side傷原流水
それじゃ……やることやろっか。
「被身子ちゃん。ナガンさん。そっちどう?」
『流水さん!こっちはある程度終わりました!』
『あと1人……どこにもいないねぇ。そっちに任せていいかい?』
「いいですよ。もう目星つけて向かってるので。」
『あっはっは!流石だねぇ!じゃあ任せようかね!』
『流水さん。私はそっちに向かいますね。何処ですか?』
もー……GPSあるからわかるはずなのにね?少しでも声聞きたいんだね?
「ふふっ……調理場。」
まぁ色々考えたよね。
理由とか……娘さん攫ってどうするのか……とか。身代金要求とかも考えた。
身代金要求とかなら……まぁ線は薄いかなって。だって何人雇ってたのさ。ざっと見ただけで10人くらいは居たよ?お金いるかなぁ?って話。
不幸にさせたいがために金を要求するのはわかるけど……相当莫大な額じゃないとダメージにならないよ。
なのであまり無いかなぁって判断。
単純に不幸にするならもっといい方法がある。
娘さんを……
「……ごめんなさい。」
殺せばいいからね。
「あなたの持ってるそれ……見せてもらっても?」
「…………。」
私が調理場に着くと1人の女性。
作り終えたのだろう……料理が並べられてる1皿……なにか瓶から液体を垂らしているのを見つけた。
「…………仲間と連絡取れなくなりました?」
「!」
「あなた……残りの1人ですもんね?何処探してもいないしウロウロし続ける訳にはいきませんもの。ヒーローの顔も見えたら強行手段も取りにくい。」
「…………。」
「だったら最終手段。殺せばいいんですよね。……そうやって雇い主から言われました?」
「…………。」
「痛くしないのでお話だけ聞かせてもらっても?」
「シュッ!!」
早い。増強系の個性かな?
まぁ……対人格闘はある程度出来ることは踏んでたけど……
ゴッ……
「……焦りすぎですよ。おバカさん。」
相手の速度を利用して肘を鳩尾に撃ち込む。
「ごっ…………おが…………」
相手が1歩……2歩後ずさる。
カランコロンと小瓶が落ち、私の方へ転がってくるので手袋をして手に取る。
「タリウム…………安直ですねぇ?」
少量で死に至る無味無臭の毒。よく暗殺で食べ物に混入されるタイプの毒。テトロドキシンも有名だがこちらも相当有名。
「…………くそっ。」
「……とっとと終わらせましょっか。」
つけていたコスチュームのブレスレットで指先を切りつけ、血を操作。拘束。
「!?」
「さーって。情報聞く前に受け渡ししないといけないので……」
口を無理やり開かせて、タオルを詰め込む。
「んごっ……もごごっ……」
「奥歯に毒仕込んであったら大変なので一旦コレで。」
あとは……
「この料理も鑑定に出しちゃいましょ。」
皿ごとジップロックに詰める。
コレで全部ですかね……?
「……流水さん?」
被身子ちゃん!足音聞こえないんだよね。
「終わったよ?」
「さすが流水さんです!早く裏口のホークスさん達に持って行っちゃいましょ!」
被身子ちゃんがパァっと満面の笑みに。可愛いねぇ。
「そうだねぇ。大晦日にパーティなんてやらなきゃ良かったのに。……しかもこいつらなんにも調べてねぇじゃん。無能集団だよ」
「そうですねぇ。…………あぁなるほど……娘さん毒の個性なのに毒効くわけないじゃないですか。」
「んごっ!?」
びっくりしてる。……色々あるんだろうけど……まぁ聞くのは後だね。
「動きも甘い。人数が多いだけの歴の浅い集団だったのかなぁ?……まぁ……情報聞き出す時は……またよろしくね?」
「……!!」
そのまま女性を引きずって受け渡し。こういう汚れ仕事はいつも私なんだから……まぁいいんだけどね〜。
「流水さん!」
パーティ会場に戻ってまた椅子に座ってると……被身子ちゃんがワインレッドのドレス姿で現れる。
「え?その格好どうしたの?」
「えへへ!実は持ってきてました!流水さんと一緒に過ごしたいなって思って!」
胸がキューンってなる。もう……本当にこの子は……
「……そうなんだ。かわいい。似合ってるよ?」
「そうですか?良かったです……流水さんも綺麗ですよ?」
「ありがとう。」
被身子ちゃんが椅子に座る。
「誰にも声かけられなかったですか?」
「大丈夫だよ。私結婚発表してるヒーローだし……声掛けてくる酔狂な奴いないって。」
「わかんないじゃないですか。流水さん……とっても綺麗なので……そういう輩が居たらと思うとモヤモヤします。」
「…………私……被身子ちゃんのモノだもん。」
「……えへへ。……流水さん。お持ち帰りしたいです。この姿を誰の目にも入れたくない。」
被身子ちゃんに手を重ねられる。独占欲マシマシ……たまらん。
「……パーティが終わったらね?」
「!……はい!!」
そのままパーティは恙無く終わった。私達はとっとと帰った。
帰り道ホークスくんから主催者が感謝したいって連絡があったけど無視。そんな面倒い仕事はテメェらで終わらせろで一蹴。
ただでさえホークスくんがプライベートで持ってきた仕事をやらされた身にもなれ!私達はプンプンです。
とっとと帰ってとっとと寝る。これに尽きる。
……まぁ被身子ちゃんが寝かせてはくれなかったんですけど。