私のヒーロー   作:おいーも

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緑谷出久救出作戦

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

「アナーヒターッ!!」

 

 

水の人形が多数湧く。

 

……さっきの人形はどこいったんだろ?破壊しきってないはずだけど……召喚する個数制限がある?範囲?もしくは本体へのダメージで消える?……3つ目は考えにくいな。範囲か個数制限か。どちらにせよ厄介なのは確か。

 

個数制限があっても、私が消す度に増やされたらこっちがジリ貧になる。体力勝負で絶対に負ける。

 

範囲があるのなら……範囲外に逃げるという選択肢もあるけど……範囲外不明瞭な上こいつを野に放つ事になる。無理。

 

 

 

勝ち筋はひとつ。速攻で近付いて速攻で終わらせる。

 

 

「トラロック!ポセイドン!」

 

周囲に水玉。槍を構える。

 

 

いやぁ……物量と……その上から砲撃体勢。本人は武器と超回復で完全武装。相当厄介ですが……やることは変わりませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

ピチャッ……

 

水……?なにか濡れて……

 

 

「……は?」

 

「……これは……」

 

 

雨ッ!このタイミングで!?

 

「ふふ……あははははははっ!!天は!世界は私を味方してくれているッ!!!」

 

 

「チィッ……面倒臭い!」

 

水を操る個性。当然雨も操れるでしょう。……つまり……降っている雨を武器にすることだって可能なはずです。

 

何かしら当てられたら最後……怪我になろうがなかろうが、固められでもしたら動けなくなってタコ殴りで終わり。攻撃力で吹き飛ばしながら脳天への直撃を狙う。

 

脳無って頭が弱点ですからね。……正確に言えば脳ですけど。

 

 

火力は足りませんけど……しょうがないですよね。

 

紫陽花を左手に、右手に夾竹桃を構える。

 

振りが遅くなりますが……言ってられる場合じゃないですね。

 

撃鉄は片手で引けます。……極論夾竹桃は片手で運用が可能です。

 

 

「エスコルチア。」

 

腕と足だけじゃなくて全身に血を纏う。雨に濡れる訳にはいかない。出力を下げてでも、雨に触れるのは良くない。

 

 

「殺してあげるわァ!傷原流水ィ!!いえっ!ブラッドロータスッ!!弔君を否定されて!ママ許さないんだから!!」

 

「……なるほど。死柄木弔のママですか。おままごと楽しかったですか?」

 

「殺す!」

 

 

雨が一斉にこちらに向き、弾丸のように飛んでくる。

 

 

「……まじか。」

 

躱せない。血でドームを作る。

 

防げてはいる。防げてはいるが……攻めにならない。

 

 

「圧縮ッ!解放ッ!!タケミナカタ!!」

 

ヒビが入る!横に飛ぶ。

 

 

DOGAAN!

 

水の……レーザービーム…………はぁ……なんでもありですね。

 

本人は雨の上に立ってます。水分を空中に固定も出来るんですね。……そういえばトラロックとかいう技で固定してましたね。

 

 

「あははははっ!まだまだあるわよ!!オケアニス!!」

 

水の……大蛇!襲いかかってくる。

 

走る。後ろから轟音が響く。どこまで追ってくるつもりだ!

 

 

「逃げ切れるかしらァ!?トラロック!!」

 

雨の弾丸。

 

出来る限り躱しながら逃げる。近付けない!

 

後ろの大蛇は水で出来てる都合、トラロックの弾丸の雨は無効。それどころか少し大きくなってる気さえする。

 

 

この物量を扱えてるってことは……多分範囲ですね。……本体へのダメージの線も消えた訳じゃなさそうですけど。

 

弾丸が身体を掠める。エスコルチアの上から切り裂かれる。

 

雨が使えたら……でも使った瞬間に固められる。

 

 

「圧倒的不利……まぁ……覆せないとヒーローじゃないですね。」

 

 

急に直角移動。傷原操水に突撃。夾竹桃を盾に弾丸を出来る限り防ぐ。

 

 

 

「血迷ったかしら!」

 

「誰がッ!」

 

 

水の膜。前回止められたのはこれ。ただ……

 

夾竹桃を上に投げ、紫陽花を両手に構える。血を込める。

 

 

「……一刀流……クロユリ一閃ッ!」

 

横薙ぎ。水の膜事相手の身体を両断。

 

「あぐぁっ!?」

 

 

腹に少し切り傷が入った程度……ですか。もう本当に脳無レベルの肉体ですね。

 

傷原操水の血を操作して手繰り寄せ、そのまま紫陽花を横に投げる。

 

 

「何をッ!」

 

上から振ってきた夾竹桃を右手で受け取る。

 

「……!!」

 

「その顔面……いただきますね?」

 

「いやd……」

 

「レッド・オリアンダーッ!!!!」

 

 

DOGAAAAANN!!

 

傷原操水が地面に叩きつけられる。爆音とともに地面が割れる。

 

あたりの水の大蛇や弾丸が元に戻る。

 

 

……本体へのダメージでしたか。……じゃあ私がやってたことは正しかったですね。

 

 

 

 

 

 

着地。傷原操水の肉体を見る。

 

 

顔がひしゃげて、身体から血を吹き出して倒れているが……まだ動いている。というか再生しつつある。……本当に厄介な再生力ですね。

 

「……トドメは刺しましょうか。」

 

彼岸花を抜く。

 

 

 

 

「それはやめて欲しいね。」

 

後ろから声!?誰!?

 

突然現れた煙が視界を塞ぐ。

 

 

「何が……ぐっ!?」

 

血で口と鼻を覆う。催涙ガス!?

 

 

「へぇ!やるじゃねぇか!……でも……少し時間を与えすぎたみたいだな。」

 

 

「何をッ!……!」

 

ドズッ……

 

 

 

 

 

突如飛んできた水の槍が私の胸を貫く。

 

ガスが晴れる……

 

 

「ハァ……ハァ……ブラッドロータス……これで……」

 

そこには既に起き上がった傷原操水と……

 

 

「はぁ。僕の手を煩わせないでくれ。」

 

「白……灘……睦月ッ!」

 

 

 

「ごめん……なさいね。……睦月ちゃん。…………この子本当の強くって。」

 

「はぁ…………改造手術受けまくった操水さんがこのザマならそれこそ俺じゃ絶対勝てないよ。……ワンフォーオールは回収済みだからとっとと終わらせて救世主のところ行くぞ。」

 

 

ワンフォーオールは回収済み……!?緑谷くんが捕まってるってこと!?

 

……あのバカ弟子!最後の……最後まで……面倒見ないといけないですね!!!

 

 

胸に刺さった槍を掴む。そのまま引き抜く。

 

激痛。知ったことか。

 

「「!」」

 

「ガハッ……痛いですねぇ……」

 

 

「なんでまだ……生きてるの……!」

 

「心臓無理やり塞いでるんですよ。私の血で。」

 

 

穴も血で塞ぐ。心臓は……これでヨシ。縫い合わせた。

 

「ごはぁっ……」

 

 

血を吐く。肺に溜まってると邪魔だからね。

 

胸の穴は縫い合わせる。……応急手当完了。血でコルセットを作り、巻く。補強もできた。

 

 

「…………化け物め。」

 

「おいおい……人間って胸貫かれたら死ぬんじゃねぇのかよ。こいつも脳無か!?」

 

「……人間が脳みそが死ぬまで生きてますよ。この低脳さん。」

 

「こいつッ!!」

 

 

夾竹桃を向ける。

 

「……緑谷出久を返しなさい。それは私の可愛い馬鹿弟子です。」

 

「……操水さん!!」

 

「殺しきればいいんだろうがッ!死ねっ!ゾンビ野郎!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side緑谷出久

 

 

 

気が付かなかった。

 

オールフォーワンをおびき寄せて、物間くんがコピーした黒霧のワープで分断までは良かった。

 

急に背中を触られて身動きが取れなくなった。

 

ここは……何処だ。白い空間。視線を動かすことしか出来ない。

 

十字架のようなものに縛り付けられている。個性も使えない。なんだここは……

 

周りには僕と同じような状態の女性が何人もいる。女性は全員項垂れている。意識が無いのか?

 

なんだ……これは。

 

 

『あー……あー……マイクテスマイクテス。ワンフォーオール。聞こえるか。』

 

「……!だ……誰だ!!」

 

『知らねぇのか?俺の名前は白灘睦月。敵名アンコシャス。』

 

「白灘睦月!」

 

 

白灘睦月……個性は触れた物をセーフティゾーンに入れることが出来る個性……無個性で生まれたはずが、オールフォーワンから個性を与えられた存在。……敵連合の守備の要。

 

 

「いつの間に……!お前はッ……尾白くん達が倒す予定で……」

 

『あぁん?そりゃすぐだろ。接敵してから変なドーム出てきたから、オールフォーワンから貰った身体強化で躱して後は隙見せてるお前に触れて終わり。……お前の個性使えたら良かったんだがな。めんどくせぇ。結果俺は今走る羽目になってんだ。謝れ。』

 

「そんな……僕が隙を……そんなはずは!危機感知は発動してた筈!」

 

『危機感知ィ?知らねぇよ。俺は合意で入れたヤツの個性なら使えんだ。例えば……そこにいる女の個性とかな?その中の誰かがお前の危機感知を掻い潜ったってことじゃねぇの?』

 

「……ありえない!こんなに弱ってるのに合意な訳が無いだろ!!」

 

『合意だっての。合意だから俺の武器になるように拘束したし意識も飛ばしたんだよ!分かれよそれくらい。』

 

「そんな道具みたいにッ!!」

 

『俺の理想の為だ。そいつらも嬉しいだろ。……お喋りはこの辺にしておいてやる。……お?ありゃ……くくくっ。ちょうどいいからお前に見せてやるよ。』

 

「何を……!師匠!!」

 

 

目の間に急にディスプレイが現れる。それに映っているのは……師匠と……知らない敵。あれが師匠の相手……。

 

地面は大荒れ。見たことの無い大きな武器を振り回す師匠と、それを迎え撃つ敵。

 

師匠の武器が敵のボディを捉え、爆発音と共に敵がビルに叩きつけられる。

 

 

『チッ……負けてんじゃねぇか。……助け舟に行ってやるか。』

 

「これは……お前が見てる景色か!」

 

『ご明察。じゃあお前の師匠ぶっ殺してやるから待ってろ。特等席だ。』

 

「やめろッ!!くそっ!個性が使えればッ!!」

 

『使えたところで出れねぇよバーカ。諦めてそこから師匠が死ぬ姿見とくんだな。おマヌケさん。』

 

「……。」

 

 

きっとこの時間もかっちゃん達は死柄木弔と戦ってる。僕は……何をしているんだ。

 

 

 

 

 

 

 

『何をッ!……!』

 

ドズッ……

 

敵が投げた槍が師匠の胸を貫く。

 

 

「師匠ッ!!!!」

 

師匠が……目の前で……僕の……僕が不甲斐ないばかりに……!!

 

何が守るための力だ!何が……何が僕だけの力だッ!!僕は……ただ見ることしか出来ないのか!!!

 

すると師匠が胸に突き刺さった槍を引き抜く。

 

 

『ガハッ……痛いですねぇ……』

 

「師匠!!」

 

『……緑谷出久を返しなさい。それは私の可愛い馬鹿弟子です。』

 

「……!!」

 

僕の……僕の為に……

 

 

また戦闘が始まった。師匠へのダメージは大きく、無理やり身体を動かしているような形でも、攻撃を何度も当てて、攻撃は躱して着実に敵を追い詰めている。

 

『オイ!どうにかしろ操水さん!!あいつ全然止まらねぇぞ!!』

 

『あんたも手伝いなさい!!こいつやっぱり化け物だわッ!!』

 

 

敵も焦っているみたいだ。心臓に穴が空いたのにこんなに動いてる人間が……目の前にいるんだ。師匠……血を吐きながら……そこまでして!

 

 

『緑谷出久!ハァ……ハァ……聞こえてますか!!あなたも内側から全部試しなさい!諦めるなッ!貴方は……どんなデクなの!?』

 

「!」

 

そうだ……僕は……

 

「頑張れって感じの!デクだッ!!」

 

 

『うるせぇ!!死ねッ!!』

 

師匠が水の弾丸に身体を無数に貫かれる。

 

 

『グハッ……終わらせないッ!!緑谷出久の損失は……!文字通り日本が終わる!!……助け出して……見せるッ!!』

 

「ああああああっ!!動けっ!!動けえええええええっ!!!」

 

ワンフォーオール!僕に応えてくれッ!!

 

 

『来るなッ!!来るんじゃねぇよッ!!なんで生きてんだよおおおおおおおッ!!!』

 

『……おおおおおおっ!!レッド・オリアンダーッッッ!!!!!』

 

DOGAAAAAANN!!

 

 

 

爆風。煙。衝撃。

 

『クソがっ!生きてるか!操水さん!!』

 

『いてぇ……いてぇ……身体……どれだけめちゃくちゃにされりゃ……いいんだよぉ!!!』

 

 

敵2人とも生きてる。……師匠!

 

「……師匠?」

 

煙が晴れた。

 

見たくない光景。

 

 

師匠は……仰向けに倒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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