私のヒーロー   作:おいーも

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個性の制御

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

私と被身子ちゃんが壊理ちゃんを連れて1年生寮に顔を出すと、そこには物間くんと相澤先生が既に居た。

 

 

「すみません。遅くなりました。」

 

「ゆうえいのふのめん……!」

 

……好きだねそれ。

 

「おう、渡我、悪いな呼びつけて。物間に頼みたいことがあったんだが、如何せん壊理ちゃんの精神と物間の食い合わせが悪すぎるんでな。」

 

「僕を何だと思ってるんですか?アッハハハハ!」

 

「「「……。」」」

 

「……傷原先生。緑谷はどうしたんですか?」

 

「あぁ……今爆豪くんと殴りあってますよ。もっと強くなるためらしいです。」

 

「…………それは……。」

 

「大丈夫です。オールマイトも居るので。」

 

「……わかりました。」

 

今のオールマイトなら多分大丈夫でしょう。

 

 

 

 

 

 

「どうだ?物間。」

 

「うん……スカですね……残念ながらご期待には添えられません、イレイザー。」

 

物間君の額に壊理ちゃんと同じ角が生えてる。コピーしたのかな。

 

「そうか……残念だ。」

 

「……スカ?」

 

「緑谷君と同じタイプって事。緑谷君も溜め込む系の個性なんだろ?きっと。」

 

ワンフォーオールは歴代継承者の力を積み上げた個性。……溜め込むタイプって言われたらそう。

 

「僕は個性の性質そのものをコピーする。何かしらを蓄積してエネルギーに変えるような個性だった場合、その蓄積まではコピーできないんだよ。」

 

「なるほど。だから物間くんの個性は……。」

 

物間くんが頷く。

 

「たまにいるんですよね。……僕が緑谷君をコピーしたのに力が出せなかったのはそういう理論です。」

 

「何でコピーをしたんですか?」

 

「壊理ちゃんが再び個性を発動させられるようになったとしても、使い方がわからない以上、またああなるかもしれない。だから、物間がコピーして使い方を直に教えられたら彼女も楽かと思ってな。……そう上手くはいかないか。」

 

「ごめんなさい、私のせいで困らせちゃって……私の力……皆を困らせちゃう……こんな力無ければよかったなぁ。」

 

壊理ちゃんが泣きそうだ。すると被身子ちゃんが視線を壊理ちゃんに合わせる。

 

「困らせてばかりじゃないですよ。忘れないでください?緑谷君を救けてたじゃないですか。使い方だと思うんですよね。……個性は素晴らしいものですよ。貴方の素敵な1面です。」

 

「……はい!私やっぱり頑張ります!」

 

被身子ちゃんって小さい子の扱い上手いよね。

 

どこで勉強したんだろ。

 

 

 

 

「そういえば…………相澤先生。私の個性はどうですか?」

 

被身子ちゃんの個性で壊理ちゃんに化けてって事?……なるほど。

 

「……あー……たしかに。」

 

「しかし……壊理ちゃんは先の事件でトラウマもある。そういう事をさせる訳には……。」

 

それもそうか……。

 

「……君の個性。僕のと少し似てるね。」

 

……?なんだろう。ちょっと違和感。

 

「……そうですね。言われてみれば。」

 

「……??」

 

壊理ちゃんが?顔。知らないもんね。

 

「被身子ちゃんの個性は、血を吸った相手に変身出来るんだ。そしてその人の個性を使える。もし使えたらそれを壊理ちゃんに練習として紹介できるんじゃないかなって。」

 

「え!?被身子お姉さん本当!?」

 

おや?予想外の食いつき。

 

「はい。壊理ちゃんにも変身できますよ♪」

 

「うわぁ〜すごいすごい!私!みんなの役に立ちたいんです!この力が……充分使えるようになったらきっと!皆よろこんでくれますよね!」

 

おや?ちょっぴりヒーローの素質。……あんまり考えないでおこう。

 

「…………大丈夫か?君の身体を傷付けることになる。」

 

「……少し怖いですけど……被身子お姉さんなら私にひどいことしないと思うので。」

 

「壊理ちゃん……〜ッ!」

 

被身子ちゃんが壊理ちゃんを抱き上げる。

 

「わわっ!?」

 

「壊理ちゃんっ!本当にかぁいいです!私嬉しいです!」

 

「えへっ……被身子お姉さんがうれしいと私もうれしいです!」

 

 

 

るんるんしてる2人は一旦放っておいて、

 

「相澤先生。少し試すならいいのでは?……物間くん。一応相澤先生の個性コピーしておいて。なにか不都合があってはいけない。」

 

「……わかりました。ブラッドロータス。」

 

「念には念を……だな。1度試してみよう。」

 

 

 

 

 

 

とりあえず試して見ることに。

 

「壊理ちゃん。じゃあ少しチクッとしますよ?」

 

「…………。」

 

やっぱり少し怖そうだな。

 

壊理ちゃんを後ろから抱きしめてやる。

 

「……あっ。流水お姉さん……。」

 

「怖いくないよ〜。怖くない。私がついてるからね。」

 

「…………はい!」

 

私が被身子ちゃんに頷く。

 

被身子ちゃんが壊理ちゃんに針を刺す。

 

「っ!」

 

「はい!終わりですよ。」

 

「……え?」

 

「流水さんお願いします。」

 

「はいよ〜。」

 

私が壊理ちゃんの血に触れて、ちょろっと血を抜く。

 

「わー……凄い!」

 

そのまま被身子ちゃんの口に。

 

「あーん…………美味しいです!」

 

「……その感想はどうなんだ?」

 

物間くんのツッコミを他所に、被身子ちゃんは笑ってる。

 

私は壊理ちゃんの傷口を血で塞いであげる。

 

「わ……血が出なくなりました!」

 

「ふふっ。すぐ終わったでしょ?」

 

「はい!」

 

壊理ちゃんは笑顔だ。一旦成功して良かった。

 

 

「じゃぁ……相澤先生、物間くん。行きますね?」

 

「ああ。何かあっても見ておいてやる。」

 

「大丈夫です。多分いけます。」

 

 

頼もしいね。これで暴発しても大丈夫だ。

 

ドロ……

 

被身子ちゃんが壊理ちゃんになる。

 

 

「わ……私がもうひとり……。」

 

「………個性……いきますね。」

 

被身子ちゃんが少し距離をとる。

 

ブワッ……バチバチバチバチ……

 

「…………なんか使えますね?頑張れば制御もできそうです。」

 

「相澤先生。物間くん。」

 

「はい。」

 

「分かりました。」

 

ギン

 

 

 

ドロ…………

 

「……変身終わっちゃいました。」

 

「凄い!被身子お姉さん!!」

 

「ありがとうございます。……でもこれを言語化するの大変ですね……。」

 

 

やっぱり精神状態なのかな……よくわかんない。

 

「それは渡我に任せる。何度も考えることがあるなら……協力する。物間も……その都度頼めるか。」

 

「当然です、イレイザー。僕も一応ヒーロー目指してるんですよ?」

 

「そうだったな。すまない。」

 

……物間くん言葉の節々に少し闇を感じるな。……過去に嫌なことあった?

 

 

 

 

一旦壊理ちゃんは相澤先生に任せて、私は被身子ちゃんと緑谷くんの様子を見に行くことにした。物間くんも一旦解散だ。

 

「物間くん。言いたくないことならいいんだけど……。」

 

「はい。なんですか?」

 

「なんでそんなに自信が無いの?」

 

「!」

 

びっくりした顔。当てられると思ってなかったのかな?

 

「……いきなりびっくりしますよね。流水先生はなんというか特別なので。」

 

「…………別にたいした理由じゃないですよ。脇役の個性って言われただけですから。」

 

脇役の個性……。酷い言い方だね。

 

「脇役の個性なんてないのに。折れなかったかどうかは知らないけど、ここまで上がってるのは偉いよ。胸はりな。」

 

「……ありがとうございます。そう言っていただけると幸いです。」

 

「物語には主役食う脇役だっているんだから。」

 

「!」

 

「あなたの人生はあなたが主役。他人は脇役。周りに負けんなよ。」

 

私だってずーっと脚光を浴び続けるヒーロー見てる立場だから。私の仕事は主役になれない。まぁ……楽しくてやってるんだけどね。

 

私は物間くんに笑ってやる。

 

「……わかりました。ありがとうございます。」

 

「じゃあ。私たちこっちだから。頑張れ〜。」

 

「はい。」

 

およ?なんか目つき変わった?いいことです。

 

 

 

「流水さんってサラッと人救いますよね。いつか後ろから刺されるんじゃないですか?」

 

「え!?なんでさ!!」

 

「……。まぁ私が守りますけどね?」

 

被身子ちゃんの諦めた顔!なんでよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

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