side筒美火伊那
PPPPP……
アラームが鳴る。
「…………」
ピッ……
今日は……休みだったっけ。流水ちゃん達3人が大阪出張に行ってから、人が居なさすぎるので私と冬美ちゃんは休暇を貰った。
3日間。……短いようで長い3日。明日には帰ってくるらしいけど……それでも長い。
「…………ふふっ。」
それでもアラームをつけて寝てるくらいには……あの事務所に行くのが楽しみなんだよね。きっと。
「…………。」
少しこそばゆくなって頭を搔く。
「もう1回寝よっ。」
近くにあったぬいぐるみを布団に引き込んで夢の中へ。
……もう少しだけ……夢の中なら楽しいかもしれないから。
「……来ちゃうんだよねぇ……」
もう一寝入りしたが上手くいかず、朝食を作る気にもなれず……外に出て軽く軽食を取り……散歩がてらブラブラ歩いていたら事務所の前に……
無意識って怖いねぇ……
何の気なしにドアに手をかける。
ガチャ……
「…………!」
空いた……空き巣!?流水ちゃん達の居住区には別の入口があるとはいえ、事務所の鍵が空いてるのは……凄く嫌な予感がする。
ゆっくりとドアを開け、肘を曲げて銃を構える。
銃身だけドアの隙間から事務所にいれて、中を見える範囲で索敵。
誰が……
「……え?」
あれって……
「掃除してるなら言ってくれればいいのにさ?」
「いやぁ……自主的にやってるもので……」
事務所に居たのは、冬美ちゃん。出勤日は毎日掃除してるから、今日だけでもって掃除しに来たんだってさ。
「にしても……これ大変だねぇ……」
「そうですね……まぁでも二人でやったら早いですよ?」
「そうだね。休んだ分少しでも動かないとね?」
「そうですね!」
身体なまっちゃいそうだしね!
「……ふぅ。これくらいでいいんじゃない?」
「そうですね!綺麗になりました!」
2時間……3時間くらい掃除してたかな?色々懐かしいもの見つけながら、隅々まで掃除してた。
掃除って1回手をつけると綺麗になるまでしちゃうんだよねぇ〜……汚いところ探しちゃうよ。
「あの……良ければこの後ご飯食べに行きません?」
「……そうだね。いいかもね。」
冬美ちゃんからのデートの誘い。久しぶりにあの爆発坊やとの進展を聞こうかね?
「んふふ……」
「どうかしました?」
「ん〜?……この事務所にも救われたんだってね。」
「……それは私もですね?」
「なんだかんだ共通点があるね?」
私は出所してからの職場及び生活。冬美ちゃんは新しい職場。
生きるためとはいえ……私たちのためにこんな事務所まで作ってくれた彼女には頭が上がらない。
「…………守りたいね。」
「はい。絶対。」
彼女のためにも。恩返しはまだ終わってない。
「…………よし。ご飯食べに行こうよ!」
「そうですね!どこがいいですか?」
「朝はハンバーガー食べたからね……別の場所ならどこでいいよ。」
「えぇ……私に頼んだら中華になっちゃいますよ?」
「いいじゃないか。オススメのお店教えてくれよ。」
「え!じゃあ……近場だと……」
二人で事務所を後にする……
「あっと……」
ガチャン
「……これでいいね。」
「そうですね。……みんな帰ってきたらびっくりしますよ?」
「んふふ……そうだといいね?」
さて……あの子達はどんな反応見せてくれるやら。