side印照才子
今日はお仕事…………ではなく、友人と待ち合わせです。
プライベートではなく、次の仕事の打ち合わせというか……そういう名目というか。
一応私服で。そして喫茶店で待ち合わせです。
「インテリジェンス!お待たせいたしました。」
「あ!クリエイティ。早いですね?」
ヒーロークリエイティ。ビルボードチャートにも名を連ねる人気ヒーロー。脂質から物質を作り出す個性『創造』。非常に強力かつ応用も効く万能な個性です。
仮免試験の時に1回。それと別にもう1回クリエイティとは学生時代に顔を合わせ、そこで意気投合。連絡先を交換し、今の関係に至ります。
仮免試験の時は苦渋を飲まされましたが今や過去の話。今は良き関係を築けているのでいいとしましょう。
「いえいえ。少し待たせてしまいましたわね?」
クリエイティが私の前の席に座る。多分目線は机の上の空のグラスですね。
「……バレてしまいましたか。」
「うふふ。ごめんなさい。少し電車が遅れたもので。」
「大丈夫ですよ。時間は沢山あります。」
ちょっと喉が乾いたので先に頂いてたんですよね。
「ええ。そうですわね。」
クリエイティも店員さんを呼んで少々注文。クリエイティの少々は少々じゃないんですけど……またそれは別の話。
「それでははじめましょうか。」
「はい。そうですね。」
「それではインテリジェンスさんが私の事務所に少しだけ滞在される件について……」
「……。」
そうなんです。私の事務所……ブラッドロータス事務所は、表向きはブラッドロータス様だけが公安所属なのだが、実は私達もしっかり公安所属。
なので……
「表向きはチームアップという形ですが……本題は私の事務所の内部調査……との事ですが、私に言って良かったんですの?」
そういうことです。定期的に上位ヒーローとチームアップを組んで、内部調査……俗に言う不正をしていないかの確認ですね。それを行うのも私達の仕事です。
…………仕事にさせられてます。
「はい。まぁ毎年のことですし、インテリジェンスなら察していたのかなと。」
「いえ……まぁ。そうですけれど……」
「なのでもう話してしまってもいいかなと。そっちの方が都合が良いですし。」
「…………私が不正をしていると考えないんですか?」
「貴方は嘘をつくような方じゃないでしょう?」
「……プレッシャーですわね?」
「こういうのも仕事です。」
二人で笑い合う。
「であれば色々と調節はききそうですね。」
「そうですか?良かったです。それと別件なんですけど……」
「……なるほど。敵拠点の調査……と。」
「はい。まぁまだ未確定な情報なので、事務所が近いのは好都合ですし……何かあればブラッドロータス様にお伝え出来ればなと。」
「…………どちらが本題ですの?」
「どっちもです。」
先程頼んだ紅茶を1口。……普通ですね。
「うふふ……」
「なんですか?」
急にクリエイティ様に笑われた。おかしなこと良いましたかね?
「インテリジェンスさん……本当にブラッドロータス事務所に入ってから変わられましたね?」
「……良い意味で変われたと思いたいですね。」
「勿論良い意味ですよ?……店員さん!」
「……。」
皿の山。……まだ食べるんですか……
「……あ、そういえばブラッドヘリアンサス様から聞いておいて欲しいと言われたことが……」
「はい。なんですの?」
「ヒーローショートかヒーローインゲニウム。どちらを取るんですか?」
「ブウッ!!」
「ちょ!?大丈夫ですか!?」
カタカタカタカタカタ……
すごく震えてますけど!?
「1回カップ置きましょう??」
「ええ。ええ。大丈夫です。大丈夫。」
「本当ですか??」
「…………被身子さんは相変わらずですね。」
「……1歳年上だから皆様のことが心配なのでは?」
「……同級生ですのに。……まぁ……私のことはいいじゃありませんか。」
「……はぐらかしましたね?」
「ケーキひとつあげます。」
「私は今日何も聞きませんでした。」
「ありがとうございます。」
買収はされるものですよ。