side傷原流水
「…………。」
朝です。朝なんですけど……。
「すー……すー……」
被身子ちゃんに首と腰をロックされてて動けないです。
朝早く起きてチョコを作る予定だったのに……。
被身子ちゃんが昨日すっごく甘えて来て……私も目いっぱい甘えたんだけど。ハグしながら寝たらずっとこのままだったみたい。
寝返りどうなってるんだろう。被身子ちゃんの執念恐るべし。
でもこれはこれで……
「すー……すー……」
「……んへへ……。」
寝顔見れるので眼福です。可愛い。
……あ、そうだ。今なら好きなこと出来るじゃん。
なんとか被身子ちゃんの胸に顔を埋める。
「スーーーーッ……」
いい匂い……もう一種の麻薬だよこれ。依存性があります。大変です。
上をむくと被身子ちゃんの寝顔。幸せだ……。
「…………んぅ……。」
…………。
ちょっとなら起きないよね……?
「ちゅ……ふふっ♪シャワー行きましょ?流水さん。」
「は…………はひ……。」
寝てる人にいたずらなんてするものじゃないです……。
シャワーを浴びて、髪を乾かしてぺぺペットスキンケアを終わらせる。朝ごはんです。
「被身子ちゃん。ごめんね。忙しくてチョコ作れてないんだ。……渡すの夕方でもいい?」
素直に言う。こういう時は隠さない方がいいんだ。
「いいですよ!流水さんが忙しいの知ってますし……手作りじゃなくてもいいんですよ?」
「嫌。被身子ちゃんにはなるべく私が作ったものを食べてもらいたいから。」
「……流水さん……私もです。」
朝ごはんを終わらせて、歯磨き。少し時間に余裕が無いから手早く済ます。食器洗うのは今日無理矢理休み取った私がやるから大丈夫。
被身子ちゃんにお弁当を渡す。
「……あ、でも学食食べたいって思ったら食べてくれなくて大丈夫よ?」
「嫌です。」
キッパリ断られた。……愛されてるなぁ私。
「えへへ……じゃあ……いっぱい愛情込めたから……沢山食べてね?」
「………………。流水さん……どこでそんなの覚えたんですか。」
被身子ちゃんが自分の眉間を叩く。
「どこで……?なんの事?」
「……分からないならいいです。」
登校中。私は警備マン。
被身子ちゃんの手には紙袋。多分チョコだね?
「流水さんのチョコは手渡ししたいので……夕方まで待っててください♪」
「うん!交換こしよう!」
「はい。腕によりをかけたので……美味しいと思います。」
「美味しくなくても全部食べます。……被身子ちゃんが私を思ってくれたのに食べないなんてできないよ?」
「流水さん……ありがとうございます。」
全部好きだァ……被身子ちゃんの顔。手。匂い。髪の毛の1本まで好き。
あー……被身子ちゃん……被身子ちゃんのことしか考えられなくなる。
被身子ちゃんの腕にくっつく。
「……ふみゅ……。」
「流水さん……かぁいい。」
こうなると……ほかになにもかんがえられなくなるんだよね……とてもよくない。
けいかいだけはしないとね。
校門前で被身子ちゃんと別れ、早速チョコの材料を買いに行く。被身子ちゃん以外渡す予定ないから1人分でいいや。
大福作ろ。半日くらいあればできるから。ラッピングも買って……
まず中身。チョコレートを溶かして餡子と混ぜて丸める。ここの割合次第で口当たりが若干変わる。
外側は簡単。白玉粉と砂糖と塩。混ぜた後に水。あとは何度かレンチンして形になるまで混ぜる。何個かに分けて、餡を包んで、ココアパウダーかけて終わり。
チョコ餡大福。冷蔵庫入れてからラッピング作ろ。こっちも大事。
side渡我被身子
「ハッピーバレンタイーン!」
「芦戸ちゃんどうぞ。」
「わーい!ありがとう渡我ー!」
芦戸ちゃんにいっぱい作ったカップケーキをあげる。流水さんのは特別製なのでまた別です。
「食べていい?」
「いいですよ?」
「私も〜!!」
「葉隠ちゃんもどうぞ。」
「やったー!」
「「おいしー!!」」
「良かったです。」
「渡我料理うまっ……えぇ……これ美味し。傷原先生毎日食べれるの?羨ましい。」
耳郎ちゃんも美味しそうです。皆さんの舌にあって良かったです。
「被身子ちゃん。私のチョコも受け取って欲しいわ。」
「ウチも!みんなで用意したんだよね!」
「交換会だ〜!」
みんなでチョコの交換会。皆さんのチョコ美味しそうです。……八百万ちゃん?なんかコレすごく高そうですけど……?
あとは……
なんかソワソワしてる男子連中にあげましょうか。
「渡我!ありがとう!!」
「神様仏様渡我様!ありがたや〜!」
「渡我さん!ありがとう!」
「いいですよ。本命は流水さんなので。」
「義理でも嬉しいんだ…………。」
峰田くん……何があったかは聞かないでおきます。
それと……
「爆豪くん。チョコあげます。」
「……あ?……ありがとよ。」
「……かっちゃんが…………チョコ!?初めてじゃん!良かったねかっちゃん!!」
「あぁ!?るせぇぞ出久!!余計なこと喋んな!!」
「初めてなんですか…………プププ。初めてが他人の女でごめんなさいね?」
「変な謝り方するんじゃねぇぞ!ゴミが!!」
「爆豪〜私もあげる〜。義理だよ。」
「私もあげる。義理だよ。」
「ケロケロ……私もあげるわ。義理よ。」
「爆豪さん。私からもどうぞ。義理です。」
「おちょくってんじゃねぇ!!!」
BOM!
そんなこんなでA組にチョコの配布も完了したので、あとは……B組の女子と流水さんにあげるだけです。……なんだかんだ流水さんに渡すのが1番緊張します。
「えぇ〜渡我いいの?ありがとう!」
「嬉しい〜!」
「ごめんね?私A組の分まで用意してないんだ……。」
「いいですよ?私もB組の女子の分しか用意してないので。」
「「「えーっ!!」」」
「うるさいよ!渡我は傷原先生がいるんだ。そもそも貰っても義理だからね!」
「拳藤ちゃん……そんなビシッと言わなくても……。」
「なんかの間違いがあったらダメでしょぉ?」
「そうデス。変な勘違いする子はどこにでもいマス。」
取蔭ちゃん……角取ちゃん……
「そうですかね。……そうかもしれません。」
「ん。それがいい。」
「ありがとうノコ。ホワイトデーはお返しするノコ!」
「はい。お待ちしてますね。」
B組を後にする。B組の人たちもいい人いっぱいなんですよね。……A組が問題児だらけ?それは言わない約束です。
放課後。流水さんと一緒に帰宅。
「じゃあ……流水さん。ハッピーバレンタインです。」
冷蔵庫である程度冷やしていたカップケーキを渡す。
頑張ってチョコでデコレーションをしたケーキ。
「うわぁ……綺麗。可愛い!ありがとう!……食べるのもったいないよ……。」
「食べてくださいね?」
「食べるけどさぁ…………写真撮らなきゃ。」
パシャ……パシャ……。
「ふふっ。流水さん?」
「はい。わかってるよ?被身子ちゃん。ハッピーバレンタイン!」
なんか……凄い包装してあります。なんですかこれ。流水さんがやったんですか?
「これ流水さんが……?」
「そうだよ。包み方は元々知ってるからね。」
……何も言わないです。
包装を開けて、箱を開く。
「これ……チョコ大福ですか?」
「うん!食べてみて?」
「はい……。」
流水さん……本当に多芸ですね?追いつける気がしません。
「……ん〜!おいひいです!」
「えへへ〜!良かった!被身子ちゃんのも食べていい?」
「はい……不味くは無いと思いますけど……。」
「美味しそ。……あーん。」
1口。……どうでしょうか……。
「美味しい!」
「よかったです!」
「へへ……どこが不味くないなの〜?全然美味しいじゃん。」
流水さんが頭を撫でてくれる。
「……ありがとうございます。嬉しいです。」
「うん。一緒に食べよ?紅茶入れるよ。」
「はい!」
とりあえず今年のバレンタインも……成功ですね。