俺以外に様子のおかしい幼馴染に翻弄されながら送る日常 作:アマテス豆
もうすぐで、UAが100になります!嬉しい。
俺-久常紘葉が所属している部活はちょっと変わっている。
その名もクラフト部。
クラフト部は、模型同好会・ロボット同好会・DIY同好会の三つが紆余曲折を経て統合進化した部活で、モノづくりに特化した部活だ。
「やっと来たか、紘葉。」
部室に着くと同時に俺に声を掛けたのは、部室前のベンチで寝そべっている、部長の佐藤さんだ。
「やっと来たって…は〜。」
俺はため息をつきながら鍵を開ける。
「あ、どうもです。」
「毎度毎度、すみません…。」
佐藤さんの横で申し訳なさそうに立ち上がろうとしているのは現在2年生の田中先輩と中田先輩だ。
「いや〜、ここの鍵は一つしかないから困ったもんだね〜。では、我々の部活を開始しよう。」
佐藤さんがそんな事を言いながら俺より先に部室に入り、いつもの場所を陣取る。その後俺が部室に入り
「失礼します〜。」
「いつもありがとね。紘葉くん。」
と続けて田中先輩と中田先輩もいつもの場所に座る。
「あ〜涼しい〜。あ、ポテチ食べよ。新作なんだよね。」
佐藤さんは、徐に鞄を漁り新作ポテチを取り出す。
「いや、佐藤先輩…ポテチは…」
「あぁ…開けてしまった…」
と先輩たちがポテチを食べようとする佐藤さんを止めようと声をかけるが虚しく先にポテチを開けてしまった。
先輩たちがポテチを食べるのをやめさせようとした訳は…
「あぁ、紘葉殿が…」
田中先輩は、俺の方を見てそう言う。
なぜなら俺は怒っていたからだ。
「あの!佐藤さん!一昨日も言いましたけど、この部屋でポテチを食べないで下さい!」
「え〜、このクーラーの効いた快適な部室で食べるのが至高ではないか?」
「あのですね?毎回言ってますが…」
「何かね?」
「ここ俺たち、クリエイト部の部室なんですよ!」
「そうだね、だがそれがポテチを食べては行けない理由になるのかね?」
佐藤さんは、余裕のある表情を浮かべながら返答を返す。
「なりますよ!いっつもポテチやら何やらを散らかして!しかも洗いもせず工具とかにも触って!挙句、掃除もろくにしない!先輩達から許可取ってるかも知れませんが、もう新聞部にこの部屋貸しませんからね!」
この部活の変わっているの一つがこれ、クラフト部の部室が新聞部の活動場所としても使われているのだ。田中先輩と中田先輩も新聞部で、クラフト部の先輩達は、留学や受験で最近来ていない。
「あ…それだけは勘弁してくれ…あの部屋だけは…本当に…」
さっきまで余裕だった佐藤さんが怯える子牛のような表情になる。
この学校では基本的に部活と認定されたモノには一つ部室が与えられる。新聞部とて例外ではないのだが、クラフト部に居る理由が2つある。
一つは現代の部室としては致命的なモノだ、エアコンがないことだ。新聞部は2年前に部活と認定された比較的新しい部活だ、故に部室になっていない部屋が限られており運悪くエアコンがない部屋があってしまったのだ。
2つ目は、中田先輩から聞いた話しだが、佐藤さんが極度のおばけ嫌いらしい。そして新聞部の部室の右隣には、どこの学校にもよくある七不思議の一つの舞台であるトイレがあり。左隣ではオカルト研究同好会が活動している。
佐藤さんは、霊感が強いらしく部室に行くと体調を崩すらしい。
「は…ならポテチ食べるのをやめてください。てか掃除をきちんとしてください。」
「はい…」
「あ、田中先輩や中田先輩にさせるとかは、なしですよ?」
「ちっ…頼もうと思ったのに…」
「聞こえてますよ?ほんとに使わせませんよ?」
「くっ…」
佐藤さんが懲りたみたいでよかった、良かった。まあ、今日するかしないかで、全て決まるんだけどね。
「じゃあ、仕方ない…」
「なんですか?佐藤さん」
「取引だ。掃除をかけてな。」
佐藤さんが不適な笑みを浮かべこう言う。
「俺がそんなのに応じるとでも?」
少し芝居がかった返事をすると
「あぁ、応じるとも。なんせあの〈水月ノ姫〉の情報だからな…」
「な…四日間、掃除はしてやろう。」
俺は即答してしまった。
「…さすが〈過保護王〉と言ったところか…。あ、でも紘葉殿なら彩瀬殿のことで知らないことはないのでは?」
「紘葉くん、彩瀬ちゃんのことになると即答する癖、やめなよ?ちゃんと聞いてから何日やるか決めるべきだよ。」
先輩達が俺の即答具合に、疑問や注意を指摘してくれる。ちなみに〈過保護王〉はとは俺のことらしい…もっといいの無かったんですか?
「お前ら。いらんことを言うな!」
「それもそっか、じゃ今の無しで。聞いてから決めます。」
「では仕切り直して…聞かせて貰おうか、情報プロフェッサー佐藤が掴んだ情報とやらを。」
また芝居がかった口調で佐藤さんに聞く。
「お前が知ってたとしても今日は、やって貰うからな!」
佐藤さんは俺と先輩達を睨みながら啖呵をきり、続けて話し始める。
「〈水月ノ姫〉と〈貴公紳士〉が最近仲がいいてのは、知ってるな?」
「そりゃもちろん、美涼の幼馴染で、一条とは入学式からの付き合いですよ?近くにいて分からない訳がない…てか最近俺より一条の方が美涼と会話が長いから脳破壊されてますよ…。」
あ〜なんで俺とは今まで通りなんだよ〜、ほんとに…
「中田殿、女の子的に異性との会話が長くなるのはどう言う時なんのですか?」
「う〜ん、私はどちらかと言えば誰とでも話すタイプだから確定とは言えないけど、異性と長く話したいて思った時は単純に話が面白い時ともっと一緒にいたい…好意を持ってるときかな?」
「…やばいですね。確実にこう…」
「いやあくまで私の感想だからまだ、確定じゃないし私どちらかと言えば彩瀬ちゃんと性格真逆だから。」
と、俺と佐藤の会話を聞いている先輩方は、核心をついてくるような会話を繰り広げていた。
ぐは…考えないようにしてたことを…
「なんでそんな噂が流れたのかは?」
「え、単純に仲良くしているからじゃ?」
「単純に仲良くしてるだけなら、同じグループにいる佐奈美さんやら萌月さんとかと噂になってるだろ。」
「それもそっか…あれ?でも、御堂くんとは、噂になってるって聞いたよ?」
俺は今さっき無沙から聞いた情報を伝える。
「それは…それだ、女子どもは、BL的なものをちょっと感じただけで、噂にする。半分くらいジョークだから間に受けない方がいい。」
はは、なんか女の子って分からない…
「中田殿、あの理屈だと、一条殿と紘葉殿の間にも噂が流れると思うのですが、聞いたこと無いですよね?」
「あぁ、なんか立とうとはしてたらしいんだけど、なんせ〈過保護王〉だから、彩瀬ちゃんがチラついてBLにならないから…」
「…納得ですね。」
なんか変な形で納得されてしまった。まあ、いっかBLの餌食にされたくないし…
「話がずれたな、本題に戻るぞ。一条と彩瀬の噂が流れたのには、もっと決定的なモノを目撃した人が居たからなんだ。」
「決定的なモノ?」
なんだ…そんな噂になるようなことは?!手を繋いでいたとか?…グハ、想像しただけで…
「二人が一緒に空き教室に入ったと言う目撃がここ二週間で十二回、日時を合わせると、最低五回は、二人きりになっている。」
と俺の知らない情報が出てきた。
「は?なにそれ、羨ま…しくもないから、普段二人きりになることも多いし…て、二週間前から?」
二人きりにと言う状況に耳が傾いていたが、二週間前からと言う言葉に疑問を持つ。
「そうだね、先々週に二回、先週に二回、今週に一回目撃されてる。」
「待って…俺の記憶だと、美涼が一条と仲良くし出したのは先週の水曜日ぐらいなんだけど?そこからみんなと関わるようになったりしてたんだけど?」
「でも目撃者は、3人も居るし、わざわざ嘘付いてまで一条に女の影を作ろうとは思わないよここの女子どもは。」
「そうなんですね?…」
俺は女の子のことが分からなかったのでここに居る唯一まともな女の子である中田先輩に目を向ける。
「紘葉くん、こっち見ないで下さい、佐藤先輩の偏見ですから。」
「これが、今私が出せる二人の噂に関しての情報だ。二人がただの友達としてなのか、恋人関係なのかは、不確定なので言えないが、二人がこそこそ会っていると言うのは事実だ。」
「…二人でこそこそか…最近美涼が変わったのも一条が…いやまだ確認した訳じゃないし…」
と変ではない考えがよぎったが、即刻否定する。
「で、こっからもっと面白い情報を教えたいんだがその前に掃除の条件を言って貰おうか…これは簡単には渡せない情報だ。」
「じ…じゃあ、五日間…掃除します。」
「5日か〜、それだけじゃ教えられないな~。」
く…五日間の掃除でも教えてくれないのか。それほどに貴重な…俺側にも利益がある話ってことか…
「ぐ…背に腹わ変えられぬ、今月だ!今月いっぱい部活動あとに掃除をする!」
俺は、知りたい欲が強く大きくでる。日にちにして十日だ。
「よしきた!じゃ続きを話そうか。この情報はな、2人きりになるところを目撃したある人に聞いた話なんだがな。」
「そいつは、空き部屋で二人を目撃してすぐに耳を立てたらしいだ。だがいかんせんバレないように扉を隔てて聞いたのと、彩瀬の声が小さいのも相まってあまり聞き取れなかったが、はっきりと聞き取れた部分があったっだ。それはな…」
俺は唾を飲む。
「今週の土曜日に二人で出かける…つまりデートをするらしいんだ。」
「え?……へえ?なな…何だって?!!」
俺は一瞬理解ができなかった。
「え?デート?!二人きりで?一条て女子だっけ?無沙でも出会って1.5ヶ月ぐらいまで遊びにいかなかったのに?!」
と普段の美涼からは考えられない速さで心を許すことに困惑していた…
「…いや、でも待てよ冷静に考えたら普通にあり得るもんな、今日、一緒に帰る約束してたし。」
「え?何それ特大スクープじゃん、明日には広まるぞおい…」
「二人で空き部屋に行く….二人で一緒に帰る…で土曜日にデート…紘葉殿やばいですよ…彩瀬殿が取られてしまいますよ。」
「…いや、別に…取られと言うか、一条と付き合ったりするのはいいんだけども…超絶羨ましいけど。」
「なぜですか?止めたりしないのですか?紘葉殿は、彩瀬殿のことが好きなのでは?」
「まあ、好きだけど、俺の感情で止めたりとかは、出来ないと言うかダサいなって…あと今、嫌われるかもだし…」
「そこら辺はしっかりわきまえてるんだ。感心だな〜。」
「まあ…ね。佐藤さんありがとうございました。」
俺はちょっと早くこの話を終わらせたいと言うこともあり早々とお礼をいい、終わらせる。
「よし、これで今月は、掃除しなくて良くなったな。」
「じゃあ俺、ブースに籠るんで、静かに活動してください。あ、そう言えば、今月ですよね、ランキングマスター中田によるランキング発表。」
「その肩書きで呼ばないで…恥ずかしい。…そうだね、去年好評だったから。今日も集計と理由探しで、忙しいんだから。」
「初めてなので楽しみにしてます。」
「ありがと〜。」
俺は、ブースに入り今、作っている模造刀の作成を再開した。
「紘葉くんてやっぱり、いい子だ」
「そうか?生意気なガキにしか見えんがな。」
それから、活動時間まで活動しようとしたがあまり進まず、そのまま家に帰り、そのままベッドへヘッドダイブした。
「は!マジで、美涼と一条が、デェデデ…デート?!」
今まで、考えないように、言葉にしないようにしていた事を言葉にしてしまった。
そこからは止まらない次々とその事に付いて考え言葉にしてしまう。
「え、そんな仲良くなってたっけ?てか一条て、美涼と二週間でデートまで持っていけんのか?俺だって、デートと言える所まで持っていくのに13年掛かったんですけど?」
美涼と二人で遊びに行ったのは中1のとき、俺から映画に誘ったのが最初だ。
その後も今までに42回二人で遊びに行ったことがある。
「……心配だ……美涼が俺以外と二人きりでデート?ナンパとかに合わないかな?美涼は、対処できるのだろうか?俺と遊んでる時に15回ぐらい合ってはいるんだけど、対処してるのは俺だったからな…」
美涼は、169cmと高身長なので中学生の時もナンパによく会っていた、基本、家で刑事ドラマを見るかボーとしているので誘わないと外に出ない、出ても俺もついて行くし、たまに出る時も近くのスーパーとかなので一人でナンパに会った経験はない。
「て…過保護モード発動するな俺。初恋が掛かってるんだぞ。あと一昨日無沙と二人で遊んでたじゃないか!一条が近くに居るしナンパしてくる訳ないだろ!超絶イケメンが横に居るのにナンパできる奴は相当なナルシストぐらいだ。て違う!俺は…俺は…」
そこでふと思うことがあった。
「…俺は…どうしたいんだろう。」と。
なので冷静になって考える。
「美涼が他の子と仲良くなってるのは素直に嬉しいし、高校に入ってから過干渉にならないように気をつけてたのも、中学のとき俺のせいで美涼に男友達…あと彼氏が出来なかった訳だからだし…」
「いざ彼…いやまだ決まった訳じゃないし…こほん。いざ男友達ができて喋っているのを見るとモヤモヤする…俺は一体どうしたいんだろう。」
「今日の放課後だって見てるだけで胸が痛くなって…部活でキザなこと言っちゃったけど、本当は止めたいし!」
「中学の時点で告白しとくべきだったか?…いやあの時、『俺しか仲良い男子居ないから美涼が選べないじゃん』的なこと言って避けたんだった!俺のアホ………」
そこから少し言葉を止める。
「…………………………やめだやめ!……これは告白を躊躇した俺のツケだ。今、嫌われてるかも知れないし………よしこの話終了。美涼に仲のいい男友達ができても俺は幼馴染だし今までと変わらないからな。」
俺は無理矢理結論をだし、この話を考えないようにし、部屋を出た。
最後まで読んでくれてありがとございます。感想やアドバイスなどなどコメントしてくれると嬉しいです。
新聞部の面々が、前回出てきた異名マイスターやらランキングマスター達です。