私のヒーロー   作:おいーも

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最高のコンビ

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

「……マウントレディ。勝てると思います?」

 

「……無理でしょ。」

 

ですよね。私もそう思います。

 

「…………マウントレディ。全員に伝達してください。動けるヒーローは総員ギガントマキアの行動ルートの市民に迅速な避難対応を。」

 

マウントレディは覚悟したような顔をする。

 

「…………わかった。」

 

 

マウントレディの肩に血を使って飛び乗る。

 

「……なので動けるヒーローは避難誘導お願いします。……あれ?どしたんですか?」

 

「マウントレディ。私があなたを強くします。……一緒に戦いましょう。」

 

「あなたが私を……強く?」

 

ギガントマキアが突撃してくる。すぐさまボンベを全部開ける。

 

 

「来ます!マウントレディ!拳を振り抜いてください!!」

 

「えっ!?……わかった!!!」

 

 

マウントレディの右拳に操作した血でコーティング。

 

硬度と質量をあげた重い一撃がギガントマキアの顔面を捉える。

 

 

 

「うぉらぁっ!!!」

 

「ぐっ!!?」

 

ドガァン!

 

 

 

ギガントマキアが軽く仰け反る。

 

「えっ!!?行けた!キタコレ!!!」

 

満面の笑み。何かが掴めた実感は誰でも嬉しいものです。

 

 

「これなら行けますね。壊れるまで補強し続けます!!」

 

時間を稼ぐならこれで充分!

 

「ありがと!そういえば名前聞いてもいい?」

 

こんな場所で自己紹介もなんですが……たしかに呼び名を知ってた方がいいですね。

 

「ブラッドロータス。傷原流水です。好きな名前で呼んでください。」

 

「ブラッド……ロータス…………神野の人!?」

 

覚えてたんですか?凄いですね。

 

「あの時はありがと!感謝もできないしブラッドロータスの事務所なんて探しても無かったし!モヤモヤしてたんだよね!」

 

「そう……ですか?顔を出せずに申し訳ありません。」

 

 

マウントレディが少し笑う。

 

表情がコロコロ変わる人だな。こういう人は話してて面白いですね。

 

 

「頑張ろうね!流水ちゃん!」

 

流水ちゃ…………軽いですね。

 

「……ふふっ。それでいいですよ。マウントレディ。」

 

「ノンノン!岳山 優(たけやま ゆう)。私の名前!」

 

「……優ちゃん。私たち最高のコンビです!」

 

「最強タッグキタコレ!!」

 

 

 

ギガントマキアがまた突撃。

 

「両腕固めます!!カウンター気味に構えてください!!」

 

「あいよ!!!」

 

 

マウントレディの全体重×

 

個性最高硬度×

 

相手のスピード=

 

「ドラァッ!!!」

 

 

 

 

圧倒的な破壊力

 

 

 

 

「ウグォッ!!!」

 

ギガントマキアが大きく仰け反る。

 

 

「キタコレェ!!」

 

「……『レッドミサイル』とでも名付けましょうか。」

 

「いいじゃんかっくいい!!」

 

 

「…………えらく頑丈な蝿。」

 

本格的に敵認定されましたね……。

 

「ここから正念場です。」

 

「いけるよ。絶対死ぬ気で時間稼いでやる!」

 

「やりましょう。優ちゃん。」

 

「うん!流水ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォ!!

 

「っつぁああっ!!!」

 

 

私はアスファルトの叩きつけられる。

 

すぐ立て。今すぐ立て。まだ立て。

 

目の前にギガントマキアが迫る。

 

 

「優ちゃん!!!」

 

「キャニオンカノン!!!」

 

優ちゃんが後ろから飛び蹴り。

 

ドガァッ!

 

後頭部にヒット。

 

 

「ぐぅうっ!!」

 

そのままギガントマキアの前に。

 

 

「流水ちゃん!こっち!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

 

優ちゃんの肩になんとか飛び乗る。

 

「はぁ……はぁ……。」

 

「はぁ……はぁ……相当キツいね。」

 

「……何分稼げたでしょうね。」

 

 

優ちゃんが頑張ってギガントマキアと殴り合いしてくれていたが、猛進を止められず既に市街地に入りつつある。

 

もしまだ被害が多いようだったら……敵連合の連中は触れない。

 

正直……これまで殴っていて……勝てる見込みがほぼない。

 

睡眠薬の効きも悪い。

 

優ちゃんへのダメージも……私へのダメージもどちらも蓄積されている。持ってあと数分。

 

 

「……睡眠薬が少しでも効いてくれたら…………。」

 

「全くそんな気配ないね。」

 

「後継ィイイイイイ!!!!!」

 

私は優ちゃんの耳元で囁く。

 

「……なんとか生き残れたら美味しいもの食べに行きましょう。」

 

「いいね。約束ね?」

 

 

私達はまた……底が見えない恐怖と立ち向かう。

 

「「レッドミサイル!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ますか!…………ねえ!…………!」

 

 

 

 

 

「……レディも発見……早く……!」

 

 

 

 

 

「傷原先生!生きていますか!!救急車!!!」

 

 

「マウントレディ……まだ息がある!早く運べ!!」

 

ここは……どこ……だ。

 

 

「血が止まらない!!止血!早く!!!」

 

ギガントマキアは……?なんで私は倒れてるの。声が出ない。……何が…………

 

「担架はまだか!!」

 

優ちゃん…………なんで倒れて…………

 

血が……

 

もう……意識が…………

 

「私に任せて欲しい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

 

病院。私は今流水さんのベッドの横に居ます。

 

流水さんはまだ目を覚ましません。3日間……寝たまんまです。

 

リカバリーガールに少しづつ治して貰ってるんですが……起きる気配が無く……。私も病院のお手伝いがあるので長く居れませんが……流水さん。

 

ギガントマキアと戦っていたと聞きました。足止めをしていたと……。

 

その時間およそ20分。あとは残りのヒーローが死者を出しながら5分足止めに成功。避難をほぼすませ、ヒーロー以外の死者0というとんでもない結果に終わりました。……それも……流水さんとマウントレディさんが頑張ったおかげ……らしいです。

 

その後ベストジーニストさんのお陰でなんとか一命を取り留めました。

 

Mr.コンプレス、ギガントマキアの確保に成功。

 

 

 

ただ……死柄木弔……敵連合には逃げられました。敵連合だけではありません。群訝山荘跡にいた敵も姿を消したらしいです。

 

それに何人もヒーローが死亡。その中には……ミッドナイト先生の姿も。

 

私は…………何も出来てないです。ずっと避難者の誘導と警護に当たってました。何が起こったかも……何をしていたのかも……全部言伝でしか聞けません。

 

現場にいたのに……蚊帳の外です。私は……何ができたんでしょうか。全部最善だったのでしょうか。

 

 

分かりません。

 

流水さん…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

 

「…………。」

 

光が瞼を広げる。

 

「…………ここは。」

 

 

知らない天井……全身に包帯とギプス。そして倦怠感。

 

「…………病院か。ここ。……だったら」

 

 

ナースコールを押す。これで人が…………

 

「流水さん!!!」

 

被身子ちゃんめちゃくちゃ早い。

 

 

「おはよ。……だいぶ怠いね。」

 

「命があって良かったです…………本当に心配したんですからね?」

 

 

被身子ちゃんが泣きそうだ。

 

「うん。無茶しちゃってごめんね?……結果はどうだったの?」

 

「結果ですか?それは…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ギガントマキアとコンプレス確保。……死柄木弔は敵連合と共に撤退。……ミッドナイト先生の死亡…………ですか。」

 

思ったより……酷くは無いですね。……ですが……ミッドナイト先生……。

 

「……はい。あまり世間の当たりもいいものとは言えません。」

 

「そうでしょうね。死者はほぼ出なかったとはいえ……結果としては負け……と言っても過言じゃないからね。」

 

 

 

スマホでネットニュースを見る。

 

『ヒーロー大敗北!?』

 

『大被害!ヒーローは一体何をしているんだ!』

 

『このまま日本は敵の魔の手に…………!?』

 

 

 

好き勝手書かれてますね。安全圏から批判できる楽な人はいいですよ。

 

「これがヒーローの評価……ですか。」

 

 

「うん。オールマイトがヒーローをコンテンツ化した弊害だね。市民は被害がなくて当たり前。守られて当たり前。助けて貰って当たり前。…………その上このようなことがあると批判。批判。批判。……ヒーローをなんだと思ってるんかね。」

 

「傷原。」

 

リカバリーガールが顔を見せる。

 

「そこまで愚痴れるなら相当元気だね。」

 

「……なんとかですね。」

 

 

「……あんたを今から全力で治す。治ったら病院にカンヅメになってもらうよ。」

 

怪我人が……リカバリーガールが回りきれないほど居るんでしょうね。しょうがないですね。

 

「……はぁ。わかりましたよ。リカバリーガール。」

 

「私も一緒に頑張ります。」

 

二人で病院に寝泊まりだね。いったい何日かかることやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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