私のヒーロー   作:おいーも

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首輪

 

 

 

 

 

 

 

side 傷原流水

 

 

私が被身子ちゃんをお姫様だっこしてショッピングモールを出て面白いからもうちょっと歩こうと思ったら、被身子ちゃんからの抗議の目線が痛すぎた。

 

もったいないと思いつつ被身子ちゃんを下ろす。顔真っ赤で涙目の被身子ちゃん可愛い〜

 

 

「…………」

 

 

すみませんでした。調子乗りました。

 

 

「嫌だった?ごめんね?」

 

 

「……嫌なわけ無いです。ちょっと恥ずかしかっただけです。」

 

 

「そう…良かった。」

 

 

「何が良かったですか。私は散々な目に会いましたよ!あの二人にどう説明すればいいんですか!!」

 

 

ぷんぷん怒ってる被身子ちゃんも可愛いね。

 

でも…騎士はそろそろ姫の笑顔がみたいな?

 

 

「ごめんね?お詫びと言っちゃなんだけど……」

 

私は被身子ちゃんに手を差し出す。

 

 

「クリスマスデート……しない?」

 

 

 

「っ……しょっ……しょうがないですね。今回だけですよ。」

 

 

今は17時。この時期はもう外は暗い。イルミネーションの光は私達2人を夜の街に溶かしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わー……綺麗ですね。」

 

 

 

「イルミネーション……今年はだいぶ気合入ってるね?……明日以降はもっと凄そうね。」

 

 

手を繋いでただ歩くだけ。それでも何故か楽しい。きっとこれはイルミネーションのせいじゃないはず。

 

 

「明日……年末までお仕事なんですよね?」

 

 

「うーん……ごめんね?明日明後日がちょっと重めで……年末まで引きずる可能性があるから……明日とかの方が良かったね。イルミネーションもっと綺麗だろうし。」

 

 

「……別に…流水さんとデート出来る方が楽しいです。イルミネーションは関係ありません。」

 

被身子ちゃんの笑顔はいつ見てもいいものだね。最近は自然な笑顔を良く見せてくれるようになった。これも……成長だね。

 

 

「ふふっ嬉しい。ありがと。……ちょうどいいからクリスマスのケーキ一緒に選ばない?」

 

 

「!……はい!!一緒に選びましょ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちはケーキを選んだ後、とある丘のちょっとした公園に来ていた。公園の長椅子に二人で腰掛ける。

 

 

ここは私が好きな場所。この時期になると街の光とイルミネーションが見渡せる。

 

 

「わぁ……綺麗ですね!こんな場所あるって知らなかったです!」

 

 

「いいでしょ?パパに教えてもらったお気に入りの場所なの。」

 

 

「パパに?……この時期は忙しくてそんな時間取れるとは思えませんが……」

 

 

「……パパが忙しくなったのは私が就職してからだからね。……ちょっとだけ寂しいけど…しょうがないよね〜。時間が空けばケーキ持って行ってあげるよ。」

 

 

「……私も差し入れしてあげたいです。一緒に行ってもいいですか?」

 

 

「きっと喜ぶよ。一緒に行こ?」

 

 

「はい!泣いちゃうかもしれませんね?」

 

 

 

「ふふふっ」

 

「あははっ」

 

二人で笑い合う。他にも沢山お話をした。勉強のこと。訓練のこと。学校のこと。友達のこと。

沢山楽しそうに話す被身子ちゃんは、年相応の女の子って感じがした。

やりたかった青春ができてるみたいで嬉しい。

 

 

楽しい時間はすぐに過ぎるようで、時計を見るともう19時を回っている。

 

 

「……そろそろ帰らないとね。」

 

 

「……そうですね。……少し寂しいです。」

 

 

なんかそういう気分になっちゃったから……今渡そう。そうしよう。

 

 

「被身子ちゃん……はい。クリスマスプレゼント。」

 

 

「え?」

 

 

「だーかーら。クリスマスプレゼント。渡したくなっちゃったから今あげる。家に帰ってからも思ったけど……付けて歩いてる被身子ちゃん見たくなっちゃったから……。」

 

 

「……ありがとうございます。…開けていいですか?」

 

 

「……いいよ。要らなかったら付けなくていいから。」

 

 

「絶対付けます。肌身離さないです。」

 

 

「そ……そう?」

 

 

ちょっと食い気味に言われてたびっくりしちゃった。

黙々と可愛いラッピングを破らないように開ける被身子ちゃん。なんか最近私があげたものを全部収集してる気がする。

 

 

……嬉しいからいっか。

 

 

「これ……ブレスレットですか?」

 

 

「……うん。そうだよ?似合うと思って。」

 

 

金色の装飾と小さいピンクパールで作られた少し小さめのブレスレット。全体的な装飾は抑え目で、動きの邪魔にならないようにサイズは被身子ちゃんの腕に合わせた。

 

 

「……かぁいいです。本当にかぁいい……。…ブレスレット……ふーん…。」

 

 

「ど……どう?」

 

 

「気に入りました。本当に。付けてみて良いですか?」

 

 

「いいよ!是非付けてみて?」

 

 

被身子ちゃんが少しづつ腕を通す。壊さないように。丁寧に。

 

 

「……かぁいい。かぁいいです流水さん!………嬉しい。」

 

 

感極まって私に抱きついてくる被身子ちゃん。こんなに喜んでくれるなんて…

 

 

「良かった。似合ってるわ。被身子ちゃん。」

 

 

「一生大事にします。コレも……あなたの気持ちも。」

 

 

あ……ブレスレットの意味……気付かれて……

 

 

「帰りましょう流水さん。……私のプレゼントはお家で渡したいです。」

 

 

「あっ……えっええ。わかったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝静まる夜。浮かび上がる月明かりは、2匹の獣を照らす。

 

 

「んっ…はぁ……はぁ……」

 

 

「かぁいい。流水さん。……あっ」

 

 

「な……何?……あっ」

 

 

「クリスマスプレゼント……あげるの忘れてました。……お風呂からずーっとですもんね?」

 

 

「もっもう!……それで?プレゼントは?」

 

 

「気になります?……(ガサゴソ)……はいどうぞ。付けてあげます。」

 

 

 

被身子ちゃんが出してきたのは……黒くて……短くて……ワンポイントの肉球マーク……

ん?なにこれ?紐?

 

 

「な……なにこれ?」

 

 

 

「チョーカーです。」

 

 

 

「チョーカー?って……私の…首に……?」

 

 

「拒否権はありません。はーい♡」

 

「えっ……ちょっ……」

 

 

 

パチン

 

 

 

「あっ……」

 

 

「ふふっ……似合ってますよ♡……ブレスレットの意味……『束縛』……私はチョーカー……お似合いのカップルだと思いません?」

 

 

「や……やっぱわかって……」

 

 

それよりも!

 

「なっ……なんか……首が……」

 

 

「ムズムズします?首にモノ付けられて。……逃がしませんよ?絶対に。」

 

 

指が絡められる。体重をかけられる。逃げられないと本能に教えられる。

 

被身子ちゃんの顔……まるで捕食者の……

 

 

「かぁいい。流水さん。流水さん。……もう我慢できません。まだまだ……付き合ってもらいますね?」

 

 

「やっ……んっ……」

 

 

 

 

 

 

 

私……生き残れるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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