私のヒーロー   作:おいーも

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地下賭博

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

 

ある日の平日。昼間。

 

私はとある場所に顔を出していた。

 

広間に通され、大きなソファに背を預ける。

 

 

「……。」

 

「ブッ……ブラッドロータス様。今日はどんなご要件で……」

 

「うちの子出して。ふたり。今すぐ。」

 

「ひっ……かっ……かしこまりました。」

 

目の前の使用人が部屋を飛び出した。……取って食うわけじゃないんだけど。

 

 

ここは賭博場。行われている賭け事は普通じゃない。

 

 

「……フーッ……」

 

目の前のモニターでは、格闘技。ルール無用なんでもありの総合格闘技が行われている。

 

個性。武器。なんでもあり。本当になんでもありだ。

 

 

こういう場所じゃないと発散できない人も中には居る。そういう人は死刑囚とかにならない限り、刑務所から出所しようものならまた被害者を出してしまう。

 

 

そもそも今の社会で死刑判決がなかなか出なくなったのも大きい。

 

……この場は私が作ったんだけどね。オーナー私です。

 

それはそれとして時々様子を見に来てあげないといけない子が1人いる。

 

 

……それにここは大きくお金が動く。経済が回る。

 

ここで発生した利益は勝者と敗者に分配されて、残りは寄付。

 

 

ただし大掛かりに出来ないので色々大変。カモフラージュも沢山やってるしね〜。

 

公安にも飲み込ませた。死刑判決を出さなかった社会が悪い。無期懲役にしなかった社会が悪い。

 

まぁ何かあったら私が全員殺すって約束してるんだけどね。

 

 

「…………。」

 

こういう時社会の受け皿が割を食うんだよね。……被身子ちゃんも連れてきたことあるけど、楽しそうだったからまぁいいか。賭けなんて絶対させないけどね。

 

 

コンコン

 

やっと連れてきたのね。

 

 

「入って。」

 

「しっ……失礼しますッ!」

 

すると拘束具をかけられた男がふたり、部屋に入ってきた。

 

 

「……なんで拘束してるの?」

 

「いやっ……あの……」

 

「外しなさい。今すぐ。」

 

「ひぃっ!!わかりましたっ!!」

 

使用人がガチャガチャと拘束具を外す。

 

 

「ぶはぁ〜!お!久しぶりだな!」

 

「……フン。」

 

「久しぶり。2人とも。元気してる?」

 

目の前のふたり……乱波肩動と赤黒血染。何故か死刑囚になりきらなかったふたり。無期懲役にでもすればいいものを……まぁそう言うのはよくわかんないから無視無視。

 

 

「ああ!ここは楽しい!強いやつがいっぱい居る!」

 

「そう。選りすぐりを集めたからね?しかもみーんな漏れなく頭のネジ外れてるから殴りがいがあるでしょ?」

 

「ブラッドロータス!お前ともやりたい!」

 

「いいわよ。今度ね?」

 

「うはは!死ぬまでやろう!!」

 

「殺すのはNGって言ってるでしょ?」

 

「そうだった!」

 

「私も殺してあげないから何度でもやりましょ?」

 

「やろう!やろう!!」

 

 

乱波肩動……死穢八斎會の件で捕まったハズなのに、本人の家庭環境と、死穢八斎會入会がほかより浅かったのもあってあまり重罪に問われなかった人。

 

釈放されてすぐ公安の命令で私が回収。殴り合いの末和解して今に至る……というか一方的にボコボコにした。個性の相性が良かったのもあるわね。

 

ちなみに今は10戦8勝。結構人気なプレイヤーらしい。

 

2敗は横の人。

 

「……で?いつまでムスッとしてるの血染くん。」

 

「フン。貴様に好き勝手させられてるのが気に食わないだけだ。」

 

赤黒血染。元ヒーロー殺しステイン。彼も先の大戦でオールマイトを助け、ヒーロー側の勝利に貢献したことが災いして死刑囚になれなかった人。

 

ちなみに数年前に飯田くんが捕まえました。偉いねぇ。

 

まぁそんな感じなのでこの人も回収。ここにぶち込んだ。

 

彼は今5戦5勝。一方的に拘束できる個性は強いわね。

 

 

「それよりもステイン!決着が済んでない!」

 

「ハァ……うるさい奴だ。」

 

「また試合組んでもらったら?」

 

「ああ!そうする!」

 

 

血染くんは一旦置いておいて、乱波肩動はルールを守ってくれてるみたいで安心安心。

 

ま、2人とも普通だったらまともな生活送れないだろうから、生活場所確保してあげてるんだし感謝くらいはして欲しいわね。

 

 

「ふたりとも元気そうで安心したわ。お土産持ってきたからまた使ってね?」

 

「うはは!楽しみだ!それよりも1回殴り合おう!ブラッドロータス!」

 

「もう……しょうがないわね?……スタッフ!」

 

「はっ……はい!!」

 

 

部屋の外に控えてたスタッフがおずおずを顔を出す。

 

「今日はいつまで?」

 

「ひっ……えと……あと30分もすれば終わりかと……」

 

「じゃあその後ね。」

 

「いいのか!楽しみだ!!」

 

「人払いをとっとと済ませること。命かけなさい。」

 

「はい!!!」

 

 

スタッフが走り去っていった。

 

…………いや……あなたがいないとここのふたりどうするのよ。

 

「……あいつもクビね。」

 

なんでそんなにビビってるのかしら。私ってそんな怖い?

 

 

「ん?なんだなんだ?」

 

「いや。こっちの話。2人とも試合見る?」

 

「いいのか!」

 

乱波肩動がドカッと私の隣に腰掛ける。…………なんかすごい懐かれたのよね。大型犬みたい。

 

 

「……俺はいい。部屋に戻る。」

 

「あ、そう?じゃあまたね?」

 

「フン。」

 

血染くんもなんだかんだ生活できてるみたいで安心。

 

 

「早く終われ!まだ終わらないか??」

 

モニター見ながら腕をブンブン……

 

「そうね。もう少しだけ待ちましょうね。」

 

「おう!」

 

……うーん犬。1回ボコボコにしたのが効いてるのか、私の発言には忠実なのよね……

 

 

ま、人様に迷惑かけずに好きに生きてくれてるならいいわ。

 

それよりもこんな賭博場に来ないといけないほどストレス抱えてる社会人が多いのが問題ね。

 

……頭が痛いわ。

 

 

「まだか!?」

 

「もうちょっと待ちましょうね?」

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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