昨日の夜更新が途絶えて申し訳ありません。
愛猫が空に行きまして……少しメンタルが持ちませんでした。
今日からまた何も無ければいつも通り再開する予定なのでよろしくお願いします。
side傷原流水
「んぇ?被身子ちゃんとの馴れ初め?」
「はい!聞いたこと無かったなって!」
訓練の休憩時間。今日は私も顔を出したけど……みんな体力ついたね。ちょっとやそっとじゃ疲れなくなってるじゃん。偉い偉い。
その間……芦戸さんと麗日さんに声をかけられた。
被身子ちゃんは今別の子達とお話してる。……爆豪くんと飯田くんと八百万さんと耳郎さん……何の話だ???共通点が思いつかん。
「……休憩中だからいいけど、訓練に支障をきたしたら許さないよ?」
「「はーい!」」
いい返事。返事だけにならないようにね?
「よし。ならいいよ。……どこから話したもんか……。被身子ちゃんが年齢1個上なのは知ってるよね?」
「はい!入学して少ししたら被身子から言われました!」
「年齢1個上なんやねぇって……大人に見えた!」
「よしよし。まぁこの辺はプライベートだから知らない体で話すんだけど、私が被身子ちゃんと会ったのは、公安のお仕事中。犯人を追い詰めて拘束した後に会ったの。」
「ひゅー!それって凶悪犯から助けたってことですか!?」
「白馬の王子様だったってことですか!」
そう思っちゃうよねぇ〜。
「…………白馬の王子様だったことは多分確かだけど、ちょっと違うんだよね。」
「「??」」
「その犯人……もとい犯人グループは、違法薬物売買+強盗致死で捕まえに行ったの。」
「……誘拐とかじゃなくて?」
「うん。誘拐だったら私単独で行かないよ。単独よりももっと解放が早い複数人のプロヒーローに任せる。私が出動する時は基本的に『お互いに生死は問わない』だからね。」
「……そうなんですね。」
「しんみりしちゃったかな?とりあえず続き話すけど、被身子ちゃんはこっちの手違いがあって現場に入り込んじゃった子だったのね。」
「え!それってマズいんじゃ……。」
懐かしいなぁ……あれが無かったら被身子ちゃんと会うことも……付き合うことも……婚約することも無かったんだね。
「そうだね。すっごくマズい。……まぁ事が終わった後だったから大丈夫だったんだけど、私が会った被身子ちゃんは憔悴してた。」
「憔悴……?」
「うん。憔悴。見てられないくらいに。……これ以上はプライベートの事情が挟むから私の口からは言えないんだけど、その後なんやかんやあって一緒に暮らすようになったんだ〜。」
「なんやかんやで端折り過ぎている!」
「それじゃわかんないよ先生!」
「あっはっはっは!これは私じゃ話せないのだ!被身子ちゃんの直接聞くんだね!」
「うぐぐぐ……気になっちゃう……!!」
「訓練に……支障を……?」
「「きたしません!!」」
「ならよし。そろそろ休憩中終わりだから頑張ってね。」
「はぁーい!」
「先生!ありがとうございました!」
うん。恋バナしたいなんて思春期の子達じゃないか。……こんな子達も戦力に入れてるんですよね。
…………嫌な時代になったもんです。
「はーい!訓練再開するよ!集まる!!」
「「「はい!」」」
あなた達を死なせないために私……頑張るね。
side渡我被身子
「……お話?」
「うん。被身子ちゃんに聞きたいことがあって。」
夜。またいつものように流水さんを皆さんにお貸ししてる時、お茶子ちゃんに話しかけられた。
皆自分のことしたり、流水さんと話したりしてて私とお茶子ちゃんの2人きり。
とりあえずお互いソファに座る。
「聞きたいことですか?いいですよ。」
「傷原先生との馴れ初め聞きたくて……」
あー……そういう系ですか。
「お昼に少し聞いたんだけど、やっぱり気になっちゃって……芦戸ちゃんも来る予定だったんだけど……もう寝ちゃってて。」
お昼の流水さんと話してたのはそういうことだったんですね。少し……っていうのは何処までなんでしょうか。
「何処まで聞きました?」
「犯罪グループ捕まえた時に被身子ちゃんに会って、色々あって一緒に暮らしたって言われた。色々がわかんなくて……モヤモヤしてたんだ。」
「……そう……ですか。」
……お茶子ちゃんになら話してもいいかも。……隠すことでもないですし。血……好きなのバレちゃってますし。
「嫌ならいいんだよ!?好きな人との思い出大切にしたいのはわかるし!」
お茶子ちゃんらしい配慮ですね。……でも
「……それ自分も好きな人がいるって白状してませんか?」
「バッ……そんなことあらへんし!全然アレだからね!?えっとその…………モゴモゴ……」
「……まぁそれは追々言及するとして。」
「お手柔らかにお願いします…………。」
なんとなく誰かわかってますしね。……隠せてると思ってるんでしょうか。かぁいいです。
「ん〜……刺したんです。」
「……え?」
「だから……刺したんです。流水さんを。」
「刺し……え?」
何も理解できないっていった顔ですね。
「私は血が好きです。……両親はそんな私を心底嫌がって……抑圧しました。だから私は我慢しました。普通になろうって。みんなの前で作り笑いしました。個性を隠しました。いい子を演じました。」
……嫌な思い出です。
「…………。」
「忘れもしません。1度目の中学三年生の春。我慢してきたそれは……路地裏から香る匂いに揺らされました。……流水さんの血でした。」
「……あ、個性。」
「はい。血を扱って地を舞う流水さんは……それはそれは美しく……舞った血の匂いは……私が心から求めていた甘美なものでした。今まで守ってきた薄い薄い……自分の守り方も知らない子供が作った倫理観という壁を崩すなんて訳もない程に。」
「…………。」
お茶子ちゃんの顔が見れない。……すごく不安です。……だって私……半分敵みたいなものなので。
「それでカッターナイフを持って流水さんの前に出ちゃいました。欲しい。舐めたい。吸いたい。口に含みたい。…………私の血に対する欲求は……もはや自制心を踏み潰し、本能のままに動いてました。…………抑圧ってダメですね。本当に。」
「……そう…………だね。でもそのままだと捕まっちゃうんじゃ……!」
「そうんなんですよね。捕まるハズなんですよね。……普通は。流水さん何て言ったと思います?」
「……え?拘束して来たんじゃ……?」
「『いいわよ。おいで。』ですよ?」
「……え?」
「そんなん言われたらねぇ……?当時の私はなんの躊躇いもなく流水さんの首を切りつけ、血を吸いました。抑圧されてた私からしたら……その血の甘美な事。口の周り……どころか制服まで血だらけになっても吸うのを辞めれませんでした。今でも流水さんの血がいちばん美味しいです。」
「えっ……ちょっと……切りつけた?」
「はい。流水さん押し倒して首にブスって。」
「…………。」
「まぁ正気に戻るのも早かったんですけど。その後何故か流水さんに許してもらって何故か家に囲い込まれて何故か一緒に生活しました。」
「……傷原先生なんというか……凄いね?」
優しい……だけじゃないですね。
「そうですね。私以外にも色んな人助けてるみたいですし……私も何人も会わせてもらいました。……その全部が流水さんの優しさに助けてもらったのが大きいと思います。…………多分ですけど、最初私と付き合ったのは……私の精神状態的に最善だと思ったから……だと思うんです。」
「……え?嘘だったってこと?」
「はい。嘘って言い方はあんまり良くないんですけど、流水さん……好きとか恋とかがわかんなかったみたいで、でも私の事1番に考えて自らを差し出してくれました。一緒の学校にも来てくれましたしね?」
一旦深呼吸。
「……流水さんは頭のネジが何本もハズれてるんですよ。自分のことを無価値ではないけど代替品もあるって思ってるんです。だからこそ自分の弱点も理解してるし、緑谷くんを自らと同じ道に行かせないように必死なのかなって。」
「……そう……なんだ。凄いね。傷原先生。……ありがとう。被身子ちゃん。」
突然の感謝。お茶子ちゃんは優しい目をしている。
「……?何かしましたっけ?」
「一緒のクラスになってくれて。……被身子ちゃんが居たから傷原先生と会えたし、このクラスに会えた。……被身子ちゃんと友達になれて良かった。」
「…………私は流水さんが雄英出身だったから行きたかっただけで……あんまりほかの感情はないです。」
「……うん。」
「……でも。このクラスも悪くないかなってちょっとだけ思いました。」
「……良かった。」
「はい。」
「ぐえっ!」
「うわぁ!爆豪の次は緑谷も負けんのかよ!」
「先生腕相撲強すぎるだろ!」
「あんまり私を舐めないでね?個性無しのフィジカル勝負で学生になんて負けないんだから。」
「次障子!頼むよ!!」
「異形個性でもかかってきなさい!」
「B組つれてこい!障子勝てなかったらA組終わるぞ!!」
「何してるんですかね?」
「いいんじゃない?あれも傷原先生の親しみやすさだよ。」
かぁいいですね。流水さん。本当に。