「はむっ」
口に含めば広がるほろ苦くも甘いカカオの風味、パキパキと音を立てチョコを噛み砕く
「頭使うだろうし甘いのを今のうちに食べとかないと、受験前だからってルーティンは崩さないようにっと」
【グミ〜】 【チョコ〜】
「分かってるよ やるだけやるさ」
制服のズボンポケットから飛び出たポッピングミとチョコダンに声をかけながらも進む、目指すはヒーローの育成ナンバーワン学校 雄英学校
「おっとと」
お腹から飛び出たゴチゾウが服の隙間から出てきたのをキャッチし門をくぐる
「今日は俺のLIVEへようこそおおおお!!」
「「「……」」」
……うんプレゼント・マイクを説明係にしたのは大失敗だろ雄英さん、明らかに誰もテンションついていけてないよ
その空気の中でも説明は進んでいく、ロボ三タイプの破壊からのポイント制か
これ個性によってはキツイよな、単に戦闘向けじゃないと中々に厳しいだろうに
「質問よろしいでしょうか!こちらにはロボは4体と書かれています! もしこちらが不備であれば雄英側の由々しきミスになります!! そしてそこの縮れ毛の君!さっきからボソボソうるさいぞ!!記念受験のつもりならここから去りたまえ!」
「ご ごめんなさい」
ズバズバ言う子だなぁなんか高圧的
「OK!リスナーお便りサンキュー!その4体目は要はおじゃま虫の0ポイント スーパーマリオはした事あるな?それで言うドッスンみたいな物だ」
マリオね、あのお化け屋敷ステージ苦手なんだよ テレサから目を離してゲームオーバー
「質問にお答えありがとうございます!」
礼儀正しいよねぇ 良いとこの坊ちゃんなのかな?
「さて君たちに我が校の校訓を授けよう、かのナポレオンも残したこの言葉Plus・Ultra!良い受験を」
ちなみに試験会場までバスで移動らしいけど校内バスが走るってなんなの?
試験会場F
動きやすいようにジャージに着替えたけど正直俺の場合個性であんまし意味ないんだがね
【グミ?】【チョコ?】【チップス??】
「そうだな…じゃ君で」
チョコダンを手に握り門に並び立つ
「はいSTART」
その声と共に一気に門を走り抜けシャツをめくり自分の腰に着いた赤い顔の口を開ける
「標的 確認!」
早速1ポイントか、口にチョコダンゴチゾウをセットし口を閉じる
〝チョコ〜 EATチョコ EATチョコ ガヴ…ガヴ〟
咀嚼を終えたガヴのボタン デリカッシャンを押し込む事でゴチゾウの力が開放される
〝ギャアアア!チョコダン!パキパキ!〟
「標的 変ワッタ? ギャア?!」
喋っている途中の1ポイントを右手に握るチョコダンガンで撃ち抜く
「1発で壊れるのか…意外と脆いな」
「仇ダ!」 「デアエ! デアエ!」
奥からゾロゾロと2ポイントと書かれたロボ2体が列を成して迫ってくる
「悪いね こっちも試験なんだ」
ハットのツバを掴み目線をロボに合わせる
「許してとは言わないが…倒させてもらう」
DAN!と音を立て放たれた弾丸が足を撃ち抜きロボが横転、それに躓くもう1体の2ポイント
「待テ 今ハ!」 「オタスケクダサイ!!」
「だめ」
チョコダンガンで重なったまま2体を撃ち抜き機能を停止させる
さてこのまま稼いで行かないとな
「はっ!」
「ギャ!?」 「ウオオオ!!」
撃ち抜いた1ポイントを踏み潰し3ポイントが突撃してくる
「ふっ!」
腰のガヴから吐き出されるようにガヴガブレイドが出現しロボにぶつかる
「そしてこうだ!」
そのまま握ったガヴガブレイドでロボを一刀両断に切り裂く
「だいぶ稼げたか?…しかし」
おじゃま虫が気になる、この規模の試験で本当に意味の無いおじゃま虫なんか出すだろうか?
「ん? はっ!」
ふと視線を右にずらせば耳たぶに特徴のある女子がロボに囲まれていたのでチョコダンガンで1体撃ち抜き女子の近くに駆け寄る
「大丈夫?」
「正直助かった ありがとう!」
背中合わせで警戒する、結構囲まれてるね
「これ貸したげる」
ガヴガブレイドを女子に渡し白いゴチゾウをガヴに装填する
〝チョコ! ガヴ……ガヴ ギャアア!チョコドン パキパキ!!
左手に出現したチョコドンガンを構えチョコダンガンとの二丁拳銃を構える
「二丁拳銃? ロックじゃん」
ロックなの? まぁ今は
「ここを乗り切ろう」
「賛成!」
チョコダンガンとチョコドンダンを放ちロボを撃ち抜いて周りを警戒、さっきの子はガヴガブレイドを何とか振り回してロボを切り裂いていく
「こっちの方がいい?」
チョコダンガンを前に向けると彼女は顔を横に振る
「銃なんて使った事ないしこれはちょっと重いけどこっちの方がいいかな」
お互いの後方に来ていたロボを破壊し一息つく
「これで全部かな」
「みたい 周りにロボの駆動音も聞こえないし」
地面に耳たぶのイヤホンジャックを突き刺し頷く彼女、そんな使い方出来るんだ
「改めてありがとう ウチ耳郎 響香、これありがとう」
ガヴガブレイドを受け取りガヴに収納する
「それそっからでるんだ」
「そうだよ 持ち運び便利でしょ?そういえば自己紹介、俺は菓子魔 翔真よろしく」
ガヴからチョコドンを抜き取って変身解除して耳郎と握手する
「いっ!?」
「どうしたの!? えっ力強すぎた?」
耳を抑えて顔を横に降る耳郎、耳を抑えてるって事は音関係?
「めちゃくちゃデカい足音?がする向こう!」
指さした方を向けば巨大な手がビルを掴み握り潰している
「ドッスンってサイズの方だったか…」
「それよりヤバいでしょ!アレ!!」
確かにあのサイズはヤバいね、受験で受験生殺す気か
「俺向こう行くけど」
「はぁ?アレ0ポイントだよ!」
「でも逃げ遅れた人がいたら危ないからさ」
「……それならウチも行く、逃げ遅れた子の声だってウチなら聞き逃さないよ」
覚悟を決めたのか耳郎がこっちを見つめるのでお互い頷き0ポイントの方に向かって走り出す
0ポイント近くまで来て見たけど、やっぱりデカイなコイツ…
「おーい!誰か!」
「今の!」
「こっち!」
耳郎の案内で走ると足を挟まれたのか女子の片足が瓦礫の下敷きになっており、それをどかそうと黒い髪の男子が瓦礫を持ち上げようとしている
「大丈夫?」
「すまねぇ!俺一人じゃもち上がんねぇんだ!」
よしっなら俺も手伝おう、瓦礫に手を置き力いっぱい持ち上げる
「おぉ!上がった!」
「耳郎さんこの子を瓦礫から引き抜いて 早く!」
耳郎さんが俺と男子の間から手を伸ばし足を挟まれた子を引き抜く
「ごめん…助かったよ」
「気にすんな!見捨てて逃げるなんて男らしくねぇしな!」
話してる所悪いけど結構近くまで来てるよ 0ポイント
「目標 破壊 殲滅!!」
「やば!皆下がるよ!」
女子に肩を貸してる耳郎さんが叫び、黒髪の男子が急いで反対の肩を掴む
「なら殿は任せて」
振り返り腰のガヴの口を開き、ポケットから飛び出たポッピングミを掴む
【グミ〜!】
「頼んだよ」
ガヴにポッピングミゴチゾウを装填、口を閉じ回転ハンドル ガヴドルを回す
〝グミ! EATグミ EATグミ ガヴ…ガヴ…ガヴ〟
咀嚼を終えたガヴの左ボタンデリカッシャンを叩く
〝ギャアアポッピングミ ジューシー!!〟
「ふぅ……しっ!」
近場の電柱に飛び乗り更にジャンプ、近場のビルの屋上に着地し0ポイントの意識をコチラに向ける
「小サキ人間 抹殺!!」
振り下ろされた腕を側転で交わしその腕に飛び乗る
「うおおおおお!!」
そしてその腕を爆走で走り登っていく
「はっ!」
顔近くまで来たら飛び上がりガヴドルを回す
〝CHARGE ME CHARGE ME〟
放出されたエネルギーがどんどん右足にチャージされていく
そしてガヴのデリカッシャンを押しエネルギーを解放する
〝ポッピングミ!フィニッシュ!!〟
「はあああああああ!!」
解放されたエネルギーを込めたキックを0ポイントに向けて放ち、軌道を描き0ポイントの顔に突き刺さる
「グガガガ!? ppppp…」
めり込んだ足を引き抜き0ポイントから飛び退く
重力に従い後方に倒れた0ポイントはピクリとも動かない
「倒しやがった…すげぇ!!」
「あの大きさのロボを蹴りの一撃で倒すなんて…」
3人の元に向かいガヴからポッピングミを抜き取るとゴチゾウが昇天していく
【幸せ〜】
「あの大きさ倒すとかヤバいよ…ほんと」
もはや苦笑いの耳郎に苦笑いで返してるとブザーが鳴り響く
「終わりみたいだね」
「ごめん 私が足を挟まれたばかりに3人の時間取っちゃった」
凹む女子に一番先に助けに来ていた黒髪の男子が声をかける
「気にすんなよ!あそこで見捨てた方が男らしくねぇ!」
「男らしく?は分からないけどヒーロー目指してるんだし 困ってたらお互い様だよ」
「そう言うこと それより足大丈夫?」
同じ女子同士、怪我の方は耳郎さんに確認してもらおう
こうして俺の人生の最初の壁、雄英の入試は終わりだ