私のヒーロー   作:おいーも

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初日

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

今日はいつもより早く目が覚める。

 

雄英高校の入学式。

 

いつも通りタオルケットとシーツを洗濯機に入れ、シャワーを浴びる。

 

 

いつも通りの……今日からは新しい制服に身を包む。心機一転とはよく言ったもので、新しいものに身を包むと不思議な高揚感がある。嫌いじゃない。

 

 

スマホを確認するとお友達二人からメールが届いていた。

 

 

 

『鳴花 亜煌

渡我ちゃん!今日から雄英でしょ!

頑張ってね!ヒーローとして活躍する姿が

目に浮かぶよ〜( இ﹏இ )』

 

『辛堂 霞味

渡我ちゃんと高校離れちゃってやっぱ寂しい!

亜煌とは同じ高校だけど……渡我ちゃん転校してこない?』

 

 

「ふふっ……2人とも……遅刻しますよ?」

 

 

 

ふたりへの返事を済まし、軽くメイクを済ませてリビングへ。

 

「うぬぬぬ〜……」

 

リビングから流水さんの声が聞こえる。

 

どうしたんだろう。

 

 

「雄英高校……絶対可愛い子いるよね……被身子ちゃん好みの男の子とか居るかもしれない!……奪われちゃうかも……。」

 

 

そんなことあるはずないのに。2つのお弁当の前で唸ってる流水さん。私は貴方一筋ですよ?

 

 

「……そうだ!なんかの雑誌で見たな……料理は愛情を込めると何とやら……もう一度胃袋を掴めば……」

 

 

何を言ってるんでしょうかこの人は。……あなたが私に美味しいもの食べさせたいからって、朝早く起きて色々試してるの知ってるんですよ?毎日愛情頂きすぎて私の許容量ギリギリなんですけど?

 

 

 

「……えーっと……確か……雑誌には……『おいしくなーれ!萌え萌えきゅーん!』…………めっちゃ恥ずかしいなこれ。顔あっつ……誰にも見られてなくてよかった……。」

 

 

……(悶絶)

 

 

 

 

ちょっとだけ遅刻しそうでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

今朝の事件は置いておいて、私は今保健室にいる。

 

朝、朝礼と共に自己紹介をして、入学式に行ったはずなんだけど貧血で倒れちゃった子が居て……その子の付き添い。

 

 

「すみません。私のために……」

 

「大丈夫ですよ。今日はリカバリーガールが諸用で居なくて申し訳ないですけど……長話聞くのも疲れますよね。」

 

「ふふっ……そうですね。」

 

掛け布団からひょっこり顔を出してる。被身子ちゃんもしてくんねぇなぁ?

 

「……そういえば名前聞いてなかったですね。聞いてもいいですか?」

 

「あ……はい。1年B組の柳レイ子です。」

 

「柳さんね。私傷原って言うの。保健室によく居るわ。よろしくね。」

 

「はい。よろしくお願いします。傷原先生。」

 

ちょっとまだ顔色悪い?肌が白いだけ?……前者っぽいわね。

 

「そういえばなにか欲しいものある?取ってきてあげるけど。」

 

「い…いえ。大丈夫です。少し休めば良くなります。」

 

 

「ん〜?そうかな?…まぁいいか。ちょっと水だけ買ってくるから安静にね?」

 

 

「はい。ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

私は保健室を後にする。

 

………そういえば1年A組入学式に居なかったな?…自由すぎるね。

 

私は自動販売機に行き、水を2本買って来た道を戻る。

 

雄英懐かしいな。全然変わってないや。

 

 

 

「すみません!」

 

後ろから声をかけられる。

 

3人の生徒。入学式は終わったのかな?

 

 

「どうかしましたか?」

 

「B組の生徒が保健室に行きませんでしたか?」

 

「あの〜えっと〜……入学式で倒れちゃった子!」

 

「ん!」

 

 

「…柳さんのことですか?」

 

「はい!お見舞いに行きたくて……」

 

「お話長かったからね〜……そこも雄英って感じ。」

 

「ん。」

 

いい子たちじゃん。オレンジの子とギャルっぽい子と綺麗な子。

 

「きっと喜びますよ。案内しますね。」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

「そういえば………先生?はヒーローなんですか?」

 

「傷原です。保健室にいるので、休み時間にでも暇になったら遊びに来てくださいね?…一応…ヒーローですね。」

 

 

「へぇ〜………先生みたいなヒーロー見た事ないから。」

 

「言い方。」

 

 

「まぁまぁ。私は公安所属で名前を隠してもらってるので、知らなくて当然ですよ。」

 

「公安!?すごいとこに勤めてるんだね先生。」

 

「取蔭!…ごめんなさい先生。失礼なこと言っちゃって。」

 

ギャルっぽい子取蔭さんって言うんだ。覚えとかなきゃ。

 

 

「別にいいですよ。私も今年赴任で右も左も分からずなので、同級生みたいなものです。一緒に学んでいきましょう。」

 

「いい人じゃん!傷原先生。」

 

「やりすぎは良くない。」

 

 

「はいはい。そろそろ保健室着きますよ〜。柳さん?具合はどう?」

 

 

ガララ…

 

 

「あっ先生…と皆?…大丈夫そうです。」

 

B組の3人が駆け寄る。

 

 

 

「大丈夫だった?辛くない?」

 

「みんな来たがってたけど代表して3人で来たんだ。」

 

「ん。心配した。」

 

「大丈夫。ちょっとふらっとしちゃっただけだから。ヒーローになるんだから…こんなのに負けちゃダメだよね。」

 

……それは違うね。ヒーローとして認識を改めて貰わないと!

 

 

 

「はいはい。一旦任せてね?とりあえず水ね。」

 

「はい。ありがとうございます。」

 

「それと、ヒーローだから負けちゃダメなのはそうだけど、休める時はしっかり休む。気が張りすぎても良くないよ。ヒーロー足るもの毎日の体のコンディション管理は大事。何時いかなる時敵が事件を起こすか分からない。身体のメンテナンスもヒーロー活動だよ。」

 

 

 

「…はい!」

 

「先生!めっちゃいいこと言うね!」

 

「ん!」

 

 

 

「ふふっ。あなた達もよ?身体は資本なんだから。」

 

「はい!わかりました!ありがとうございます!」

 

 

 

 

ちょっとだけ回復したみたい。

 

問題なさそうだったので、柳さんは1年B組のみんなと保健室を後にさせた。

 

 

「………まぁ初仕事にしてはいいんじゃない?」

 

チラッと時計を見る。

 

11時30分……ちょうどいい時間かな。

 

 

職員室に戻ると、私の仕事はもう無いようで……というかクラスを持ってないから出来ることがあまり無いようで、1年B組担任のブラドキング先生から感謝されたくらいで変わったことはほぼなしであとは帰るだけになってしまった。

 

 

 

お弁当無駄だったな。

 

 

……被身子ちゃんは何処だろうな……暇になったら図書室に居るって言ってた気がするから行ってみるか。

 

 

 

 

 

 

と思ったら中庭に被身子ちゃんは居た。ベンチに座ってる!2人のJKと一緒に!

 

お友達もうできたの!?早!!

 

 

お友達との時間を奪うのもなんだけど……約束しちゃったし…約束破ると怖いし……一応声掛けに行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「被身子ちゃーん。」

 

私が手を振るとパァっと笑顔が咲く。

可愛いねぇ……ほんとに可愛い。

 

「あっ!流水………傷原先生!」

 

「いつも通りでいいのに。」

 

「だって今は先生ですよね?」

 

律儀だねぇ……でもそれ聞かれたら……

 

 

「およよよ?渡我、どういうこと?」

 

「渡我ちゃんこの人と知り合いなの??」

 

 

こうなるんだよねぇ……

 

 

ほーん……被身子ちゃんの新しい友達……

 

ピンクの子と………透明な子。本当に凄いな……個性って。

 

 

「あっ……えっと……その……」

 

 

どう説明しようか悩んでる様子。目配せ…助け舟を出せと?……へへっ…じゃあ……牽制も大事だよね?

 

 

 

「被身子ちゃんの彼女の傷原流水です!」

 

と被身子ちゃんの腕に抱きついて見せた。

 

 

「「えええええっ!!!」」

 

 

「なっ!!!るっ流水さん何してるんですか!!!!」

 

「いいじゃーん。隠してもどうせバレるし?」

 

 

「彼女!?付き合ってるの??ねえねえねえ!」

 

「うわぁ〜……先生と生徒の恋愛!生で見るの初めて!!」

 

「待って待って待って!もう!流水さんも離して!!!」

 

「え〜…彼女にアタリキツくない?」

 

離してやるとそれはそれで少し悲しい顔をする。どっちじゃい!

 

 

「あっ!蛙吹と八百万と耳郎!ねえねえねえねえ!!」

 

ピンクの子が知り合いを見つけたのか走っていった。

 

もしかして1年A組の子かな?

 

「あっちょっと!待ってください待ってください!!」

 

「いいじゃん言っちゃおうよ〜!」

 

透明の子は楽観的だねぇ。……平和だ。

 

「……元気だねぇ。」

 

「誰のせいだと!!!!!」

 

 

「あのね!実は渡我って〜…」

 

「お願いします!待ってください!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……殺してください。」

 

顔真っ赤の被身子ちゃんがベンチで小さくなってる。

その隣に私。

 

「ってことは本当に………」

 

「はい。正式にお付き合いさせていただいてますよ?」

 

「「キャー!」」

 

ピンクの子……芦戸さんと透明な子……葉隠さんがぴょんぴょんしてる。恋に恋する乙女って所かな?

 

 

「えっと………凄いですね。色々。」

 

 

「耳郎さんでしたっけ?そうですね。まぁ女性同士ですし。」

 

「いや……それもあるんですけど……。」

 

ポリポリと頭を搔く耳郎さん。違いました?

 

 

「先生と生徒が付き合ってるというのも驚きですが………出会ってまだ2年経ってないんですのよね?」

 

「いいじゃんいいじゃん八百万〜。愛に時間は関係ないんだZE☆」

 

「うわ〜いいなぁ〜私もこんな恋がした〜い。」

 

JKのキャイキャイ話してるのいいねぇ……なんか潤う気がする。

 

 

 

 

「でもそれって大丈夫なのかしら。教師が生徒を贔屓したとか思われないかしら。心配だわ。」

 

お、確かにね。それはちょっとモヤッとするかも。

 

「大丈夫よ。蛙吹さん。私はこの高校に勤めてる1日目だし、保健室勤務だから贔屓も何も無いわ。」

 

「それもそうね。嫌な質問だったらごめんなさい。」

 

「私でも気になっちゃうからしょうがないわ。」

 

この子結構頭もキレそうだし優秀っぽいな?

 

 

 

「……失礼ですが先生はお幾つですか?」

 

「八百万さんだっけ?えーっと……今年で24だね。」

 

……私的には雄英卒業してまだ1年2年くらいの感覚だよ……ほんとだよ?

 

「若っ……えーっと……7歳差…私的には全然アリ!」

 

「24!?…申し訳ありません。あまり外見が…」

 

 

「大丈夫ですよ。今でも居酒屋とかBARとか言ったら年齢確認させられますし。私はお酒飲まないですけど。」

 

コンディション。大事だからね。

 

「その体型も大変ですのね。」

 

ならないに越したことはないよ。

 

 

 

 

「渡我〜?そろそろ大丈夫そうか〜?」

 

「やめときなって。……私でも恥ずいし。こんな状況。」

 

耳郎さんが芦戸さんを制止してる。ほぉ〜被身子ちゃんだいぶ皆と仲良くなれたんだね。

 

「……うぅ…流水さん後で覚えておいてくださいね。」

 

「お手柔らかにね〜。」

 

ムスッとした被身子ちゃんも可愛いねぇ。後で写真撮らせて?

 

 

「もう!みんな解散解散!帰るんでしょ!!!」

 

 

「わっ!渡我が怒った!逃げろ〜」

 

 

「もーーーっ!!みんな嫌い!!!!!!」

 

嫌いって言えるくらいまで仲良くなったのはいいことだね。お姉さん嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから膝枕を頼んだら渋々してくれて、ちょこっとだけ機嫌が治った気がする。

 

 

 

 

私だけ気付いちゃったんだけど……一部始終全部見てたんですねA組ガールズ……。

 

シーッてジェスチャーしたら皆頷いて何処かに行った。二人の時間は邪魔しちゃダメよ?

 

 

 

お弁当作っちゃってたから食べてから帰った。

 

被身子ちゃんには、これからもいい人達と関わり合いが増えてくと私も幸せだよ。

 

 

 

でも貴方の1番は誰にもあげない♪

 

私だけのものでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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