バスの囚人に転生したぞー! 作:カンジャリ
またぐしゃりと、頭がつぶれる音が響く
自我が破れた隙間から吸い出される、そして全て無くなった暗い世界で何処かのヒースクリフが言ったような時計の音を感じる
あくまで彼は貸してるだけだから
いくら時間が経ったのか、今が何があるのか俺に分かるわけでもない一つ言えるのはきっとここは、ダンテの見る地獄の門の先ではあるが………俺が思うあの世ではない
あの世ならば、俺は好きな所に行ってるだろうから暗い所はわざわざいる程好きではない
クソったれな場所に来てからで言うならは、嫌いだ
彼の居場所は、ちゃんとここにあるのに
時計の音が、不快に響く また戻るのだろう
それが不運か、幸運か、表現する言葉は持ち得てないけれども
「オェッ」
目が覚めて視界がちゃんと認識できるようになった瞬間、目の前に黄色い液体が広がる
ダバダバ出た吐いたベチャベチャと、音が出る程に
血が出ていないし混じってもいない辺り、本当に身体だけは中の中まで綺麗サッパリになっているのがありありわかる
………またego使われてないあたり、戦闘は終わったのだろうかうん思いっきり吐いたが身体だけは元気だ
そう思い込みながら、嘔吐物から目を逸らすように周囲を見渡した
「大丈夫ですか?ガリバーさん」
「………うーん、少し身体がまだおっかなびっくりしてるみたいだそれだけだから安心しろ」
すると、シンクレアが近くで死んでいた様で覗き込む様に顔を見せて大量に吐いていたオレの様子が可笑しいと感じたらしく気を使っていた
俺はまぁ管理人のおかげで、肉体は大丈夫なのだからそこで言うのは可笑しいだろうと普段よりも精神状態と肉体のギャップが酷くてびっくりしたんだろうと笑って流す
〈………ガリバー流石に、私もキツかったよ〉
「ははそれはすまん、俺はコレしか思いつかなかった」
俺が起き上がった際に、管理人が此方に寄って来て疲れて不満の様にあのegoの連続使用はキツイことだと話してくる………管理人も最終的に自爆するかしないか考えてただろうになと心内で収めつつ俺にはコレしか思いつかなかったともっといい方法があったらやって言ってくれ
ソレが管理人の仕事だと平謝りしつつも話す
「おーまさかっまさかっ!!もしかしてフィクサー様でありまするかっ!」
「………元気だなドンキホーテ」
そうこうしていれば、俺達以外にも意識がハッキリとし始めた囚人達がちらほら現れてきてドンキホーテの意識がしっかりした瞬間ローブを被った男に対して正義偏って見なし真っ先に駆け寄った
ペタペタ触れない辺り一応の距離感は、ちゃんと理解しているようだ
グレゴールは一際大きなその声に、耳を塞いでる
ファウストは、そんな浮ついてるのか緊張しているのかわからない混乱した空気感の中でローブを被った藍色の老人に声をかけている
腕時計を見て、時間の経過を改めて確認すれば30〜45分程度あの戦闘という名の中指末兄蹂躙劇が開催されていた様だった
交渉の話し合いとして1時間程度あればまぁ、ある程度は纏まるだろう
「なにぃ、ヒースクリフあんた髪の毛でもきっちり決めたかったのー?普段ああなのにー?」
「………」
「気にしないような人かと〜」
今回の元凶であるヒースクリフは、ロージャとホンルに茶化されて何も言えないとても珍しい状態になっていた
………まぁ下手したら囚人全員が足蹴リンチ状態になってもおかしくはない為むしろその二人がその状態になるのを恥による晒し上げという形で防いでるのかもしれないが
「後一時間程度ここに待つ事にななりそぞ」
「うーんそうだな………」
イサンが、その各々行われる会話に入りたそうな目はしていたが体力的に持たないと判断したのか
まだ潮が下がらない、緑色に満ちた太湖を眺めていた
俺は折角なら、横にでもなるか?とイサンの横で体を倒し雲に覆われた灰色の空を見る
最近空の晴れた姿を見たことが無い、タイミングの問題で此処で晴れた時に顔を上げた事が無かったからかもしれないが
いつの間にか、イサンも横になり無言が続く気まずくはなかった話題もなくただ横になっているに過ぎないから
藍色の老人を囲う者や管理人に集まる者や今回の元凶を突っつくものそして、俺達の様に無言で横たわる奴
それらが全て、音の方に向いた
………ヴェルギリウスも、中指と海賊団が大量に去った光景を見てある程度俺達が向かったここの旧L社支部起こっていることが察しがついたのだろう
尚藍色の老人が居なければ、手遅れで管理人お手製の綺麗な星の輝を見せる所あったが
うん距離的に下手したらヴェルギリウスとかカロンとか巻き込まれたりしてそうだな………管理人の自爆時には距離的に俺は確定で死んでるしその後の事として知った事ではないけど
「取り敢えず、現状の説明をファウストさん」
「はい、協力者となりうる人物についても」
U社の旧L社支部に、メフィストフェレスが付きカロンが俺達の乗った小舟を回収していく
ヴェルギリウスは、バスボートから降りた後しっかりと藍色の老人に目を向けてからその横にいるファウストに現状を問いかける
ファウストもある程度特色である藍色の老人との話が纏ったのか全く言い淀むことなく返答を返していた
現状を理解する為だけの軽い話をして、本格的な話はやはり屋根がある所と言う流れになりメフィストフェレスの中へ藍色の老人は案内される
「にしても意外だなファウストさん他の囚人でもない、貴方がこんなむさ苦しい場所まで「大物」をお連れするとは」
「作戦に投入すべき人物と判断しました」
さらっとヴェルギリウスとヒースクリフの個人面談n回目が決定しつつ、ファウストさんにも皮肉を漏らす
まぁ他の囚人も、おんなじ事をやるだろうと思っているから全方位攻撃ではある
割と女性と男性半々であるから、概念的にはむさ苦しくはないがまぁ女性と言ってもなぁとは言ってはいけない
「理由は」
それは、藍色の老人から答えられる
「儂がその蒼白な鯨を捕まえられる唯一の者じゃろうから」
声は震えも一切なく、当たり前という様に同時に浮ついた根拠のない自信のような空気も感じられない
同じ特色として、赤い視線もその言葉に同意をしめす
その老人の特色としての名前と共に
ドンキホーテが、正義のフィクサーだと思ってたが更に特色であることに興奮して過呼吸になっている………一応その後共闘はするのだがまぁほぼそれぞれ単独だから問題はないか
その後話は続く、同じ獲物を狙う者同士として
共闘するのはいいが、ろくな提供材料が無いとしてイシュメールの案が馬鹿馬鹿しいと笑われることもなく一種の提案としてあり得ないとヒースクリフに一周される程の提供材料の無さだ
最も此方で最大限提供できる者としては、赤い視線の参戦があるがソレがなったら藍色の老人は参加することはなくなるからな
「うーん………まぁ鯨の中に入るのは良いが、出る方法あるのか?鯨の肺で煙でも燻すのか?」
「………」
俺は否定する訳でもなく、これから更に旅を続けるのであれば管理人含めて生き残る必要はあるが………ソレは考えてるのかとイシュメールに聞く
黙り始めた辺り考えてないだろう事は、何となく察せられるけど
話は、否応なく続いていく
「少し聞きたい事がある」
「お主から、聞いてくるとはな」
囚人達が、各々準備を始めた頃ヴェルギリウスは藍色の老人自身の船で釣りの準備をしているものを見ながら声をかける
口数の少ない藍色の老人も、無視する訳でもなく話として聞き返している
「俺が参加しないのは良いとして、管理下だろうともアレを認めて良かったのか」
藍色の老人と囚人達の会話を聞き、ヴェルギリウス本人が参加しないのであれば蒼白な鯨狩りに参加しないと話すが………"ソレ"を言うのであれば囚人として切離せない"アレ"がいるのだから
「アヤツのぉ………アレは、誰の味方になり得る事もない故に儂の限界を試す邪魔にもならんし助けにもならん
逆にアレにとっても同じじゃろうて」
アヤツをアレと言い直し、藍色の老人は続ける誰の助けにもなり得ず誰の邪魔にもなり得ない存在故にどうにもならないと
………囚人としても、蒼白な鯨を狩る者として助けにならないと切り捨ててるような文言であるが
「アレなら、それもそうか」
ヴェルギリウスも、藍色の老人に同意するようにそれもそうかと静かに頷き何もなく飽きて鼻歌を歌い始めたカロンの方へと戻っていく
「まぁ下手に手を出さなければ、此方にも手を出して来ない毒にも薬にもならん存在ではある
本当に分かりやすく、分かりにくい」
立ち去る背後に藍色の老人何処かどうしょうもないモノについて語る様に呟きながら、小舟の中硬い縄を銛に締め直す
その光景は、あっちはあっちで忙しい管理人にも囚人の誰の目にも入っていないだろう話している二人の当事者以外には
酷い認識だよね泣きそうになるよ
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