「持ってないからこそ美しく見えるんだ」
F-09-2-JP:僭称の大王冠
リスクレベル:HE
クリフォトカウンター:なし
1.このツールを装備した場合、慎重が減少したが、装備中に受けるダメージが常に半減した。
2.このツールの装備中、常に周囲の職員の体力及び精神値が回復した
3.このツールを装備してから1分後、装備中の職員は指示を受け付けなくなった
4.このツールを装備してから3分後、装備中の職員を目にした職員は殺人性パニックを起こした
情報:10秒装備
豪奢な宝石や貴金属で飾り立てられた荘厳な王冠ですがその面影は薄く、一部は強い衝撃を受けて破損し、大量の血が付着しています
30秒装備
装備している職員を目にした職員はその職員を自らをまとめあげる者だと感じ、心地よい感覚を覚えます
60秒装備
装備している職員は傲慢な態度が目立つようになり、次第に管理人の指示を無視するようになりました
180秒装備
周囲の職員は、装備している職員に酷く騙されたという感情を覚え、その職員を殺害するという手段を以て事態の解決を図ります
テキスト:
ある国に1人の男がいた。
平々凡々。特に理由もなく働くが残すほどの金もなく、街の端にある安宿でただ生きるのみ。
しかしある時男は偶然にも1つのランプを手に入れる。
そのランプから現れた不思議な男はこう言った。
「オレは魔人だ」
「お前の願いをどんなものでも叶えよう」
「ただし、3つに限るぞ。3つだけだ」
平凡な男は言った。
「俺を王にしてくれ」
魔人は叶えた。
ありもしない国すら造り出し、歴史を騙し、男をひとつの国の王として戴冠させた。
裕福になった男は言った。
「俺を強い者にしてくれ」
魔人は叶えた。
男の身体に鬼神すらも超える力と、それを扱う繊細な加減をその身体に当然のものとして吹き込んだ。
男にはもはや何も敵わなかった。
圧倒的な権力と全てを超える暴力を得た男は、全てが満たされた生活を手に入れた。
魔人は言った。
「もう何かないのか?最後の願いが残っているが」
満たされた男は答えた。
「そうだな、じゃあ俺が今持ってない貴重なものをくれ」
魔人は叶えた。
男は全てを失った。国も、力も、それを支えた偽りの歴史さえも。
男は言った。
「おい!話が違うぞ!」
魔人は言った。
「何も違わないさ。欲しただろう?今持っていない貴重なもの。満たされた生活から全てを失う貴重な体験」
そうして男は失った。
国を失い、力を失い、歴史を喪失した。
騙されたことに気付いた国民は、男を手に持つ石と棒で囲んで嬲り殺しにした。
魔人は嗤う。
「あいつらも愚かだな。あれの力に間違いなく守られていたにも関わらず。騙されたと知れば直ぐにこれだ」
「羨ましかったんだろう?妬ましかったんだろう?殺せないから殺さなかっただけなんだろう?」
「だが嫉妬には駆られるな。欲には溺れるな。お前も知っておくがいいさ」
「持ってないからこそ美しく見えるんだ」