side傷原被身子
今日は……一段と暇ですね?
いやこんなことなら雄英じゃなくて事務所行っとくべきでした。……そういう訳にはいかないんですけどね?
雄英高校にはヒーロー基礎学という実戦訓練がある以上、怪我をする生徒が多い。結果的に養護教諭の存在は必須なわけで……
「ふぁ〜〜〜〜〜……」
でもこの午前の暇な時間を何とかして欲しいです。
流水さんから暇つぶしに貰った仕事も終わってしまいました。有能なのも困りものです。
流水さんからさっきメールで感謝があったので暇なこと以外は凄く気分がいいですけど。
コンコン
「はいどうぞ〜。」
……あれ?今日午前中になにかありましたっけ?怪我するようなものは無いはずですけど。
「ケロケロ。傷原先生。来たわよ。」
「梅雨ちゃん!待ってました!」
入ってきたのは蛙吹梅雨ちゃん。ヒーロー名フロッピー。私のお友達です。
よくお茶子ちゃんと一緒に……
「……あれ?今日は1人ですか?」
「ええ。今日は雄英の臨時教師として呼ばれたわ。」
「あ〜……大変ですね?」
「ケロケロ……別に大丈夫よ。好きでやってるんだもの。」
梅雨ちゃんはヒーローになってから、得意な水難事故だけじゃなくお茶子ちゃんと個性カウンセリングに行ったり、こうやって雄英の臨時教師をやったりと大活躍。
……充実してますね?私と違って。
まぁ隣の芝は青く見えると言いますし……感じ方は人それぞれですよね。多分私の仕事も他の人から見たら充実…………してるんですかね?
「それに……出久ちゃんと被身子ちゃんに会えるのが楽しみなの。」
「梅雨ちゃ〜ん!私に会うだけでいいです♪」
かぁいい!かぁいい!
「……相変わらずね?出久ちゃんとは仲が悪いの?」
「はい!」
「そんな笑顔で言うことじゃないわ?」
「そうですかね?」
それはそうと、客人を丸腰で待たせてるのは非常に良くないので……
「梅雨ちゃんは……紅茶大丈夫ですか?」
「いいの?いただこうかしら。」
「ソファに座って待っててください。」
「ケロケロ。わかったわ。」
とびきり美味しいのを煎れましょう。そう言えばクリスマスに貰った美味しい茶葉がまだ残ってる気が……
「……うん。」
よし。いい匂いです。最近インテリジェンス先輩から紅茶の美味しい煎れ方教えて貰ったんですよね。
「はい。どうぞ。」
「……。」
「……どうしました?」
「所作が傷原先生に似てるわね。そっくり。」
「え?そうですか?……んふふ。なんか照れますね?」
「よく見てるのね?」
「はい♪それは穴が空くほど。」
「…………お茶子ちゃんもこれくらいグイグイ行けばいいのに。出久ちゃんならすぐ堕ちるわ。」
「…………お互いなんだかんだヘタレなので。」
緑谷くんはずーーーーっとヘタレですけど、お茶子ちゃんは最近ちょっとはグイグイ行くようになった気がしなくもないです。しなくもないです。はい。
「そういう所は別に一緒じゃなくてもいいのにね。もどかしいわ。……そう言えば最近3人でピクニックに行ったんだけど……」
「…………え?さ……3人??」
2人きりで行けばいいのに!!
「ええ。お茶子ちゃんが2人きりは緊張するからお願いって言われて……」
「…………。」
なんてポンコツ……お茶子ちゃん!!
「その間ずーっとお茶子ちゃんは私を挟んで出久ちゃんと喋ってるし……出久ちゃんは出久ちゃんでタジタジしてるし……ピクニック自体は楽しかったわよ?」
「…………お疲れ様です。」
「……見てて面白かったのは3年までだわ。最近は早くくっつきなさいって思うの。」
「私はずっと思ってます。」
「そうよね。……ダメだわ。最近だとお茶子ちゃんと出久ちゃんのモタモタ具合が愚痴になりつつあるわ……」
「大丈夫ですよ。ここに来ればいくらでも愚痴聞きますので。」
実際色んな人の愚痴聞いてるので。週1……多くて週3くらいで同級生が来ます。梅雨ちゃんはこの中でも雄英によく来るので特に多い気がしますね。
「…………こんなの被身子ちゃんにしか話せないわ。」
「うふふ。お菓子サービスしちゃいます。」
「いいの?」
「はい。いつもお疲れ様なので。」
「ケロケロ。嬉しいわ。被身子ちゃん。」
「私は梅雨ちゃんとお話できるだけで嬉しいですよ。」
「そうだと嬉しいわ♪」
残りの時間は愚痴ではなくてゆっくりとお互いの近況報告を。
そう言えば梅雨ちゃんはあまり色恋沙汰を聞かないですね?次会った時聞いてみましょうか。