離島の人魚少女は商店で泳ぐ   作:セピア

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『起』承転結

羽海は驚き目を瞑り暫くして目を開けると未だに水の中に居た。

 

羽海は訳が訳が分からなかった。化学は繁栄するこの現代に非科学的な事が起きるなんて

そうして、驚きつつ母親が言っていた毛先を見ると金色(こんじき)に光っていた。

 

そして、羽海はふと気が付く

「水の中だよね?さっきの海中の様に息苦しくない?息が出来てる?」

 

そう思いつつ商品棚と商品棚の間の通路を歩くと

足が地に着いて無いような感覚に襲われる

 

ふと、足元を見ると宙に浮いていた。

そして、そのままの勢いで水を蹴ると、すぅーと泳げてしまった。

 

羽海の思考はほぼ停止していた。

だが理解できたのは「物語やフィクションの世界の主人公みたいだ」

楽観的にそう捉えていた。

 

 

 

驚いた母親がカウンターから出てきて娘の後を追うと不思議と地面は塗れておらず

商品棚とその置かれてる商品も濡れていない事実、たった一人の愛娘が宙に、

それも陸上で水中に居り、宙に浮いてるも同然な状態に腰を抜かし尻餅を衝く

 

その尻餅の衝撃で島の伝承を、ひぃおばぁあ様から聞いた伝承を思い出した

そして愛娘に問いかけた

「海の中で大きな大きな守護神様を見なかった?」と

その問いに対して羽海は「その守護神様かは分からないけども助けてもらった」と

 

その答えに母親は崩れ落ちた。ひぃおばぁあ様曰く

「守護神様に助けられた女の子は人魚になってしまい、

地上では生き辛く海へと赴き帰って来ない事がある」と

 

それを聞いた羽海はあっけらかんとした態度でこう言った

 

「一生海の中寂しそうだし、偶には帰ってくるよ?

それに丁度よかったよ!そろそろ独り立ちもしたかったの♪

それに、海なら地球上のどの場所でも泳いで行って見て回れるよね?ね!ね♪」

 

水中にいる愛娘が喋っている上に声が地上に居るかのように鮮明に聞こえた

その答えを聞いて母親は乾いた笑い声しか出なかった。

 

「親心、子知らず」とは正にこの事か・・・

母親の心配を他所に羽海は店内を泳いで回った。

母親は彼女が溺れる心配は無い事は重々にに理解していた。

「ちょっと遊びに行ってくる~」と言って隣の島まで泳いで海を渡り帰ってくる

それほどまでに彼女は泳ぎが得意であり、島の海女さんが母親にこう伝えた事がる

 

「水中から浮上するときに羽海ちゃんを見たのよ!水中で飛ぶ様に遊びながら泳いでいたわ

それともう一人、彼女を追っかけて泳いでいたけども、彼女と比べると

可愛げは無かったわね」と

 

 

 

 

そんな飛ぶように遊びながら泳ぐ羽海の姿を

見られてしまった。

 

小さな子供に。

 

 

 

「防波堤のおねぇちゃん!?すっごーい!!」

そう言われ気分が良くなった彼女は

 

「一緒に泳ぐ?」

そう誘った

 

 

 

 

 

「・・・遅いわね、あの子」

そう呟くのはこの島で一人で暮らす少女 『凪海(なみ)』だ。

髪は短く黒色の少女

 

島の集会所で集会があり、子供の面倒を見るように頼まれた凪海だったが

子供から「商店におやつを買いに行ってくる」と言われ見送った

 

見送った後、集会所の平らな屋根の上で寝ころんでいるといつも

「凪海おねぇちゃん!終わったよぉー!!」と聞こえてくのに今日は遅い

 

「何かあってからじゃ遅いけれども、

なにか新商品でも入荷して予算の事で悩んでるのかしら・・・?」

(もしそうでなかったら・・・)と一抹の不安が過る

 

っ、でもこの島の人達が?否、島の外の人ならば?

「・・・様子見に行こ」

 

いつの間にかウミネコの声が聞こえなくなっていた昼下がりの空は快晴

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