次回作、きっと私のアカデミア(仮)執筆しました。よろしくお願いします。(現在第6話)
主人公が両性具有の関係で一応R18です。そういう描写はほぼない予定です。
https://syosetu.org/novel/394526/
side筒美火伊那
「ハッ……ハッ……ハッ……」
私……レディ・ナガンこと筒美火伊那は、長い懲役を終え……今一人のヒーローの元でサイドキックとして働いている。
働いている……と言っても今やってる事は、事務所に併設してあるジムで走り込んでるんだけど。
他の連中があまりにも有能なので、書類仕事を少し手伝ったり実力行使になれば顔を出すくらいだ。……いわゆるちょっと暇ってやつだ。
タルタロスにいた頃は運動のうの字も出来なかったので、こういう身体を動かす場所があると嬉しい。ストレス発散になる。
「ふぐぐぐぐっ!!!」
「お……お!……あがったーーーっ!!」
「流水ちゃん!写真写真!!」
あそこでわちゃわちゃしてるのがうちの同僚。1人違うが。……なんで入ってきてるんだ?
元異能解放軍……らしいけど本人は既に足を洗ってるって。本当かい?話してて悪いやつじゃ無さそうだけどね。
まぁ社長が決めたならいいけどね。ウチの社長だいぶ緩いからね。…………仕事内容は全く緩くないけど。
仕事内容は主に公安のお手伝いだね。それも敵処理の。少なくなったとはいえ……まだまだ敵は多い。後輩くんが言ってた「ヒーローが暇な社会」はいつになったら訪れるのか。
走り込みが終わった私は社長……私の恩人に話しかけに行く。
「社長。」
「およ?どうしたんですか?ナガンさん。」
恩人……この私より小さい女の子。ヒーローブラッドロータス。……私がタルタロスに収監していた時から幾度となく面会に来ていた女。この子がいなかったら私はきっと……あの時オールフォーワンの手を取っていたかもしれない。
「……。」
「?」
彼女は今その身体に見合わない重さのバーベルでスクワットをしている。…………顔色ひとつ変えずに。
こんな可愛い顔とは裏腹に、身体は相当仕上がってる。必要以上の筋肉を、身体の動きを阻害しないように付けてる……と言ったら凄さが伝わるだろうか。
その後ろでは同僚もバーベルでスクワットをしているみたいだが……負荷が段違いだね。こんなガチガチの身体に、可愛い顔がついてるのだから……ギャップ……にしてはありすぎるね?
「私運動終わったから冬美ちゃん手伝って来るよ。」
「はーい!私はもうちょっと上半身追い込んだら行くね!」
「もうちょっと……あとどれ位かかるんだろうね?」
「うーん……1時間くらい?」
本当に化け物だね。ただ……実際のところ彼女の肉体は美しさすら感じる。コスチュームで全部隠れちゃってるのが勿体ない。
「ふふっ。あんまりやり過ぎないようにね。」
「はーい!」
「ブ……ブラッド……ロータス様……も……もう……無理です…………」
「あっ!?大丈夫!?」
ガシャン
え?……あのバーベルを投げれるの?
シャワーを浴び、事務所にもどる。
「やっ。」
「あっ。ナガンさん。」
「冬美ちゃん。お仕事どうだい?」
「もう少しあるので、それだけ終わらせたら一区切り付きそうです。」
「じゃあお姉さんも手伝ってあげよう。」
「いいんですか!ありがとうございます!」
冬美ちゃんはここの事務仕事をほぼ一人でこなしてくれる女の子。私達に無くてはならない存在。彼女がいるから私達が安心して仕事ができるというもの。
冬美ちゃんから書類を受け取り、自分の席に着く。……多いね。一人でやる仕事じゃないよ。
「こんな量の仕事大変じゃないかい?社長に言ってもう1人増やしてもらおうか?」
「いえいえ。私はやりがいを感じてるので。お給料もいっぱい貰ってますし。」
「……ほんとにね。どこから出てくるんだろうね。あのお金。」
私達は普通に生活する分には全く困らないどころか、もうちょっといい生活できるくらいのお金を貰っている。
私の頃はそんなに貰えてなかったけど……どこから出てるんだろうね?
「そういえばナガンさんにお仕事の依頼入ってましたよ。」
「へぇ。誰だい?」
「雄英高校からです。ヒーローデクが定期的に行ってるプロヒーローの講習会で教壇に立ってみてはどうかと。」
「……ふっ。あっはははははっ。元犯罪者に頼んでいい仕事じゃないね!」
「だとしても…らしいですよ?ヒーロー社会の裏の部分は知らないといけないから……と。」
……少しづつ。少しづつだけどいい社会になろうとしてるのかね。
「……社長と相談だね。私の一存じゃ決められない。」
「まぁ一応の確認だけなので。最終的な判断は流水ちゃんです。」
冬美ちゃんがコーヒーを持ってきてくれる。
……なんでこの子は結婚してないんだろうね?こんなに気が利くいい子なのに。
「……気が乗ったら行ってやろうかね。」
「……意外ですね?」
「ん?…………まぁ確かにこういうのは普通は行かないねぇ。私の……ヒーロー社会の黒歴史でもあるからね。伝えてどんな悪影響が出るかわからない。」
「じゃあ……なんで。」
私はなんとなく自分の席に置いてある、ネコの人形を持ち上げる。
「…………気まぐれ。」