side印照才子
ごきげんよう。印照才子です。
BOM!!BOM!!
私は今事務所の地下……訓練場に顔を出しています。
何故か……と言うと……
「オラァ!!ハラセン!!もう終わりかよォ!!」
「ん〜?ちょっと動けるようになったからって私の事なめすぎじゃな〜い?」
BOOOOM!!
「…………。」
えーっと……今月も起こりました。ブラッドロータス様と大・爆・殺・神・ダイナマイト様の模擬戦……というか本気の殴り合い。
「インテリジェンス。水でよかったか。」
「あ……ありがとうございます。」
私に水を持ってきてくれたのはヒーローショート様。今やヒーローチャート2位の大物ヒーロー。大・爆・殺・神・ダイナマイト様と共に雄英高校出身。……彼がここにいる理由は……
「きゃっ!?」
大・爆・殺・神・ダイナマイト様が吹っ飛んできました。
「爆豪。次は俺だからな。」
「わぁってるわボケェ!!」
「よそ見してていいのォ?余裕綽々ね!!」
ボゴッ
「うごぉっ!?」
ブラッドロータス様の回し蹴りが大・爆・殺・神・ダイナマイト様の腹部を捉える。
ん〜…………?何度見ても脳が理解を拒みます。
なんであの人はチャート上位のヒーローと戦えてるんでしょうか。非常に慕われているようですし。
雄英高校の先生と言うのは……皆同じくらいの戦闘力を持っているのでしょうか。恐ろしい学園ですのね。
「クソがァ!おもれぇなぁ!ハラセン!!」
「あはははっ!!いい顔!出し切りなさい大・爆・殺・神・ダイナマイトォ!!」
「…………。」
横に座ってるショート様もウズウズしています。慕われているというか……ストレス発散になっているのでしょうか。時々ブラッドヘリアンサス様も参加なされるのですが……ほぼ無個性で渡り合ってらっしゃいます。
戦闘IQと言うのでしょうか。今の私には経験値が足りていない気がいたします。
精進せねば。
「ふぅ!いい汗かいたわね!!」
訓練場の真ん中で3人が座ってお話中。
「チッ……まだ勝ち切れねぇかよ。」
「傷原先生。いい気分転換になった。ありがとう。」
「いいのよ。お互い様でしょ?」
「…………ふん。」
なんだかんだいい関係なのかもしれませんね。
「シャワールーム使って汗流しちゃいなさい。」
「うす。」「わかった。」
お2人がシャワールームに向かう。
「……才子ちゃん。どうだった?」
「……毎回毎回……本当に驚かされます。トップヒーローにもなると……あれほどの戦闘力が必要なのですね。」
「うーん……どうだろうね。」
「……といいますと?」
「今のチャートは戦闘力だけじゃ決まらないからね。社会貢献度も大切だからね。」
少し前……といっても数年ほど前ですが、ヒーロービルボードチャートの順位付けが変更になりまして、ヒーローとしての人気度と実力だけではなく、社会貢献度もチャートに反映されるようになりました。
その結果社会福祉等に尽力するヒーローの評価。ヒーロー以外の評価も上昇。色んな意味でヒーローが居なくても回る社会になりつつあります。
「……確かに。彼らにはそれもあるのですか?」
「……有るといえば嘘になるし……無いと言っても嘘になるかな。」
少し困った顔をされたブラッドロータス様。なにか思うことがあるのでしょうか。
「……そうですか。」
事務所に戻ってきた私達。受付に1人の男性が冬美様とお話してるのが見えます。
「よっ。」
「げっ。」
「ブラッドロータス様…………。」
露骨な嫌な顔。
「そんな言い方ないんじゃないッスか?これでも公安委員長ッスよ?」
「胡散臭い公安委員長も居たものですね。」
お越になられたのは公安委員長。元トップヒーローホークス様。ブラッドロータス様が毛嫌いしている方の1人です。
「……また仕事持ってきたの?飽きないねぇ。」
「傷原サンの仕事ぶりがいいからッスよ。」
「どの口が。また変な書類もってきてたら公安の前で私達模擬戦始めるからね。」
……冗談ですよね?
「…………俺もやんのか?」
「……多分冗談ですよ。……多分。」
「冗談なのか?」
「なんで鵜呑みにしてんだてめぇ!」
「大丈夫大丈夫ッスよ。あの書類作った人はキッチリ教育したんで。」
「ふーん?……それで?今日はどんな面倒事持ってきたの?」
「面倒事って……ちゃんとした仕事なんスけどねぇ?」
「どうだか。」
そんなこんなで2人で応接室に入っていった。
「……ホークス様にあんな悪態つけるヒーローも中々居ないですよね。」
「いねぇよ。見たことねぇ。ハラセンだけだ。」
「ウチの親父もそうだな。」
「エンデヴァーは引退してんだろ。」
このヒーローショート様……と轟冬美様は実はかの有名な元プロヒーローエンデヴァー様のご子息様ご令嬢様なのです。お2人とも実家暮らしらしいのです。
最近だと旅行したとか何とか……幸せそうな家族関係を続けられてるみたいです。
「……そういえば爆豪くん。そろそろ中華食べに行かない?」
「いいっすね。次どこ行きます?」
そういえば大・爆・殺・神・ダイナマイト様が来られると冬美様が少しだけ元気になられます。聞けば四川風の中華を食べ歩く仲……だとか。
時々お家にもお邪魔して料理しているらしいです。
うーん……これはもしかしたら……もしかするかもしれませんね?
「ハァ!?怠ッ!!」
応接室から声が響く。
「うーん……これは……」
「まためんどくさいお仕事ですかね……。」
「ハラセンも大変だな。」
「……腹減った。爆豪。なんか食いに行こう。」
「おめぇは変わんねぇな。」
ショート様が場の空気を緩ませる達人ですね。
「姉さんとインテリジェンスもどうだ。」
ショート様に誘われますが……
「……私はブラッドロータス様をお待ちします。」
ブラッドロータス様を置いてお食事なんて行こうものなら怒られてしまいます。
「ごめんね焦凍。私まだ仕事終わってなくて。」
「そうか。じゃあまた。」
「冬美さん。あとから連絡します。」
大・爆・殺・神・ダイナマイト様とショート様が事務所を後にする。
……今回のお仕事は平和で終われば良いですね。