side渡我被身子
「被身子さん!」
文化祭の準備中、後ろから聞いたことある声と足元に衝撃。
「あれ!?壊理ちゃん!?なんで!?」
私に抱きついてきた壊理ちゃんを抱き上げる。赤いワンピース?かぁいいねぇ。
「誰だ?」
「知らん。」
「インターンの時保護した子だよ!」
「へぇそうなんだ!こんな子をねぇ……辛かったろうに。」
奥から緑谷君と通形先輩が寮に入ってくる。
「緑谷君と……通形先輩?」
「壊理ちゃんを案内することになったんだ。渡我もどうかなって。」
「え……準備は……。」
「被身子さん?」
「ぐっ……。」
かぁいい上目遣い……そういえば病室で流水さんに習ってた気がします!こうすれば私は言うこと聞いてくれるよって。……破壊的です!
「行ってきなよ。ある程度こっちは落ち着いてるからよ。」
「いいんですか?」
「ちょうど休憩に入ろうとしたところだしな!」
切島くん!瀬呂くん!ありがとうございます!
「わかりました。ありがとうございます。壊理ちゃん。お姉ちゃんも一緒に行っていい?」
「はい!嬉しいです!」
ちょっと照れてるのかぁいいねぇ〜〜。本当にかぁいい。
「今日は休日だけど全寮制になったこともあって沢山の生徒が準備を進めてる。」
制服に着替えて校内を回る。皆忙しそうだ。
今日は通形先輩が壊理ちゃんを案内するらしい。通形先輩のクラスは大丈夫なんでしょうか?
「あっ!通形じゃん!」
「えっ!?子ども!?……もしかして通形の……!?」
知らない人です。通形先輩の同級生でしょうか。
「……。」
「いやなんか言えよ!ガチっぽいな!」
「冗談は置いといて今年のI組はすげぇから絶対来いよ!君らも!」
「行く行く!」
人気者ですね、通形先輩は。
「一ヶ月前なのに慌ただしいですね。」
「皆、去年よりもすごいものを、プルスウルトラで臨んでるんだよね。」
「いい文化祭になりそうだね?壊理ちゃん。」
「…………?」
さてはよくわかってない顔ですね?……かぁいいですねぇ。
「あで!?」
緑谷君がなにかにぶつかった。
「…………緑谷君。しっかり前見てください。」
「あ、すんません!ってA組の緑谷じゃねぇか!」
えぇ〜っと?B組の鉄哲くんでしたっけ?
「あれあれあれ?こんな所で油売ってるなんて余裕ですかァ?」
あぁ……あと物間君。
嫌な顔してないですよ。ええ。天に誓います。流水さんには誓いません。
「壊理ちゃん平気ですか?」
「降ってきた人かと思った……。」
「降ってきた人……ああリューキュウのことだね。」
「…………そういえばそんなことありましたね。」
竜の顔……何するんでしょうか。
「おやおや無視かい?いいのかい?A組はライブ的なことをするんだってね。いいのかなァ?今回ハッキリ言って君たちより僕らB組の方がすごいんだが?」
「物間くんはおしゃべりですねぇ。」
「ロミオとジュリエットとアズカバンの囚人~王の帰還~。僕らの完全オリジナル脚本。超スペクタクルファンタジー演劇!!」
「……全部のせがすぎるよ。」
「準備しといた方がいいよ。僕らに喰われて涙するその時の為のハンカチをね!アハハハハハハ!」
ボコッ!
「いつにも増してめっちゃ嫌味……。」
「ごめんよA組。拳藤がいねぇから歯止めが利かねぇ。」
確かにそういえば……拳藤ちゃんが居ない……?
「物間くんとセットのイメージあったけど……。」
「今回は別。あいつはミスコン出るのよ。」
「ミスコン…………。」
ミッドナイト先生をしっかり見張らないと。
「ミスコン!?」
「そう、無理矢理エントリーさせられて。」
泡瀬くんは……今日は物間くんのお世話大変ですね。
「物間じゃねぇけどお互い気張ってこーぜ!」
「いきなり雄英の負の面を見せてごめんよ、エリちゃん。」
「先生ミスコンのことなんて一言も言ってなかった……。」
流水さんのドレス姿は私が絶対守る。
「ミスコンといえば!あの人も今年気合入ってるよ!」
「あの人?」
「去年の準グランプリ、波動ねじれさんだよね!」
「あれぇ〜?なんで壊理ちゃんがいるの?不思議!なんでなんで?楽しいねぇ!」
そのまま流れで備品質に行く。なんか今エントリーシートの撮影をしているらしい。
「今年のミスコンには……チーム出演で人気になった拳藤さんもでる。波動さんも気合いが入ってる。大衆の面前でパフォーマンスなんて……考えただけで……うぐ……お腹痛くなってきた。」
天喰先輩ストレスに弱すぎる……。……ミスコンですか。
大きな鏡に自分が映る。
…………作り笑いした顔。最近は薄くなったがまだ見えるクマ。適当にまとめた団子髪。口をひらけば大きな八重歯。筋肉質でガッチリした身体。……女性らしさの欠片もありませんね。
「今年は絶対優勝するよ。悔しいもん。」
「できるよ。」
「応援してる。」
波動先輩くらい綺麗なら……参加しても面白いんでしょうか。
「……被身子さん。何かあった?」
「いえ?何も無いですよ。壊理ちゃん。」
「さて次はサポート科!彼らは全学年一律で技術展示会を開くんだ。」
「これ知ってます!毎年注目されてますよね!」
……そうなんですか?
「そう、文化祭こそサポート科の晴れ舞台なんですよ!」
後ろ!?びっくりした。……誰?
「は、発目さん!ってうおおお!」
「ドッカワベイビー第202子です!」
発目さん……?確か体育祭のトーナメントに出てた人……。飯田くんが可哀想でしたねぇ。大きいロボットですねぇ。
「ん?なんか汚れてるね。」
「お風呂に入る時間も勿体ないので!」
「ええー!」
「すごいね!」
「…………。」
……。不潔な人嫌いです。
「体育祭はヒーロー科に対する副次的なアピールチャンスの場でした。が、今回は私たちが主役の場を与えられているのです。より多くの企業によりじっくり我が子を見てもらえるのです。恥ずかしくないように育て上げなくては!アイアンソールはその後どうでしょう!?また何かあればすぐ言ってください!」
……真っ直ぐすぎるんですね。きっと。そう思うことにしましょう。
「うん、ありが……」
BOM!
「ベイビー!?」
発火してますけど!?
「発目さんなんかごめん!行こうエリちゃん!」
「まァこんなもんかな。」
現在食堂。私の横に壊理ちゃん。目の前に通形先輩と緑谷君。
「慣れ……っていうかどうだった?」
「よくわからない……けど……たくさん色んな人が頑張ってるからどんな風になるのかなって……。」
……この子全部がかぁいいですね。流水さんに似た何かを感じます。
「それを人はワクワクさんって呼ぶのさ!」
「根津校長!ミッドナイト先生!」
2人ともいらしてたんですね。
「有意義だったようだね。」
すごい速度でチーズ食べてる……。
「文化祭、私もワクワクするのさ!多くの生徒が最高の催しになるように励み楽しみ、楽しませようとしてる。」
「警察からも色々ありましたからね。」
「ちょっと香山くん。それは内緒だよ!」
校長先生はそのまま去っていった。
「何が……?」
…………なんか流水さんがそれっぽいこと言ってた気がします。……なんでしたっけ。
「詳しくは言わないけど校長頑張ったみたいよ。その結果セキュリティの更なる強化、そして万が一警報が鳴った場合、それが誤報だろうと即座の中止と避難が開催条件になったの。」
あっ!そうそう。警察の偉い人が校長先生に直談判したとかどうとか……だったはずです。
……安全を考えると妥当ですよね。
「厳しい……。」
「もちろんそうならない為にこちらも警備はしっかりするわ。学校近辺にハウンドドッグを放つし。」
「放つ!?」
放つで合ってるんですか??
「今回は警備のプロフェッショナルもいるしね!そうそう!A組の出し物、職員室でも話題になってたよ!青春頑張ってね!あー……あと渡我。暇があったら後で私のところ来て。」
「え?は…はい!」
「はい!」
なんだろう。何かありましたっけ。
「デクさんと被身子さんは何するの?」
「僕たちはダンスと音楽!踊るんだよ!エリちゃんに楽しんでもらえるよう頑張るから必ず見に来てね!」
「私は踊れないので裏方ですけどね。」
「へぇ〜……。」
壊理ちゃんが来るならダンス練習しとくんでした。
「すみません。そろそろ休憩終わるので行ってきます。」
「……私はミッドナイト先生の所に行ってきます。壊理ちゃん。またね。」
「ああ!言っとくけど俺も楽しみにしてっからね!」
「「はい!」」
「ミッドナイト先生。」
「あら!渡我。来たわね!」
職員室。教師はほぼみんな出払って私とミッドナイト先生だけだ。
「用事ってなんですか?」
「ミスコンの開会式……あなた出てみない!?」
「……ミスコンの開会式……ですか?」
……ミスコンと聞いただけでちょっと嫌だ。
「すごく嫌そうな顔ね!でもあなたは絶対に頷くわ!」
「…………聞くだけ聞きます。」
そんな簡単に頷いたりは……
「お互いドレスでブラッドロータス先生と踊らない?」
「やります。」
……単純な女。