私のヒーロー   作:おいーも

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新たな出会いは唐突に。

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

んぇーっと……この辺だったかなぁ?

 

……エスコルチアのまんまだと怖いか。顔だけ出しとこ。

 

……大きい瓦礫。多分何かがぶつかって落ちてきたんだね。

 

 

「もう悪い人は居なくなったよ。大丈夫?」

 

「ひっ……はい……。」

 

「うんうん。足はどうかな?」

 

「な……なんとか抜けました……だ……大丈夫なのでもう……。」

 

抜けた?なんかそういう個性持ってるのかな……。

 

「?よくわかんないけど助けるね。」

 

「えっあのっ!?」

 

「よいしょ。」

 

 

大きな瓦礫をいくつか退かす。これヒーローでもできる人限られるでしょ。

 

 

 

ガコン……ガコン……

 

退かすこと数分。

 

中から出てきたのは……巻貝?大きな巻貝。なにこれ……?

 

 

「…………?なにこれ。」

 

「ひぃっ!!みっ……見ないでください……。」

 

 

巻貝から声がする。

 

「ダメだよ。怪我してたなら病院に行かないと。」

 

私は巻貝を持ち上げる。

 

「ひぁっ!?変なところ触らないでください!!」

 

「変なところ!?」

 

 

すると巻貝の出口からぴょこっと顔が出てくる。癖が強い長い髪、ぬるぬるした肌。両目と……もうひとつ特徴的な飛び出た両目。もしかして……

 

「カタツムリの個性!?可愛い〜……。」

 

「ひぃっ………………え?かわ……!?」

 

ボッ

 

頭隠れちゃった……。

 

「うん!可愛いね。足の怪我見せて?」

 

「え……いや……私……気持ち悪くないんですか?」

 

巻貝……殻の中から声がする。

 

「?何処が?」

 

「だって……私普通の人じゃないからっ……。」

 

そっか……この子も。こんな小さい子も……。

 

「…………普通って何?」

 

「…………え?」

 

「この社会……難しいこと言うね?今この世界で、普通じゃない人って何?みんな何かしらの特徴を持ってるよ。みんな普通だよ。みんな当たり前。あなたも……自信を持って。すっごく可愛いから。お姉さんと一緒にパパとママの所に行こ?」

 

「………………。」

 

ぴょこっ。目が出てくる。

 

 

「どうしたの?」

 

私は笑いかける。

 

「……行きます。パパとママに会いたい。」

 

両親との仲は良好。うんうん。理解のあるパパとママだね。

 

「そうだね。その前に足だけ見せてくれる?酷くなってたらいけないから。」

 

「…………はい。」

 

ズルンと殻から身体を出して、足を見せてくれる。可愛いフリフリの服だァ〜。娘ちゃん?のこと大好きじゃん。カタツムリって両性具有だよね。性別どっちなんだろ。

 

 

「……まだ痛いかな?」

 

「はい。ジンジンします。」

 

「ちょっと触るね?」

 

「えっ!?」

 

スス……

 

「ひぁっ!?」

 

「んー……折れてる感じはないね。……圧迫しした所に無理やり引き抜いたから擦り傷と内出血って感じかなぁ〜。」

 

さわさわ

 

「ひっ……やっ……ま……。」

 

「……?痛かった?」

 

「ち……違うんです…………あんまりパパとママ以外に触られたこと…………無かったんです。」

 

「………………アッ!!ごめんね!?配慮が足りなかったね!?」

 

やらかしたか!?そりゃ当たり前か!同性とはいえ女の子(?)の身体こんなに触んないもんね!?

 

「……………………嬉しかったです。私の体……ぬるぬるだから……。」

 

あっそっち?

 

「ぬるぬる?だからって怪我してる子触診しない訳にはいかないでしょ。」

 

「!…………お姉さん。」

 

「痛いの我慢出来る?パパとママの所行って病院に行こっか。」

 

「〜〜っ!!はい!」

 

カタツムリちゃんが抱きしめてくる。

 

私が片手で抱き上げてる都合、首周りに引っ付いてるが、ぬるぬるとひんやりボディも相まってちょっと冷たい。

 

「ふふっ。前見えないよ?」

 

「あっ……ごめんなさい!」

 

「それじゃいこっか。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

避難区域に運びながら質問する。

 

「お名前聞いてもいいかな?」

 

「……槍田 日巡璃(うつぎだ ひまわり)です。」

 

「日巡璃ちゃん!?可愛いねぇ〜。いくつ?」

 

「6歳です。」

 

「6歳!壊理ちゃんと一緒だ!」

 

「……壊理ちゃん?」

 

「そうだよ〜。私……つっても学校か。学校が今保護してる子がいてね。そのこと同い年なんだ。」

 

「……そうなんですね?」

 

「うんうん。急に親近感湧いちゃた。」

 

「お姉さんは……ヒーローさんなんですか?」

 

「そうだよ。みんなのヒーロー。かっこいいでしょ?」

 

「はい!凄くかっこいいです!」

 

「へへへっ……ありがとね?」

 

 

そろそろ着くかなぁ……あっ黄色いテープ見えた。

 

 

「ひまちゃんっ!!」

 

「日巡璃!!良かったぁ!!!」

 

「ママ!パパ!!」

 

ほえー……あれがパパとママ。めちゃくちゃ泣きそうな顔してる。…………見た目普通の人間の人だね。……この両親から生まれた子が異形……普通の両親は少しでも嫌悪感を示すものだけど……よくできた両親だね。

 

 

「日巡璃ちゃんのご両親さんですか?」

 

「はい!本当にありがとうございます。助けていただいて……。」

 

「この辺りのヒーローの方ですか?すみません。あまりヒーローに造詣がないもので。」

 

 

「違いますよ。今日はエン……」

 

良くないか。

 

「知人と旅行に来てたんです。その時に色々騒ぎがあったもので……。」

 

「おぉ……そうですか!本当にありがとうございます。あなたは娘の命の恩人です!!できる限りの事はさせてください!!」

 

「じゃあ……とりあえず日巡璃ちゃん足怪我してるので病院に行きましょ。私も一緒に行きます。」

 

「わかりました!すぐにっ。」

 

4人で歩き出す。近くには大きい病院があるね。あそこなら私の顔がある程度効くからやりやすいか。

 

 

「え!お姉ちゃんも来てくれるの!?」

 

「そうだよぉ〜。お姉ちゃん少し右腕がイタタだから見てもらおうかなって。」

 

「痛いの?大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫。お姉ちゃん強いから。」

 

 

本当は粉砕骨折なんですけどね。何とか中で無理くり治しやすいように弄り回してるから激痛です。

 

 

「失礼ですがヒーロー名をお伺いしてもよろしいですか?こちらが何も知らないのは……さすがに気が引けるというか……。」

 

「んー……少し深い話になるんですが、私公安所属でして。あまり公にしないで欲しいとお願いしてるので検索しても名前が出ないんですよね。」

 

とヒーローライセンスを見せながら答える。

 

「そ……そんな方が……本当にありがとうございます!それで……なんとお呼びすれば……。」

 

 

「ママ?お姉さんすごい人なの?」

 

「ええ!本当にすごい人よ。良かったわね。ひまちゃん♪」

 

「?……うん!」

 

 

「ヒーロー名はブラッドロータスですが……実名で構いませんよ。傷原と言います。よろしくお願いしますね。槍田さん。」

 

「はい!傷原さん!ありがとうございます!」

 

感じのいい家族だなぁ……気分がいいや。……ホークスくんに連絡だけ入れとこ。

 

 

 

病院に着いた。怪我人多数。大変だねぇ。

 

受付に行くなり、私の事知ってる人がわんさか出てきて何度も感謝された。一応腕が折れてることを伝えると一気に集中治療室に連れていかれて緊急オペ。形を良いように治してくれて、ギプス付きに。

 

あとは1時間くらい病院の治療のお手伝いをして今に至る。

 

 

「……ふぃ〜疲れた。」

 

ソファに座り込む私に横から声がかかる。

 

「お姉ちゃん!これあげる!」

 

冷たい水と共に、日巡璃ちゃんが私の横に座る。

 

「いいの?ありがとう!……足大丈夫?」

 

「うん!私片足だけでも移動できるから!」

 

そっか……カタツムリだから足裏だけで移動できるんだ。便利〜。

 

「すごいねぇ……いい個性だ。」

 

頭を撫でてやる。

 

「へへへ。」

 

照れてる。可愛いね。

 

「傷原さん。……怪我の調子は……。」

 

遅れて両親さんも来る。日巡璃ちゃんカタツムリだよね?そんな早く移動できるんだ。

 

「日巡璃ちゃんのパパさん。大丈夫ですよ。大層なものつけてますけどすぐ治ります。」

 

「良かったです。ぜひ治療費だけでも……。」

 

「いえいえ。大丈夫ですよ。日巡璃ちゃんを助けるのは当たり前なので。……それにもう充分受け取ってるので。」

 

水を見せながら日巡璃ちゃんを撫でる。

 

「…………あなたは本当によく出来た人だ!……僕はもう感動して……っ。」

 

「あなた……みっともない。すみません。騒がしくて。」

 

「いいパパじゃないですか。日巡璃ちゃんも幸せだね?」

 

「うん!」

 

 

「……そうだといいんですけど。」

 

ご両親が少し俯く。

 

「…………いじめですか?」

 

「「!!」」

 

私は日巡璃ちゃんの頭を撫で続ける。

 

「こんなに可愛い子がいじめられてるなんて……許せないです。」

 

「傷原さん……。」

 

「傷原さんがそう言ってくださるだけでも……。」

 

 

うーん……何かいいものはないか…………。

 

 

 

あっそうだ。

 

「ちょっと待っていただけますか?」

 

「?……はい。」

 

 

スマホを取り出す。

 

 

ピッピッピ……

 

prrrr……

 

「おーい白ちゃん。」

 

『流水ちゃん?どうしたの?』

 

「今私福岡いるんだけどさ……」

 

『うん知ってる。』

 

「……なんで!?」

 

『だってテレビにちょこっと出てたもん。』

 

「……パパに消しといてって言わないとね〜。それでさ、この辺に白体教あったっけ?」

 

『んーとね……多分あったハズ。千棘……どうだったっけ?………………あるよ!後で千棘に場所送らせるね?』

 

「ん!ありがとう!」

 

『ふふっ。お易い御用だよ!』

 

「またね!」

 

『今度は被身子ちゃん連れてきてね?』

 

「うん!」

 

 

ピッ

 

 

 

場所のデータも来た。仕事が早いね。助かる。

 

「えーっと……ちょっと待ってくださいね。」

 

私はメモ用紙を取り出し、ペンでサラサラと白体教の場所と連絡先、自分の名前と連絡先を書いた。

 

 

「これ。使ってください。」

 

メモ用紙を渡す。

 

「……なんですかこ……れ……白体教……!?あの慈善活動で有名な!?」

 

「白体教!?何処ぞの令嬢様を救ったってニュースにもなってたわよ!」

 

「そんなすごいところの場所なんて……。」

 

おお知ってる。よかったよかった。白体教はほかの宗教団体と違ってわかりやすくに社会に貢献してるからね。

 

「はい。トップが友人でして。」

 

「「!?!?」」

 

「個性で困ってたら相談に乗ってあげるって言ってくれたので、渡しておきます。私の名前出したらすぐ対応してくれますよ。」

 

 

「…………すごすぎて……何がなにやら……。」

 

「でも相談するにしても……お金が……。」

 

 

「大丈夫です。私が補填します。」

 

「!?いや!!そこまではっ!!」

 

「大丈夫です。……日巡璃ちゃんのことを考えてあげてください。」

 

件の日巡璃ちゃんは今私に撫でられて満足気だ。

 

「!………………そう言われたら……頷くしかありませんよ。……なぁ?」

 

「はい。……本当によろしいんですか?」

 

「いいですよ。日巡璃ちゃんの笑顔助けるためなんで。痛くも痒くもないです。」

 

「本当に…………ありがとうございます。」

 

「……うーん。そうだ!……ご相談なんですけど。」

 

「はい!何なりと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで別れる時間になった。そろそろ私は帰らないと帰れなくなっちゃう。泊まっても良かったけどね。

 

 

「お姉さん……お別れ?」

 

泣きそうな顔の日巡璃ちゃん。……キューンってした。

 

「日巡璃ちゃん……泣かないで?……そうだ。私ね?今雄英高校ってところで保健室の先生してるの。」

 

「雄英!?」

 

「あの名門の!?」

 

「ゆうえい……こうこう?」

 

「うん。ちょっと遠いんだけどね。日巡璃ちゃんが今から勉強頑張って、運動頑張って雄英高校に合格したら私とまた会えるよ。」

 

「!ほんと!?」

 

「うん。その時まで待ってるね?」

 

「うん!!ゆうえいこうこう行く!頑張る!!」

 

「うん。約束だね?」

 

「うん!!」

 

日巡璃ちゃんと指切りをする。

 

そろそろ新幹線の時間だ。

 

 

「じゃあね!日巡璃ちゃん。槍田さん。それじゃあまた後で。」

 

「はい!また!」

 

「ばいばーい!お姉ちゃーん!」

 

めちゃくちゃ手を振られた。別れるのがちょっと惜しいねぇ。

 

エンデヴァーは一旦入院。ホークスくんはもう少しこの辺りを調べるらしい。頑張ってね。

 

私は一旦報告と治療のために戻るけど…………色々あった。……本当に大変。

 

 

 

 

 

 

 

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