私のヒーロー   作:おいーも

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不安要素

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

「分倍河原と飛田が……ですか?」

 

「ああ。」

 

警察署。塚内さんからの報告があるとの事で顔を出した。

 

「あの二人が……敵脱走を止めた……と。」

 

「ああ。2人で協力して……お互いほぼ無傷で全員拘束。飛田はともかく……分倍河原は君のサポートのおかげだ。ありがとう。」

 

分倍河原仁と飛田弾柔郎。敵名トゥワイスとジェントル・クリミナル。2人の元敵が2人で世界の危機に抗った。…………私の活動は間違ってなかったのだと認識させられる。

 

「それで……分倍河原が君に会いたいと。話がしたいそうだ。」

 

「…………分倍河原は何処に。」

 

久しぶりになりますが……会ってみたい気がしますね。

 

「もう来てもらっている。断らないだろう?」

 

「……なんでもお見通しですね?」

 

「何年一緒に仕事してると思ってるんだ。オールマイト程じゃないが君のことは知ってるつもりだ。」

 

「ふふふっ……なるほど。何処でしましょう。」

 

「この部屋でいいか?一応警官も追加で2人つける。」

 

「はい。何かあれば私に任せてください。」

 

被害を抑えたとはいえ……服役中の敵ですからね。用心に越したことはないです。

 

「頼りにしているよ。なにか飲むかい?」

 

「水じゃなければなんでもいいです。」

 

「…………はぁ。用心深いね?」

 

……流石分かってますね。武器はあるだけいいですから。

 

「彼の個性はそれだけ異常な強さをしていますから。」

 

「アイスコーヒー持ってくるよ。ホットは辛いだろう?」

 

「なんでもいいです。いざとなったら熱も武器になります。」

 

「……君のその姿勢には恐れ入るよ。」

 

「褒め言葉として受け取っておきますね。」

 

 

 

 

塚内さんは少ししたらアイスコーヒーと、警官2名に連れてこられた分倍河原仁を部屋に通す。

 

「はぁッ!!あんた!!会いたかったんだよォ!」

 

分倍河原は座る前から私の顔を見ると笑顔になって駆け寄ろうとする。

 

2人の警官に止められてたけど。……しょうがないですね?

 

 

「分倍河原仁。私も会いたかったですよ?心の調子はどうですか?」

 

「そりゃもう絶好調になりつつあるぜ?俺の話をしっかり聞いてくれる先生と仲良くなってよ!先生も回復の速さに驚いてるようだったぜ!あの先生手配してくれたのもあんたなんだろ!?ありがてぇよ!感謝したくっても会えなかったらからよ!今日会えて嬉しいぜ!」

 

分倍河原が身振り手振りで捲し立てる。本当に嬉しそうです。良かった。

 

コーヒーを1口。

 

「……聞きましたよ。刑務所ひとつ……大脱走から守ったんでしたっけ?」

 

「あぁ!アレか?俺はほぼなんもしてねぇよ!増えてただけだ!もう1人のおっさんが全部やってくれた!俺はサポートだ!」

 

……あなたも私からしたら充分脅威ですよ?

 

「……飛田は並のヒーローじゃ太刀打ち出来ないくらい強いですからね。納得です。」

 

「飛田っつうのかあのおっさん。あのおっさんとも仲良くなれそうな気がすんだよな!出所したら住んでる場所教えてくれよ!」

 

「ふふっ……出所した人の住所は機密情報ですよ?…………分かったら伝えます。」

 

「いいのか!?ありがてぇ!!」

 

塚内さんに困った顔される。……いいでしょ。少しくらい許してください。

 

「……それで?本題に入りましょうか。」

 

「あっそうだそうだ!俺よォ!知っちまったんだよ!オールフォーワンっつうヤベェやつが今日本を襲おうとしてるんだろ?個性奪うヤベェやつなんだろ?」

 

「……そこまで知ってるんですか?」

 

少しだけ……警戒レベルが上がる。……他の皆も同様だ。

 

「知ってるぜ?刑務所で捉えたやつから聞いたからな!なんでも……闇の……なんだっけ?らしいぜ!あんたらも大変だな!」

 

…………そこまで知ってるんですね。

 

「それに関してはあなた達がひとつでも刑務所を抑えてくれたから多少楽ではありますね。」

 

「お!嬉しいね!そんでよ!俺の個性奪われたら大変じゃね?って思ってよぉ。俺を何処かに匿まえねぇか?」

 

「「「!」」」

 

「……なるほど。安全な場所を提供して欲しいと。」

 

「一旦でいい一旦で。ことが終わったらまた刑務所戻ってもいいから!俺が……俺の個性がまた悪さしたら……あんたと先生に顔向けできねぇからな!」

 

……自分の事じゃなくて……他者を想いやれるようになりましたか。

 

「……あなたは本当に変わりましたね。」

 

「?……なんの事だ?よくわかんねぇからまぁいいや。それでよ!少しだけでも考えてくれねぇか?」

 

希望に沿ってやりたいが……難しいね。

 

「……塚内さん。」

 

「……考えることは出来るが……すぐにというのは難しいな。そもそも……オールフォーワンが君の個性を探知してるかどうかすら怪しい。君の個性は強力だ。オールフォーワンが使用することになれば……確実に日本は負ける。……一応……セントラルに匿える事は出来ないことは無いが…………少し手続きが長引きそうだ。」

 

「……そうか…………じゃあやっぱり俺はどうにかこうにか逃げるしかねぇってことだな!」

 

少しだけシュンとするがすぐに立ち直る。

 

逃げ回るだけだと相当不安ですね。

 

「…………壊理ちゃんとイレイザーヘッドと並んで最重要人物の可能性ありますね。盗まれたら終わりの個性です。」

 

「……確かに相当に厄介だな。どうしたものか……。」

 

「…………私が無理言ってかけあえば……もしかしたらどうにかなりそうですけど……セントラルにそんな余裕があるとは思えません。」

 

「……人員もだいぶ減っている。我々のわがままだけで仕事をしてもらうのも……相当酷だろう。」

 

「……すまねぇ!俺が変なこと言ったばっかりに!」

 

分倍河原が頭を下げる。……うーん。

 

そうなると…………頼みの綱は……雄英ですか。

 

「ちょっと待ってください。」

 

 

根津校長に連絡を……

 

スマホを取り出す。

 

 

 

 

Prrrr……

 

『こちら根津。僕だよ。』

 

「根津校長。傷原です。少し相談したいことがあって。」

 

『……聞こうか。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがてぇ……ありがてぇ……なんであんたの周りはいいやつしか居ねぇんだよ!」

 

「……傷原くん。この人は本当に敵トゥワイスだったのかい?」

 

「はい。精神状態がそうとう良くなったみたいで……私も嬉しいです。」

 

「精神状態……か。大変だったのだね。彼も。」

 

「そうですね。」

 

今……分倍河原は雄英高校……と言っても隔離部屋みたいなものを作ってもらって、その部屋に拘束された状態で居る。一応服役中の元敵だしね?

 

分倍河原の個性と、奪われることになった場合の最悪の想定を根津校長に相談した結果セントラルに匿う、もしくはまた刑務所に送る事が出来るまでならという交換条件だが飲みこんでくれた。本当に有難いです。

 

 

「……彼の個性は……悪用される訳にはいかないからね。ここで守るのが1番安全だろう。」

 

「無理言ってすみません。彼の事……よろしくお願いします。」

 

「いいよ。君には頑張ってもらっているからね。……1年ヒーロー科の指導。よろしく頼むよ。」

 

「はい。任せてください。目標日まであと2日。しっかり追い込みます。」

 

「うん。頼りにしているよ。」

 

 

「分倍河原仁。私たちは一旦これで失礼します。……また顔を見せに来るので……なにか仕出かしたら許しませんよ?」

 

「しねぇって!なんならなにか手伝わせて欲しいくらいだ!俺の個性は役に立つぜ?」

 

「ふふっ。その時がきたらお願いしますね?」

 

「ああ!任せろ!」

 

私たちは部屋を後にする。

 

 

 

「……あのような快活な青年でも敵になれてしまう社会だったとは……。いたたまれないね。我々が作った社会だ。」

 

「校長が気にすることじゃないですよ。……我々が変えていかなくてはならない社会です。」

 

「……まずは目先の事案だ。そうとう大きいよ。」

 

「皆で乗り越えますよ。Plus・Ultraですよね?」

 

「……私はいい生徒を持ったものだね。」

 

「お互い様ですね。」

 

 

 

 

 

 

 

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