朝少し用事がありまして、投稿を夜にしました。
もう一本出す予定なので、もう少しお待ちいただけると幸いです。
side渡我被身子
早朝。流水さんと二人で走る。
二人きりの時間。……今日で終わってしまうかもしれない安寧の時間。
噛み締めるように。1歩1歩確かめる。コンディションは万全。この日のために合わせてきた。訓練も。身体も。
……お互い無言。何かあればすぐ瓦解する。作戦も……命だって。今生の別れになる可能性だってある。それだけ決死の作戦。それでも良いと思った。そうしないと日本が救われないと思った。
……でも。
そうだとしても……流水さんと別れることになる不安は拭えない。恐怖。焦り。緊張。
私は…………出来ることなら流水さんと逃げ出したい。黒霧のワープを使えるようになった。逃げようと思えば無理やり逃げれる。
流水さんの顔を見る。
……でも……それはきっと流水さんが望まないから。私のヒーローは……どんなに苦しくても前に進むから。……例えそれが先の見えない茨の道でも。
私はそれに応えたい。私の命が枯れても。流水さんの命が枯れたとしても。
私のヒーローは……きっと私の心に焼き付いて離れない。
ランニング終了。
お互いにクールダウン。……未だ無言の時間が流れる。何を話せばいいのか分からないのもありますけどね。
「被身子ちゃん。」
流水さんからお声がかかる。顔を向けるが、角度的に顔は見えない。
「どうしましたか?」
「楽しいね。」
「……え?」
「いつも通りみたいでさ。ここから全面戦争が始まるなんて……考えられないよね。」
「……そうですよね。実感が湧かないです。」
「……絶対勝とうね。……二人で。」
生き残ろうと……言ってくれないのがあなた。でも……そんなあなたを好きになってしまった私も……
「はい。勝ちましょう。」
あなたの毒に犯されているみたいです。
心地の良い毒に。
side傷原流水
「ここでお前を倒す!!」
「フィクサアアアアアァアアアアッ!!!」
作戦開始。
凄いね……本当に黒霧のワープ使えるようになったんだ……物間くん。
全員を分断。そして各個撃破。これがこちらの作戦。相手に悟られないように……速攻で仕掛ける。
私の狙いは……
「傷原操水!!!」
「アハッ!流水ちゃん!私の所来てくれるのね!!」
貴方を倒す!
トロイヤで格納。そのままワープで飛ばす!
狙いは……都市部!
ワープ完了。第1目標はクリア。
「……ここは……?」
傷原操水は辺りを見渡す。
「……あんた達が破壊した都市の1部。私達の決戦フィールドには……ふさわしいんじゃない?」
「……なるほど。お仲間さんは誰一人として居ないみたいだけど?」
「……私一人で充分……と言いたいところだけど、こっちに人員をさけないからね。」
「人員不足……可愛そうね?」
「どの口が。」
タンクを1本開ける。
「この都市部は……下水を遮断してある。あなたがどんな水を操る個性だろうと……あなたが操れる水はここには無い。」
「……へぇ。考えられてるわね?感心感心。」
「パパから聞いた。あなたの個性は周りの水を操る個性。それも私と同じ……汚水であればあるほど扱い易い。……そして。」
血を纏う。
「血は操れない。」
エスコルチア・コンデンザツィオン。速攻でケリを付ける。
「水のないあなたは……無個性と同じ。即始末します。」
彼岸花と紫陽花を構える。
「私の名前はブラッドロータス……あなたに死を招く紅い薔薇です。」
低空姿勢。……発射!
一瞬で目の前。躊躇なく斬り伏せる!
その斬撃は……宙を切った。
「すごいわすごいわ!ちゃんと成長したのね?」
後ろから声が聞こえる。
「……なるほど。」
考えていなかったわけじゃない……オールフォーワンから個性を追加で与えられている可能性。
「肉体増強系と……」
相手の手のひらから水が溢れ出る。
「うふふふふっ。大気中から水分が出せるんですって!便利な個性よね?」
「……さすがに対策してますか。」
「うふふふふふっ……あなた1人で私に勝てるかしら?」
「……勝ってみせますよ。それが私の最低条件です。」
私は……彼岸花と紫陽花を仕舞い、背中に担いでいたもう1本の武器を手に取る。
「……出し惜しみはしません。どれだけ壊してもいいと……許可は貰ってるので。」
side渡我被身子
物間くんと一緒にワープの手伝いをした後、物間くんは雄英に、私は物資補給と他の場を円滑に進めるための裏方に回る。
色んな人の個性が使えるので色んな手伝いを一手に担ってます。大変。
上ではきっと爆豪くんと緑谷くん達が死柄木弔と戦ってるハズ。その戦闘を維持する。絶対に終わらせない為に私たちは死に物狂いで動かないといけない。
「セメントス先生!変わります!」
「すまない!助かる!」
セメントス先生にだって!
「上鳴くん!吹出くん!私も手が空いたので参加します。馬力は多い方がいいですよね。」
「渡我!助かる!」
「渡我さんの個性はこういう時強いよね。」
誰にだって慣れる私はきっとみんなのために戦えてるはず。
これが私の戦争。
全てが順調。皆が自分の動きを精一杯こなす。それだけが……勝利の最低条件であり、必須事項。
その最低条件に暗雲が立ちこめる。
『渡我ッ!』
「相澤先生!?どうしましたか!?」
今は脂質の補給に勤しんでるクリエイティ……百ちゃんの代わりに部品製作をしてます。百ちゃんに教えて貰いながらなので……遅いですけどできることをします。
『緑谷が居ない!探してくれ!!』
「緑谷くんが……居ない!?何処に!?」
『爆豪の言葉を飲み込むなら、ワープ前に攫われたらしい。どこに行ったかは不明。十中八九白灘睦月がやったんだと思う。バーニンの所で白灘睦月が確認できた。荼毘に逃がされたらしい。追えるか!』
「……でも!私が居なくなったら……!」
「ごくん!……行ってくださいブラッドヘリアンサス!充分に休憩させていただきました!」
「百ちゃん……!」
「行きなさい。ブラッドヘリアンサス。私達を信じてください。決して……雄英は落とさせません。」
「セメントス先生……。分かりましたッ!」
『頼んだ!渡我!お前しか動けるやつが居ない。絶対に緑谷を連れ戻してこい!!』
「分かりましたッ!!」
黒霧!ワープ!!
近場……わかりませんが……きっとワンフォーオールを持ってオールフォーワンに会いに行くはず!だったら……その道筋の途中にワープすればッ!
「行ってきます!すぐ帰ります!!」
「よろしくお願いしますね!」
頑張ってくるね!百ちゃん!!
ワープ完了。慣れたもんですね。
雨……降ってますね。
降り立つ。抜刀。そのまま走る。闇雲に探しても意味が無い。……移動系の個性を持ってないなら……人手が欲しい……とこ……ろ……
あ!
そういえばこの辺……流水さんの戦闘場所だったはず!一緒に探した方が早そうです!
……運が良ければ一緒に借りも返せそうですし。
DOGAAAAAN!!
なんの音!?爆発みたいな……流水さん!
……血は使えない。ワープは出来てあと2回。緑谷くんを連れ戻して……その後なにかに使えないと困る。
私は1人駆け出す。何も起きてないことを祈りながら。