side傷原被身子
「ふぁ〜……」
眠いです。っていうか昨日あんまり寝てないです。
流水さんが悪いんですよ?寝かしてくれないから。可愛いのが良くないです。
眠り眼を擦りながら何とかパソコンに向かってお仕事お仕事。
コーヒーは一日一杯までって決めてます。飲みすぎるとお口臭くなっちゃうんで。頑張れお茶。頑張れカフェイン。
コンコン
「傷原先生。自己管理出来てないのは……社会人としてどうなんだ?」
あ……この声。……さっきの欠伸聞かれちゃいましたか。
「そんな生意気なこと言う生徒はウチには居ないですね?敵かもしれません。」
ガラッ
「んなわけねぇだろ。知ってるくせによ。」
「知ってるも何も……なんの用ですか?心操くん。」
入ってきたのは心操くん。…………風貌が相澤先生なんですよね。どれだけ好きなんですか。
「いや?寄る予定があったからついで。」
「あ、そうですか。じゃあお帰りになって……」
「おま……変わらねぇな?」
「心操くんは何かいじめちゃいたくなるんですよね。」
「怖……嫁さん可哀想すぎるな。」
「流水さんは可愛がってますので。」
「あんまり聞きたくねぇかも。」
「うざ。」
保健室の椅子に座り始めるのでお茶を用意してあげる。
……最低限のマナーですよ。
「……なんだかんだ同窓会以来か?」
「そうですね。心操くんは忙しいでしょうし。…………私は暇してますけど。」
「違いねぇ。今は悪い意味で平和だからな。……ヤバすぎる事件は明るみにならねぇ。」
「…………。」
「……ハァ。ブラッドロータス先生の辛さがちょっと分かるぜ。あそこまでじゃねぇけど。あの人の功績がデカすぎる。」
「やっとわかりましたか。アングラなヒーローやればこの社会の歪さがよく分かるんですよ。」
「身に染みた。…………みんながヒーローになれる社会…………聞こえはいいが、それはヒーローが輝かしい活動をしてるからだ。ヒーローが機能してない地域だって少なからずある。そうなった場合……」
「……経験は大事ですよ。心操くん。」
「…………ハァ。裏社会はそんなの関係ねえからな。知りたくねぇ事まで知っちまう。」
心操くんの何度目かのため息。相当キてるみたいですね。可哀想。
「心操くんもこっち側ですね。いい気味です。」
「なるつもりは無かったんだよ。学生の頃はな。」
「イレイザーヘッドとブラッドロータスなんかに教えを乞うからです。自らの選択を恨んでください。」
「…………後悔はしてねぇよ。俺の活動が社会を保ってるっていう自覚があんだよ。」
まぁそう思ってないとやっていけないですよね。人の死体やもはや人間とすら呼べるか怪しいものまで見てきた上で、そういう軽口が叩けるのであれば……
「才能がありますよ。」
「何がだ?」
「いいえ?独り言です。」
この社会に踏み入る……そしてこの社会側から全体を見る才能が……ですね。
「……愚痴言っててもしゃーねーな。よし。仕事行ってくるわ。」
心操くんがお茶を飲み干し、膝をパンと叩き立ち上がる。
「お仕事なんですか?」
「今度は公安関係でな。あんま言えねぇが重要任務だ。」
「……もう公安とズブズブですね。」
「言うな。こんなことになるなんて分かんなかったんだよ。」
心操くんが居るだけで情報吐かせるの楽になりましたからね。公安も大助かりでしょう。
「まぁ頑張ってください。何かあれば流水さんまで。」
「おう。お前じゃなかったら安心できるわ。」
「どういう意味ですかそれ。」
「アハハハ〜」
「ねぇ!!どういう意味ですか!!!」
ちっ逃げられた。
…………仕事しよ。