バスの囚人に転生したぞー!   作:カンジャリ

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溶けねーかなコレ

俺達は、ひたすらに走る

液体がビシャビシャと音を立てて………いや粘液質な所もあって水じゃなくて何かがぶつかる様な音でもあったりする

 

近いと言えば、突然滝が現れたと言えばいいだろうか?そんなに呑気でいられる状況ではないって事だけは確かだ

 

「うわぁぁ我が正義の武具が!」

「なるべく隠せっ、これで人魚に仕掛けられたら戦えるのかもわかんねえぞっ!!!」

 

ドンキホーテが軽々と手に持っている太いランスが、シュワシュワと胃液に触れて泡立つように溶けていくのを見て慌てその近くにいるヒースクリフはその前に肉体がおさらばするのが関の山だろうけど持っている武器が何もかも溶けるのは困ると判断したのか

いつものように肩に掛ける様にしているのではなく、前に抱える様に持ち方を変えた

 

「それは大丈夫そうだぞ、人魚も綺麗さっぱりだ」

「"も"って言ってる場合じゃないですよ?!僕達もそうなったらいけないんですって!!!」

「現状では同等の状態に、なりうると推定」

 

俺は、ホンルと一緒に肉の膜を被りながらコケない様に走りつつ後ろを見ればさっき戦った人魚の残骸とノロノロとこちらを追おうとする人魚達が溶けて消えていく様子が見えたので

 

今度は、何が取れるですかねー

殆どが木とかの木材だ、それと少しばかり溶けた鉄、眼やないし金はほぼ無い

 

この状態では人魚達も仕掛けられないだろうと、話せば

シンクレアがここに来てからよく見せるような表情であの溶ける人魚達のようになってはいけないんですってと叫んでいた

 

荒げる様子もない、ムルソーの声と対照的に

本当によく響く声だ、いやムルソーにも焦りは見えるな明確な命の危機だからそれはそうとも言える

だんだん俺とホンルが被った肉の膜も、酸の中和機能を失いシュワシュワと明確な音を立て端っこに穴が所々空き始めていく………

 

いや金貨なら船長からもらえるじゃないですかっ!

「コレもう使い物にならないかもですね〜」

「そうだなー」

「やっぱり結構持ったじゃないのっ!私もう溶けちゃうっ!」

それもそうだ

船長のお眼鏡に叶うものならば、ボーナスで更に金貨1枚も追加だ!もし金を見つけたとしても船長に見せたほうが多く金貨をもらえるっ

 

俺とホンルは、思ったより持ったなという感情か早く使えなくなったなという感情かそれともそれにすらなににも思ってないのか俺にも分からないまま

もうすぐ使い物にならなくなるだろうと、認識を共通させていればロージャは羨ましいのか恨めしいのかせっかく整えた髪がヌルヌルと酸に侵されていくこともあって少しでも持ったのなら良いじゃないと突っ込んでいた

 

ひたすらに、走り続けていれば規定通りの運の良さで

蒼白な鯨の消化不良物と他の囚人達の会話が互いに聞こえ始める距離になってきたらしい

 

いやぁこれまた不思議な光景だな

不思議というよりかは、怪しいんですけど

「感嘆の声が大き過ぎたせいで、全員が私達の方を見てしまいましたね」

 

ダンテにもしっかり聞こえ始めたらしい

 

〈誰だ………?〉

 

殆どの囚人全員が、声の主達に顔を向けるために上を見始めた

 

「お前たちしゃべったよな」

「あぁ!鯨に呑まれちまって、今消化されかけてる」

「話したれど、人魚かもしれねど」

 

簡潔に、俺達が今置かれている状況を話せばイサンが真っ先に止めてきた

それに従って素直に黙る

 

「それは見てわかる、おれたちは人魚じゃないこんなにしゃべれる人魚みたことがあるか?」

 

こんなにじゃないけど、喋れる人魚は見たことあるなU社の旧L社支部でとダンテの方を向いた

 

〈………ガリバー、私は人魚じゃないよ〉

 

目線をそらした

 

「彼らは白化現象が一部のみ進行している」

 

そして相変わらずムルソーは、目が良いらしい

蒼白な鯨の特徴である白化の進行が全て進んでいないと何を思ってか言葉に出している

 

彼らの正体がなんなのか?そういう問いかけも意味もなく、彼らに引っ張られるかそのまま養分になるかの問いには投げられた縄を掴む他無かった

 

「取り敢えずそのうち酸は引くだろうし、先に管理人行け」

「その次は私だな」

「まだギリギリコレは使えるだろうし末尾は、俺が進む」

〈じゃあ先に登らせてもらうね〉

 

鯨の肉体の一部で出来た縄を、管理人から次はウーティスその次は………とどんどん手繰って登っていくロージャはその縄ができた素材に嫌悪感を抱いていたのか登ったのは末尾となる俺の前だ

鯨の胃壁はそれなりの高さがあった

 

やっとの事で全員が、胃酸が登ってこないだろう場所へと着いた所で真っ当な?会話へと移る

もういらないだろうと、胃壁の肉壁を上がってきた酸にポイ捨てしようとした所

 

「あぁもったいない、必要ないなら俺たちにくれよ」

「うんいいよどうぞ」

 

そう止められた、効力が少ないのに何を言っているんだか後先はないからそれをどうしようとどうでも良いと用が済んだ物を手渡した

あっと気になって、手元にあるカンテラを見れば少し胃液がついたような液体は見えるがシュワシュワと泡を立てて溶けている様子は全くない縄も同様だ

 

頑丈さだけはあるな本当に

ちゃんと使える武器でもあるのに

質屋でT社の技術かなんやかんや言われていたし保護の為使われているのだろうかまだ溶けずに健在な腕時計を見る、だいたい今の流れで30分程経った………交戦や交渉諸々入るとして心臓までのエイハブの作戦に乗るとしてそれに使える時間は5時間程度になるだろうと見る

 

「結構慣れてるし、先住民?らしいのは確かだなココには何時から生活してたんだ?」

「うーんもう忘れちまった………日も何も登らねぇしなだけどこんな生活からもすぐにおさらば出来るんだ!」

 

俺は端がボロボロになった肉の膜を渡しつつ、軽く聞き出すがそれすらもよくわからないと焦点が合わない目で返してくる

イシュメールが囚人になってから1年は経っている事は確定として、それまでの時間も含めれば1年半程度と見るのが良いだろうが………此処で他の遭難者の缶詰を上手く掬えたとしても全員分の確保は、どう見ても無理だ

クジラの肉を食って生活していたとなると食生活は極寒の地でビタミン等を壊さないように加熱加工をせず新鮮かどうかは疑問が残るところもあったけど生肉を食らうイヌイットなどに近い様相になるだろう

味は、悪くはなかった 美味しいとは感じなかったけど

 

その間に全員が無事に、頭数を減らさずに過ごしたとは確実には言えないのも確かだ

衛生観念諸々除いて業務での胃酸とかのうっかり死とか多発してそうだし

 

全体から見て取れぐらい残ったんだろうか

 

「まとまってるし散ってるわけじゃないだろ?」

「あぁっ!俺たちの船長の街があるんだ 船長に報告しないとなあぁ金貨何枚貰えるのだろう」

 

当然連れて行かれるのも、そこだろう

何されるのか分かったものではないが、唯一会話から察せるのは何か重大な決定が行われたあとでそれで浮き足立っているぐらいだろうか

 

………吐き出すという生態活動があるのだから抜け出すのならば心臓を抉るよりも、外界へ吐き出す作用への注目をした方が遥かにいいように見えるけど残った頭では船長に沿わない考え方を持つ殊勝の事を考える奴らは敢えてでも残されても居ないだろうし

 

後ろに付く、管理人や囚人達と対照的に俺はその群の集団溜まり場巣に行く道中を縄を投げた3人と話す

 

「金貨かぁ、それは良いなぁいくら外の物価が上がってようとも金はいつでも価値がある物だし」

「外に出たら、やりたい事が沢山あるんだ!まず換金所に行かないとだけど」

 

社会は金を金として、商売で扱う物はほとんど居ない

紙幣を金と交換できるとして価値をつけた時代はあったが、金そのものを引き換えるには重さも混ざり物の分別も手間が掛かりすぎる

 

「へぇ、なら換金所教えてやろうか?おそらく目ぼしい所は殆ど変わってしまってるかもだし」

「あぁ!それはいい」

「金貰えるとしてある程度の時間は掛かるだろうしなぁ、その後に頼もうかな」

 

俺はそれに、金を眼に変える場所を教えようと笑うエイハブも一年以上クジラの中だ流石にエイハブ船長よりもその辺はすぐに外から来た人の方が話の信憑性としては上だろう

知るわけがないが、地図や地理的な面ですぐにそういう情報を知れる所にいるそれだけでもそう言ってもいい

 

根も葉もない嘘を付くのは苦手だ、ある程度実行性がないと

 

「ずっと鯨取りしてきたんだろう?そんだけお金が出来たんなら他のU社以外に巡ってみるのもいいんじゃないか?」

 

6時間以内に全員口止めさせる面でも、情報を精査しつつK社での新しい美味しいチキンやJ社でのギャンブル等その他イシュメール以外の他の囚人流し見していた観光パンフレットの情報を漏らしつつ

なるべく自身を友好的に見せていく

 

金が無いなら、金持ちの道楽の嫌味としか思われない可能性はあったが出ることとその得るはずもない金の使い道の提供と思えば悪くは思われないだろう

 

「けどやっぱり最初は、マカジキの空気吸いたいな………ろくな飯が食えてないんだ」

「人数どれだけいるか分からないが、まぁ協力者として店の飯じゃないが出たら作ってやるよ」

 

ここから出れたらの話だが

 

「えっお前飯作れるのか?」

「全員缶詰は、嫌らしい」

 

後ろから付いてくる、囚人達をチラッと見て呟いた

 

「おいあいつあんなに得体のしれない奴らと仲良さそうにして大丈夫なのか?」

 

ひそひそと彼に聞こえないようにヒースクリフは、周りの囚人に呟くシンクレアは何処かげんなりした様子で

 

「ガリバーさん、U社の巣の換金所の事知りませんよね………?回った先と言っても確か旅行パンフレットに乗ってることばっかり」

「そういう情報の得方をする、奴なんだろう」

 

和やかに会話している内容の自体の不自然さに、気がつく………今まで巡った任務内容にかすりもせず旅路に沿ってすらいなくただあった物だけを言っていることそれそのものに

ウーティスは、冷静に情報を引き出す為にそう言っていると見ているが明らかに冷たいものだ

真実なんて、教える必要もないだろうに

「まぁ気分悪くさせるよりはいいんじゃないか?そう言わず」

 

その管理人含めた囚人達不信とは違うガリバーの態度に微妙になった空気をグレゴールがわざわざ険悪な空気を作ろうとしようとしていないのならば問題はないだろうと

いつの間にか出た時に作って欲しいものやらなんやら話と気が完全にあった"風"の三人と肩を組み進むようになったガリバーを横目に入れながら、ウーティスを咎めるように口にしていた

7期ガリバーの人格抽出(投票が多いほど優先度↑)

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