私のヒーロー   作:おいーも

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回収。そして謎

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

キュリオスを回収してからもう少し探索。2人ほど住民らしき人を見つけたので撤収。

 

異能解放軍は…………正直旗色が苦しい。

 

 

契約していたマンションに突撃。この時のために私名義で部屋は取っておいた。暮らせる家具も1式ある。

 

一旦3人をリビングに寝かして手当て。命に別状は無さそうだから大丈夫かな……。テレビをつけると既に泥花市のニュースが。大きな戦闘が起こってるらしい。……私は行けない。ごめんなさいベストジーニスト。

 

 

一応公安委員長にも連絡をしておく。

 

 

prrrr……

 

 

『はい。どうしたの傷原。』

 

「すみません。白灘睦月の個性と敵連合との関わりが確定しました。」

 

『……なんですって?……聞きましょう。』

 

「今日は別の地域に用事があったので赴いていたんですけど、白灘睦月を発見し追跡。泥花市内で個性を使って敵連合を招集し、一般市民と交戦。その中で被害にあった女性2名と男性1名を回収しました。今は治療済みですが……いつ目が覚めるか分かりません。」

 

『個性を使って……招集?』

 

「はい。白灘睦月の個性は身体に何らかの方法でしまい込む、もしくは取り出す個性らしく…………以前白灘睦月の知人に聞いてみたところ無個性なのも判明しております。……きっとオールフォーワンの息がかかってる存在かと。」

 

『…………敵連合が一般市民と交戦しているのも異常ね。』

 

「はい。……私は今治療で手が離せませんが、情報が聞けそうなら聞き出してみたいと思います。」

 

『……その言い方……病院じゃないわね?…………ハァ。わかったわ。またなにか厄介事を引き受けてるのねアナタ。』

 

「……すみません。」

 

『いいわよ信用してるから。情報が手に入り次第連絡をお願いね。』

 

「はい。お忙しい所失礼します。」

 

ピッ……

 

 

 

見透かされてたなぁ……すみません公安委員長。事実は話せないんです。

 

 

「……誰?」

 

!……キュリオス……起きて……

 

「気月さん!」

 

気月さんに近寄る。

 

「…………流水ちゃん…………私たちが……助けて貰ったのね。」

 

気月さんは視線を移動してほかの2人を確認したみたいだ。

 

「……すみません。精一杯で……。」

 

「違うの……私たち……リ・デストロと共に在りたかっただけだから。」

 

悲しそうな目。私がやったことは間違いだったのだろうか。

 

「……。」

 

「……作戦決行前。私たち幹部にだけ……流水ちゃんが来ることを知らされたわ。……助っ人じゃなくて…………私たちを生かす為にって。」

 

「!」

 

 

「耳を疑ったわ。……負けるつもりなのか……と思った。…………でもそうじゃなかった。……きっとリ・デストロは…………私たちが大切だったんだと思うの。…………流水ちゃんと会ってからよ?あの人が柔らかくなったの。…………私たちの解放者を何してくれるのよ。」

 

言葉は怒ってるが……顔は笑ってる。

 

 

「……楽しかったわ。この数年は。…………あなたと会うまでずっとずっと隠蔽して、工作して、力を付けて。ずーっとずーーーーーっと隠れながら権力と戦ってきた。武力でも。口でもね?……リ・デストロは辛かったと思う。……まぁそれも力に変えれるんだけれどね。」

 

「気月さんはそんな感じしませんね。」

 

気月さんの顔を濡れたタオルで拭く。包帯まみれだが……顔だけは怪我が少なかった。体は動かせそうに無いけど……リカバリーガールに言えればどれだけ楽だろうか。

 

 

「ええ。私はずっと楽しかった。…………でもあなたと会ってからのリ・デストロは笑顔が増えたわ。多分……みんなにも伝わっていたと思う。仕事の効率も……解放軍の準備もどんどん進んでいった。……本当に…………楽しかった。…………楽しかった……なんで…………四ツ橋さん。…………なんでよ。」

 

気月さんの涙。きっと本当に共に在りたかったと思うんだろう。

 

 

「……気月さん…………。」

 

「………………ごめんね……流水ちゃん…………助けて貰ってる立場で。」

 

 

「…………。」

 

「異能解放軍……負けそうだったでしょ?」

 

「………………私は何も言えません。」

 

「…………いいの。わかってる。……でも……私はリ・デストロを信じる。」

 

 

…………狂信者ですね。……言い聞かせてるだけかもしれませんが。

 

 

 

『現在ヒーローが大型敵の対処に負われています。このままだと……』

 

テレビのアナウンサーの声が耳に入る。

 

視線を向けると僅かに敵の映像が見える。大型敵……マキアとか呼ばれてた……え?

 

 

「なんで……?」

 

 

「どうして?」

 

 

「「リ・デストロが!?」」

 

 

ヒーローと戦ってるのはリ・デストロだった。

 

ベストジーニスト。エッジショット。シンリンカムイの3名とリ・デストロ。既にリ・デストロは血を吐きながら戦っている。ヒーロー側も満身創痍だ。

 

 

お互い……何も喋れず。何も言えず。ただ時間だけが過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やりました!ヒーローエッジショットの活躍により大型敵の破壊は終了し……』

 

 

「……なんでヒーローがいるの?」

 

「…………私が呼びました。……敵連合のしっぽが掴めたので。」

 

「……なんでリ・デストロがヒーローと戦ってるの?」

 

「…………分かりません。敵連合との勝負はどうなったんですか……?」

 

 

疑問が疑問を呼ぶ。ヒーローを呼んだのも、敵連合のしっぽが掴めたから。最悪逮捕だが、上手く行けば敵連合と戦った英雄にできる…………そう思っていた。

 

ただ映像を見るとどうだろうか。なんでリ・デストロがヒーローと戦っているんだ。なんで敵連合が跡形もなく消えているんだ。異能解放軍は?ほかのみんなは!!

 

ピッ。

 

テレビを切る。

 

 

「…………。」

 

「……流水ちゃん。もしかしたら……。」

 

「言わないでください。……死柄木弔の個性は知ってるつもりです。」

 

 

全滅。有り得てしまう。…………だがそれだとリ・デストロがヒーローと戦う意味が分からない。

 

……もしや白灘が全部収納させて……?容量がそこまであると思えない。泥花市だけでも何人いると思ってるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

………………もし出来たとしたら?

 

 

…………もしリ・デストロが死柄木弔に理想を抱いてしまったら?

 

 

……もしリ・デストロが敵連合を逃がすために戦ったのだとしたら?

 

 

 

 

最悪の想定。最悪の想像。多少信憑性があるのがタチが悪い。

 

 

「……気月さん。」

 

「流水ちゃん。……これは……。」

 

 

お互い口が重い。多分お互い同じ結論に至ってしまった。リ・デストロに不信感を抱いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「…………ここは……。」

 

「…………?」

 

2人が目を覚ました。……異能解放軍の2人。この話をどう切り出そうか……。

 

「私よ……2人とも。」

 

「キュリオス様!ご無事で!」

 

「キュリオス様!!我々がお守りできずっ……ぐっ!?」

 

2人とも起き上がるが痛みで顔が歪む。

 

 

「ちょっと!まだ治ってないんだから急に動くなっ!」

 

「……誰だ!」

 

「手当をしてくれたなら感謝するが……返答によっては……。」

 

 

なんで2人とも戦闘態勢なのさ!

 

「待って。2人とも。彼女こそリ・デストロが言ってた理想よ。手を出すのは許さないわ。」

 

キュリオスが手で2人を制止する。

 

「なっ!?この方が!?」

 

「まさか!!」

 

……理想?

 

 

「何それ。」

 

「リ・デストロがあなたのこと心酔してた時、ずーっと周りに理想だ!理想の実現だ!って言ってた時があったの。2人ともその時には居たはずだから……ちょうど良かったわ。」

 

 

「何それ!知らないんだけど!!」

 

顔あっつ!

 

「ふふふっ。……当然よ?私も貴方の事大好きだから当時のリ・デストロの発言に共感してたわ。」

 

少し含羞む気月さん。……キュリオス。

 

「理想様!手助け感謝いたします!」

 

「先程は申し訳ありません。」

 

 

「……異能解放軍の幹部は私の事好きすぎる。」

 

「ふふふっ。そうね?……本当にね。」

 

少しだけ悲しそうな顔。

 

……吹っ切るのは大変かもなぁ。……私もね?

 

 

 

 

 

 

 

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