私のヒーロー   作:おいーも

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戦争まで……

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

「次善策、第二次決戦に向けて必要事項をまとめてきました。青山少年は現在検査結果を待っています。」

 

 

セントラル内部、私とオールマイトとホークス、警察の方々等関係者を集めての作戦会議。……1人イレギュラーがいますが……。

 

「青山の件で我々は一気に動きを制限される事になった。ここにいる者は様々な状況証拠や動向からシロと判断し話を進めます。」

 

「エンデヴァーさんやジーニストさん主力ヒーローには現場指揮を執ってもらいます。緊急ですが内密な会議という事でとりあえず安全第一、少数で進めます。」

 

 

 

「そのことは承知の上……とは言え……流子たちは来れないのサビしーにゃん。」

 

ピクシーボブ。……なんで私を膝の上に乗っけてるんですかね?安心するならいいですけど。

 

「すみませんね。メンバーを疑っているワケじゃないんです。」

 

「にゃ。」

 

「にゃ。」

 

 

「何してるんですか。とっとと始めますよ。」

 

「ごめんね?死柄木たちにあちきのサーチ悪用されてるにゃんね。全力で協力します。聞かせて、その必要事項ってやつ。」

 

 

 

「これは最善・次善に拘わらず必ずやらなければならない事。」

 

オールマイトが絵が書かれているカラーマグネットをホワイトボードに付けて、それを分断するように直線を記入。そのカラーマグネットには手と…………なにあれ?男梅?が描かれている。

 

 

「分断です。スターアンドストライプ戦のレコーダーを観る限り死柄木弔の強さはオールフォーワンを優に超えている。そしてそのオールフォーワンの力も神野戦を見た者なら承知の筈だ。プラス、タルタロス襲撃時に見せた電波を用いた連携に加え思考の共有がどこまで可能かも不確定。」

 

あ……あれオールフォーワンですか。

 

 

「二人が揃って出てくるだけで我々は勝てない。」

 

「じゃあスターの時に何故連中それをしなかったんだ?」

 

アメリカのチームさんですね。スターアンドストライプをサポートしてた……ご協力感謝します。

 

「名を呼ばれる事を避けたんでしょう。新秩序のルールならオールフォーワンと呼べば成立してしまうだろうから。」

 

「第二次決戦においては最低でも10km以上二人を引き離す……これが我々の勝利に必要な最低前提条件。」

 

 

「泥のワープの話ですよね?」

 

「ああ。あのワープは黒霧のワープの劣化とみていい。それも5km以上は飛ばせないと仮定する。」

 

「……一旦そうしましょう。遠すぎても救援が大変ですしね。」

 

「ああ。……当然向こうもそうならないように駒を動かしてくるだろうな。」

 

「その通りだよ塚内くん。」

 

オールマイトが今度は絵の描かれているカラーマグネットを直線の上に置く。……あの絵オールマイトが描いたんでしょうか。なんでも出来ますねこの人。

 

 

「燃え広がり焼き尽くす、火の恐ろしさ、合宿山荘戦でしかと味わっているその脅威……荼毘が尖兵に来るだけで我々の足は止まる。」

 

「じゃあAFOと死柄木を引き離す為にまず荼毘を引き離して……」

 

「甘いです。荼毘だけじゃダメですね。」

 

「そう、全てです。敵主力を分断し各個撃破。その為には敵を誘き寄せる事が条件。」

 

 

言葉にしたらあまりにも無謀。

 

「しかしそりゃ少し能天気過ぎやしませんか。」

 

「できたら苦労はしない。」

 

皆の発言も理解できる。そりゃそうだもんね。

 

 

「ええ、ですからこの条件を成立させる為に作戦が必要なのです。」

 

「青山くんですか……。」

 

「まだ動揺しているよ。無個性に生まれ人生を使われた少年。」

 

 

「同情はするが、我々社会と自分達を秤に掛け社会を捨てた事実は変わらん。立場上、俺は慎重にならざるを得ない。」

 

「私は信じたい青山少年を。」

 

今イレイザーヘッド……相澤先生が説得してるんでしたっけ。……上手く行けばいいですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

 

 

ある日、オールマイト達が私たちの寮を尋ねる。

 

「現在プロヒーローたちが懸命にAFOの捜索を行っているが、奴が見つかる可能性は限りなく低い。」

 

 

開口一番オールマイトの一言で皆の方に重圧がかかる。塚内さんと根津校長もいる為、ある程度作戦が固まったものと分かる。

 

「爆豪がソレ言ってたけど……」

 

「改めてみなまで言われるとは……」

 

「無駄ってことすか?」

 

 

「逆だ。イレイザーヘッドの作戦に繋がる。狡猾な臆病者を引きずり出す為には心をゆっくり解きほぐす必要があるんだ。」

 

「必死で探してるけど見つからない。ざけんな死ねカス……っつーポーズか。」

 

「爆豪くん。言葉遣い。」

 

 

「サーチは生きてる前提で進める。AFOは我々の動向は逐一把握しているハズだ。緑谷くん帰還からこの流れを焦燥と疲労に見せたい。我々が悪手を取り続けている、思惑通り……と気持ち良くさせ、イレイザーが提案した内通者である青山を利用し、AFOを任意の場所に誘き出す。その成功率を上げる。」

 

 

「ですが青山さんのお父さまは……失敗すれば殺される。噓ついても殺される……と仰ってました。嘘の判別方法が判然としない以上、まだ青山さん達への危険が残っているのでは……」

 

「それもリスクだ。夫妻の話によるとAFOへの連絡は音声通話のみで文面でのやりとりはゼロ。他にも沢山いるであろうお仲間の言葉を全て精査してから動いているとは思えない。声を聞いて即時に嘘だと判定できるシステムがあるはず。ではその音声に嘘も何もなければ奴は安心して現れる。だから相澤くんのアイデア通り彼が活きる。」

 

 

ガチャ……

 

 

 

 

誰か入ってくる。

 

 

 

「よっ!」

 

心操君だ。

 

 

「「「心操ーッ!」」」

 

「コスかっけー!」

 

 

男子陣が大喜び。……ヒーロー科に入れるんですねぇ。良かったです。頑張りましたもんね。

 

 

「相澤先生から作戦聞いた時驚いたわ。だって対抗戦のときは……。」

 

「まいっちゃうよな。4月になったらヒーロー科に編入して皆と競い合ってくと思ってた。その為に個性伸ばし訓練続けてきたのに、まさか進級と留め置きなんてさ。…………行けるぜ。俺が青山と両親を操って喋らせれば、そこに俺の意思も彼らの感情も介入しない。ただその分、発動条件が厳しくなるけど……。」

 

最近心操くんと訓練してなかったので、経過がわかんないんですけど……なるほど……個性伸ばし。

 

 

「すげぇや。」

 

「サンキューシンソー!」

 

「A組に入るの!?B組に入るの!?」

 

「AにしろよA!」

 

「ヒーロー名は?」

 

 

うわ……心操くんの顔面白いことになってますね。流水さんに見せよ。

 

パシャ

 

「渡我ッ!俺を笑いの種にするんじゃねぇ!!」

 

 

 

「心操くんの個性が伸びたのは相澤くんが鍛えてくれていたおかげさ。」

 

「やっぱ凄いや相澤先生。」

 

 

「ちなみに心操くんには仮免許はまだないが、非常事態ということで目良委員長代理から特別に許可を得た。」

 

「しかし問題はここからでは?ヴィランたちを誘き出して一網打尽に?」

 

「可能だと?数が減ったとはいえその場に大量のヒーローが待ち伏せていればそれこそバレてしまう。」

 

「その場にいなければいい。」

 

 

「そのためにはあと2人……キーマンが重要となる。」

 

あぁ……その話ですか。

 

「「「2人のキーマン?」」」

 

 

「……あぁ。私と物間くんですか。」

 

「「「…………ええええええっ!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前。セントラルに呼ばれた私と物間くん。

 

その場にはブラド先生と相澤先生。

 

 

「オールマイトたちからの要請だ。……最も肝心な役だぜ。」

 

「いけるか?ファントムシーフ……ブラッドヘリアンサス。」

 

大きな課題。期間も短い。

 

「数日でこの人の個性をコピーで使いこなせるようにって冗談言ってます?」

 

目の前には黒霧。ワープを使えるようになれって……まぁ……

 

「……やれってことですよね。やれないと……」

 

 

「悪いな。俺の声は届かなかった。それにコイツが黒霧か白雲かは……分からない。片足を失っちまったもんだから……俺は個性を扱うことしか出来ん。物間と渡我が頼りだ。」

 

……分かりたくないの間違いでしょうに……。

 

「蛇腔ではイレイザーヘッドがいなければ全滅していただろうと聞きました。昔からよく言われましたよ。…………その個性じゃスーパーヒーローになれないって。脇役の個性だって……。」

 

「……物間くん。」

 

流水さんとお話してる時に聞きましたね。……脇役……酷いこと言う人もいたもんですね。

 

……人には人の……苦労があるんですよね。

 

「物間、この作戦は誰が欠けても成り立たない。脇役なんていない。」

 

ブラド先生が物間くんを抱き寄せる。

 

「これまでもこれからもお前が主役だ。」

 

 

 

 

「……。」

 

「渡我。お前だって頼りにしてる。」

 

相澤先生が手を私の頭に置く。

 

「…………任せてください。ワープが2人……それだけでも戦場のの支配率は変わりますよね。」

 

「……ああ。頼む。」

 

 

「渡我さん。やろう。」

 

「誰に言ってるんですか。やれることを全力でやるだけです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……皆さん。任せてください。私は裏方になるかもしれないですけど……出来ることは全力でやります。」

 

「頼もしいね。ありがとう。」

 

「渡我……かっけぇぜ!」

 

「一緒に頑張ろ!被身子ちゃん!」

 

作戦は……少しづつ着実に進んでいる。

 

オールフォーワンとの戦争まで……あと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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