私のヒーロー   作:おいーも

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気月千歳の現罪③

 

 

 

 

 

 

side気月千歳

 

 

今日は取材……と言っても本来私が取り持ってるスクープ系じゃないんだけど。

 

人手が足りないのよね。私はこういう系があまり好きじゃないけど……今回のに関しては私が名乗り出た。私じゃないとダメな気がした。

 

このカフェでの待ち合わせも慣れたものよね。最近新しい人が入ってきたみたいで騒がしいし。

 

分倍河原さんだっけ?あの人にも取材してみたいわね。

 

 

「気月さん!」

 

「被身子ちゃん!待ってたわ!」

 

「すみません!途中で仕事になっちゃっもので。」

 

「いいわよ。事前に連絡くれたでしょ?ささ?座って。今日は私が奢ってあげる。」

 

「いいんですか!?ありがとうございます!」

 

 

今日の取材対象は渡我……違うわね。傷原被身子ちゃん。どうにも学生時代のかわいい彼女がチラつくわ。……私も歳をとったわね。

 

「それで……意外ですね?こんな取材……気月さんがするなんて。」

 

「人手が足りないのよ。ウチも。新人さんは入ってきてるけどね?」

 

「なるほど……ふふふっ気月さんも大変ですね?」

 

「お互い様ね?……よし。じゃあ早速始めちゃいましょうか。……まず……流水ちゃんとの馴れ初めを教えてくれる?」

 

「改めて聞かれると恥ずかしいですね?」

 

 

そう。今回は『ヒーローの恋愛模様特集』……なんでこういうのが気になるのかしらね?緊急!とかスクープ!とかならそそられるんだけど……

 

彼女達の馴れ初めは以前嫌という程掘り下げた。2人とも胸張って答えるんだもん。筆が進んだわ。雑誌にしたのは別の記事だけどね?

 

それにしても楽しそうに話すわねこの子。……少しだけ羨ましいなって思うのは内緒。

 

 

「〜で……こうで……なんですよ!」

 

「うん……うん…………それで?」

 

「そこで流水さんが登場です!何度思い出しても何度でも恋できます!……それくらいかっこよかったんです!」

 

「うふふ。」

 

 

…………私は。そんな彼女に隠していることがある。

 

 

元異能解放軍。もう……何度フラッシュバッグしたか分からない。今でも夢で見る。今はある程度……犯罪をしていたという意識が芽生え、罪の認識が出来つつある。出来つつある……が……代表の甘言。あれが何度でも私を……キュリオスを呼び戻そうとする。

 

 

「……大丈夫ですか?」

 

「あっ……うん。大丈夫よ。安心して?」

 

「別に日にします?」

 

「今日以外だと予定がカツカツでね……今日にしておきたいの。」

 

「…………そうですか。辛かったら言ってくださいね?」

 

「ありがとうね。」

 

 

こんないい子を……こんないい子の好きな人を……私の元仲間は傷付けた。彼女は私は関係がないとは言ってくれるけど……勝手に背負ってしまう。認識してしまう。

 

「……なるほどね。……次の質問なんだけど……」

 

私にできることは何でもする。彼女達の幸せが……私の贖罪に少しでもなれば……と思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

「今日はありがとうね。」

 

「いえいえ。楽しかったです。」

 

 

夕方。もう彼女を解放してあげないと流水ちゃんが怒っちゃう。

 

彼女は途中まで送ってくれるという……本当にいい子ね。

 

「もう。流水ちゃんが羨ましいわ?こんな素敵な旦那様が居るんだもの。」

 

「ふふふ。口が上手いですね?」

 

「じゃなきゃこんな仕事出来ないわよ。」

 

 

 

「じゃぁ……私はこっちだから。」

 

「はい。今日はありがとうございました。」

 

被身子ちゃんと別れ……

 

 

「……気月さん。」

 

「……どうしたの?」

 

 

「……私。貴方のこと知ってますから。……自分を許してあげてくださいね?」

 

 

 

 

 

「……え?」

 

「それじゃ!」

 

 

被身子ちゃんは足早に去っていく。

 

「ちょっ……何が……何を知ってるの!?」

 

 

その声は虚しく空に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

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