい気はするいや誰か分かるような状態なら別に困ったとかは無いんだけどさ

誰が誰だが分からないのが、一番困る

 

「けど、ここに生きてる人がいるではないかっ!」

 

そんな風に話してイシュメールや俺以外の囚人達も進む心持ちを整え始めているだろう中で、ドンキホーテだけがまだ壁の近くで立ち止まっていた

話の流れが、支流から本流へと確かに切り替わる

 

見知った会話が続き、俺は暫く黙った

 

ココから暫くまるで周りの囚人も居ないようにイシュメールの独白が続く

精神が不安定なのか、安定を求めているのか自身の事を言うのが好きな様だ………開示しなければ"そういう物"として成り立たないだろうから仕方ない部分もある

 

黄金の枝の中和で、人に戻れるかもしれないと言ったが後でここの人魚達は黄金の枝の一種の機能実験として回収でもされるのだろうか?

考えついたが、内側だけで留めておく火に油というか何というか流石に言ったら不味いような気がするのは分かる

 

俺の目の前に青い光が、通る

 

そして水溜りに、最初からいたように優雅に落ちた

 

「青い光か」

「蝶ですね」

 

ファウストと俺の言葉が丁度重なり、ハッキリと発言したファウストの方の言葉に俺の言葉がかき消される

 

周りを見れば、困惑を示していたが………その光の誘うような動きと管理人の一言でイシュメール含めた全員が追うのに同意の空気を出していた

俺は、求められる様に最初に歩みを進める

 

結局それが、後ろの自我を飲まれた多くに止められることを知りつつも

7期ガリバーの人格抽出(投票が多いほど優先度↑)

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