side白灘珠世
ボキ……
ボキ……
「うぅ〜ん……ちょっと身体固くなったなぁ??」
「まぁ……最近は座り仕事が多いのでしょうがないかと。」
「だけどねぇ〜……座り仕事が多いのと運動しないのはまた別だからねぇ〜……」
「時間が取れないのも事実では?」
「たしかに。」
お仕事始まる前。私の日課……のはずの毎日のストレッチ。最近忙しくてあまりできてなかった。それに重なって運動をしてなかったのもあり身体が少し固くなった……のかも。
「まぁまぁ……運動っていっても室内じゃないとできないし……そもそも相手がね……」
「そうですね……また傷原様を呼びましょうか?」
「えぇ〜……その為だけに呼ぶのは……気が引けるなぁ??」
そう。私の体は色々特殊で……運動というもの自体が特殊。虫の体なので……短い時間で高出力を出すのは得意だけど、長い時間に一定の出力で……ってのは厳しい。身体もそこまで強くないし。
特に昼間は無理。光線過敏症が引っ付いてとんでもない事になっちゃう。
しかも私の場合並大抵の器具じゃすぐ壊れちゃう。
室内か夜にできて、短時間高出力で出来てってなると……
「しかし……あなたの運動相手ができるのは……」
「うぅ〜……流水ちゃん所しかないかぁ……」
なんか月一で手伝ってもらってる気がする。本当にごめんね?
ということで夜。
「やっほ!」
「流水ちゃーん……ごめんね?付き合ってもらっちゃって……」
「大丈夫大丈夫〜♪おかげで私も鈍らずに済んでるよ〜。」
「そう言ってもらえると嬉しい!」
「んふふ。じゃ……始めよっか?」
「うん!」
ガギィンッ!!
お互いの拳がぶつかり合う。
はい。そうです。殴り合いです。
流水ちゃんとは定期的に拳を合わせてる。これは数年前に流水ちゃんに相談した時に提案された。…………正直流水ちゃん程じゃないと私の拳に打ち負けちゃう。トップヒーローは違うのかなぁ?
でも流水ちゃんちょうどいいんだよね。殴りあってくれるし、身体能力もすっごく高いし、搦手もやってくれる。
流水ちゃん以外に適任がいない可能性……あるよねぇ……
「ハーッ……いい運動した!!!」
「んふふ……よかったよかった♪」
地面にお互い寝転がる。いっぱい動けた。満足!
「……でもねぇ……毎回毎回頼んですごーく申し訳ないなって……」
「うーん……うちの事務所でも……多分被身子ちゃんは戦えると思うけど……それだったら私が行くしねぇ?被身子ちゃんは夜暇じゃ無い時もあるし。」
「…………私には流水ちゃんしか居ないのか!!」
「えぇ〜?右腕ちゃんと左腕ちゃんも強いじゃん?」
「嫁は殴れません!!」
「たしかに。」
絶対にダメ。私の大事で大事でかわいいかわいいお嫁さんだから。
「……だったらさ、白ちゃんの負荷に耐えられる機材作ったら?」
「できたとしてメンテナンスもめんどくさいし、お金もいくらかかるかわかんないし、そもそもどこに置くのって言う問題が……」
「…………そっかぁ……難しいね?」
「そうなんだよねぇ……」
なにかいい案は無いものか……
とりあえずもう一度だけ手合わせてから流水ちゃんとはバイバイした。
……2人にも聞いてみようかな。