side印照才子
「……。」ムスッ
「……。」ムスッ
「……。」ニコニコ
「……えーっと……。」
「紅茶です。」
「……む。すまない。」
「ありがとう。」
人数分。6つ。今日はお仕事の相談って訳ではなく……来訪者があったのでせっかくならと皆で机を囲むことに。
書類仕事もパトロールもちょうど無かったタイミングなので……と私が切り出した。何も無いのは無礼ですからね。
切り出したんですが……
「はぁ……ブラッドロータス様は相変わらずですね。」
「そんなの言ったらお父さんも……」
「「何が!」」
「うふふ。いつ来ても仲良しね?」
「「何処が!!」」
「ほら♪」
「……」「……」ムススッ
はい。来られたのは冬美さんの親御さん。轟炎司さんと轟冷さん。
なんと轟炎司さんは元ナンバーワンヒーローエンデヴァーさんです。引退して少しお歳を召したとはいえ貫禄は健在で……ってなんでブラッドロータス様は睨み合ってるんですか。
……なんか昔仕事仲間だったって言ってた気がします。だとしても年上ですし、元とはいえナンバーワンヒーローの方に対する対応じゃないと思うんですけど……
「……ふん。それで?今日はこんな弱小事務所に何しに来たんですか。」
「貴様が居るから来たわけではないわ。冬美の仕事ぶりを見に来たのだ。」
「毎回そう言ってなんだかんだお茶してお菓子食べてじゃないですか。暇ならそう言えばいいのに。」
「減らず口を!貴様俺が手を出せないと思ってないか!」
「だってもう貴方ヒーローじゃないですからね〜ベロベロ〜!」
舌をぺろぺろ出してお茶らけて……子供ですか??
「言わせておけば!!!」
「やーいやれるもんなら……」
「あなた?」
「うっ……す……すまない。」
「奥さんの尻に敷かれてやんの!座布団やろ……」
「流水さん?」
「……ハイ。」
ブラッドヘリアンサス様も居ます……というかさっきまでトレーニングされてました。……うーん……これは長くなりそうです。
「あ。被身子ちゃん。トレーニング終わったの?」
「はい。有意義でした……にしても流水さんも私のお尻に敷かれてるじゃないですか。似たもの同士ですよ。」
あ、自覚あったんですね?…………この夫婦は謎です。
「「……。」」
「冷さん。すみません私の妻が……」
「うふふ。いいのよ。私の旦那も悪いから……」
「とりあえず茶請け持ってきますね。」
この2人がかち合ったとなると……話が長くなるから一時避難です。
お菓子を見繕い、机に持っていくと……
「最近流水さんと一緒に日帰りで旅行に行ったんですけど……まぁ楽しくて!しかも流水さんが全部お金出してくれたんですよ?『今日は私。被身子ちゃんは笑ってくれてるだけでいいよ。』とかサラッと言って!……本当に素敵でした。」
「素敵ね!私は最近だと一緒に陶芸教室に行って……一緒に茶碗を作ったんだけど、炎司さんの提案でお互いが作った茶碗を交換して今使ってるの!……温もりというか、真心というか。うふふ。少し食べすぎちゃうわ♪」
「陶芸!いいですね!流水さんと行きます!」
「いいわよ♪未知の体験というか、無心になれるわ。」
そうです。パートナー自慢が永遠に続きます。惚気話とも言います。
ナガン様はそれを察知してパトロールに行かれました。賢い。
全然聞く分にはいいんですが……
「それでそれで……」
「そういえば……」
こんな幸せそうに話す彼女たちを見ると、ちょっとだけ羨ましくなるのは内緒です。
「「……。」」
喋ってない方は顔真っ赤で可愛そうですけど。
……なんか面白いので写真撮っておききましょう。