私のヒーロー   作:おいーも

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印照才子の職場⑥

 

 

 

 

 

side印照才子

 

 

 

「父が皆様にわがままを言ったみたいで……大変申し訳ありませんでした。」

 

「「「…………。」」」

 

 

絶句。

 

何が……と言われると、先日私とブラッドロータス様を1時間拘束したあの社長様の娘様が独断で事務所に感謝ではなく謝罪に来られました。

 

 

「この度は皆様に私の命を救っていただいただけではなく、お時間と都合を合わせてもらい……本当に頭が上がりません。」

 

「いや……仕事だったので……まぁ貴方のお父さんの対応はちょっとめんどくさかったけど。」

 

「……私の父ながら恥ずかしい限りです。」

 

「流水さん。」

 

「もう怒ってないよぉ!」

 

「それ怒ってましたって仰ってませんか?」

 

「……ッス-ッ……。」

 

 

応接室……は今埋まってるので事務所内で顔合わせ。対応できるのがブラッドロータス様とブラッドヘリアンサス様と私だったので……まぁ当事者ですね。

 

 

「いえ。皆様のお怒りも当然の事かと……私の父は熱が入ると後先考えずに行動してしまいまして……パーティはまだしも更に皆様に迷惑をかけていると知り……謝罪に来させてもらいました。こちら……つまらないものですが。」

 

「あっ……ありがとう……ございます。」

 

 

高そうなお菓子ですね。……紅茶でもいれましょうか。

 

「紅茶……お持ちしますね。」

 

「いえ!お気になさらず……」

 

「このままブラッドロータス様が帰すと思わないので。」

 

「……え?」

 

 

多分なんだかんだ仲良くなってると思います。

 

私は席を立って紅茶の準備をする。

 

ゴールディップスインペリアル……ブラッドロータス様にクリスマスプレゼントとして渡したもの。結局皆様の物になってますね。

 

 

「……ふふっ。」

 

 

ブラッドロータス様はあまりこういう物に執着がないお方ですから……こうなるのはわかってましたけどね?

 

でも誰からいつどんな物を貰ったかは絶対覚えてないらっしゃるんですよね。……だから渡す側も嬉しいんですけど。

 

そういえばそろそろファットガム様とチームアップする予定でしたね。大阪……行ったことないですが……楽しみです。

 

 

紅茶が入り……お茶請けと一緒に持っていく。

 

 

「……雄英志望なんだ?頑張ってね。」

 

「はい!皆様のようなヒーローになれるよう邁進します!」

 

「流水さん。ちょうど今日巡璃ちゃん達インターンで来てますよ?」

 

「あ、そうじゃん。ねね!今雄英の子インターンで来てるんだけど会う?」

 

「よろしいのですか!ぜひ!」

 

 

ほらね?仲良くなってるでしょう?

 

「はい。紅茶お持ちしました。」

 

「ありがとう〜。」

 

「ありがとうございます。」

 

「ありがとうございます。いただきますね。」

 

 

「ブラッドロータス様。エスネイラー様をお呼びしますね。」

 

「いいのぉ?ありがと!……日巡璃ちゃん達の意志優先でね?」

 

「はい。」

 

 

こういう配慮がサラッと出来るんですよねこの人は。理想の大人……と言った所でしょうか。

 

 

応接室に向かう。

 

扉の前に立ってノック。

 

 

「ナガン様。エスネイラー様。スカルガール様。インテリジェンスです。」

 

「いいよ。入んな。」

 

「失礼します。」

 

 

部屋に入る。

 

居るのは3人。レディ・ナガン様とエスネイラー様……槍田日巡璃様とスカルガール様……骸骰髑髏様。

 

エスネイラー様とスカルガール様は雄英高校のヒーロー科です。お二方どちらも優秀で……普通に仕事の助けになってます。

 

 

「どうしたんだい?」

 

「以前の件で……社長様の娘さんが謝罪に来られまして……」

 

「謝罪ィ?……まぁまともな子ならするか。……にしてもあの親から出た子が謝罪ねぇ……」

 

「ナガン様。……それで雄英高校を目指してるのだとか。お二方にお会いしたいとのことで……お時間よろしいですか?」

 

「ん?いいよいいよ。明日以降の確認事項だけだし。いつもと変わんないよ。」

 

「お二方は……」

 

「いいですよ!」

 

「……俺もいいです。」

 

 

スカルガール様はナガン様とエスネイラー様と話してる時だけテンションが高いんですよね。こちらにも心を開いてくれるといいんですが……。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ……貴方達は……雄英の体育祭で……!」

 

「そうだよ!1回戦で結構ド派手にやっちゃったからね!」

 

「…………強かった。……足のハンデが無かったら余裕で負けてた。」

 

「うーん……もっと戦いたかったけどね!」

 

 

エスネイラー様は去年の雄英体育祭は、トーナメントの前の競技……今回で言うと玉入れ……とは名ばかりの大乱闘でしたけど……で足を負傷されたので全力が出せなかったのですよね。

 

 

「槍田日巡璃様と骸骰髑髏様!!どちらも覚えてます!何度も何度も見返しております!!」

 

2人の手を取ってぴょんぴょん跳ねてます。

 

「なんか恥ずかしいね。」

 

「……うん。」

 

 

ちなみに骸骰髑髏様は3位。上位2人が流石に強すぎましたね。

 

 

「私雄英高校のヒーロー科に入りたいのです!もし入学できたら後輩としてご指導ご鞭撻の程……よろしくお願いいたします!」

 

「……俺はともかく……槍田は次期ビッグ3だから関わり合いになることも多いかもね。」

 

「うーん……荷が重いね!」

 

 

するとブラッドロータス様が一言。

 

「日巡璃ちゃんならやれるでしょ。」

 

「おねーさん!?」

 

それに皆様も続く。

 

「どうにかなりますよ。」

 

「なんとかなるでしょ。」

 

「どうとでもできるじゃん。」

 

 

「お墨付きがすぎるなぁ!?」

 

 

それだけ信用してるってことですよ。日巡璃様。

 

 

 

ワイワイ会話が弾む事務所。

 

少しして社長様の娘様は帰っていきましたが……

 

 

そういえばお名前聞いてませんでした。……雄英高校にご入学されるのでしたら……お名前くらい分かりますか……

 

 

 

……印照才子……一生の不覚ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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